神戸からおはようございます。
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職業柄、人と会議をすることが多いのですが、冒頭にアイスブレイク・雑談をしてから本論に入ることが多いです。いまの社会でおきていること、先方の会社に関わる最近の動き、天気や共通の知人の話など、そのテーマは多岐にわたります。多かれ少なかれ、会議をする、人と話す、となると一定の緊張をするのが自然だと思うので、場の空気感を調整する意味でも、このアイスブレイクというのはとても大切なもので、そして個性が現れるものだと感じます。
7月に入ると、会議冒頭のアイスブレイクに「今年も後半戦ですね、折り返しですね」というテーマがよく上がってきます。確かに1-12月の1年を考えると、7月は後半6ヶ月の始まりなので、この表現は適切な気がします。
この時間の折返しというテーマについて考えるときによく思い出す、「ジャネの法則」というものがあります。これは19世紀にフランスの哲学者、ポール・ジャネが提唱した主観的な時間の感じ方に関する仮説で、
生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢に反比例する
つまり、1歳のときの1年は、10歳のときの1年の10倍(1/1 vs 1/10)長く感じるはずだし、10歳のときの1年は、50歳のときの1年の5倍(1/10 vs 1/50)の長さを持つはずです。少なくとも、主観的には。
もしこれが本当なら、1年の中でも、折返しの地点はその人の年齢によって大きく変わるはずで、年齢変化率の大きい1歳児(+100%、1→2)なら4月くらいに折り返しを迎えているはずだし、一方60も近くなると1年の中での主観的な中間点とカレンダー的な意味での中間点の差分は小さそう(+1.7%、60→61)です。
このジュネの法則(やそもそもの主観的時間)についてはいくつか論文があって、日本語のものだと、高齢者は主観的時間の加速化が起きているという報告もあれば、いやいや1 年の体感時間が年齢に反比例するなんてことはなくて、主観的時間に影響するのは焦り・時間的圧力だよと書いている卒論なんかもありました。
確かに時計の時間と主観的な時間があるよな、自分はどんなふうに時間を感じているだろう…というようなことに思いを馳せていると、会議相手から促されて、本論に入っていくことになります。カレンダーには会議びっしり、時計の時間になされるがままに仕事をしていかなきゃいけない日々もしんどいですね。
ゆっくりした主観的時間を過ごすために、残り半年くらいは焦りを手放してやっていきたいなと思っています。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
アイスランド・4年に及ぶ週休3日制実験の結果は:同国の労働人口の約1%に相当する2.5千人が参加したこの実験、大多数の職場で生産性が維持または向上。働く側の心理的健康も改善したとのこと。このファクトに基づいて労働組合が今後企業と交渉を行っていくとのこと。 (link)
敵の不幸は(自グループの幸福よりも)蜜の味、の研究:ハーバード大2017年の研究。サブタイトルの出落ち→ “Fans of the Boston Red Sox and New York Yankees place greater value on rival losses than own-team gains” (Link)
牛の胃には「プラスチックを消化できる微生物」が住んでいる:7月2日付けでFrontiers in Bioengineering and Biotechnologyに掲載された論文から。牛のミノ液を培養した成分で、ペットボトルや合成繊維に使われるポリエチレンテレフタレート(PET)、レジ袋に使用されるポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)と、植物由来のポリエチレンフラノエート(PEF)を含む3種のプラスチックの分解に成功。 (Link)
1日5分の呼吸筋トレーニングが血圧を低下させる:呼吸筋トレーニング器具、Amazonで早速買ってみました。 (Link)
mRNA型のワクチン、効果は数年間続く:6月末にNatureに載って良い意味で盛り上がった論文。 “SARS-CoV-2 mRNA vaccines induce persistent human germinal centre responses” まっすぐなタイトル。 (Link)
質感を感じるロボットハンド:人の皮膚のように掴んだものの質感を判断しつつ、かつ傷ついたときには自己修復する処理を施したロボットハンドをシンガポール国立大の研究者が開発。 (link)
陰謀論にハマっている人達は、たぶん、ものすごく知的な活動をしていると思ってる:本文中にある「多く新興宗教がおかしくなるのは、信者が教祖を狂わせるからなんだよね」は、SNSに出てくるインフルエンサーの皆さんを見ているとなんとなく感じることがある。 (link)
「ネット断ち」をした僕が選んだのは、「ひたすらダラダラすること」:『結局のところ、人間がやることというのは、その人にとって幸せなように、「最適化」されてしまう』現実がここにある。 (link)
どうやって「長期的な人間」になるか:人間本能の短期思考・反応に振り回されないために。下記がまとめ。いい記事でした。 (Link)
・長期的であるとは、我慢しなければならない短期の集まりに過ぎない。
・意思や信念ではなく、友人やステークホルダーを長期への旅に巻き込む。
・我慢なのか頑固さなのかを見極める。
・ネガティブ要素に対する反応を予期しておく。
・長期的ではあるとは単に時間軸のことではなく、柔軟性のことである。適切なサイズを超えてはならない:為末大さんのnote。「最も活動的で生産的なサイズは全体に対しての規模の大きさではなく全体に対しての規模の適切さで決まる」ただデカさを追求してもしょうがないと、歴史が教えてくれる。 (Link)
学ぶのに良いYoutubeチャンネル一覧(英語):Twitterのスレッドに寄せられたよさげなYoutube学習コンテンツ。Slidebeanのチャンネルなんてあるんだ、と発見でした。 (Link)
新しい製品・サービスをどうやって使ってもらうか:あらゆるスタートアップが、最初に苦しむ壁の一つ、顧客獲得。いやはや、価値あるニュースレターは、世界中にある。 (Link)
📙本
「利他」とは何か:東工大・未来の人類研究センターがテーマの一つに上げている「利他」について、研究を進めている当人たちがそれぞれに語っている本書。『〜のために』という言葉、利に対する指向性、自他の区別などについて云々考えさせられる素晴らしい新書でした。 (Link)
華氏451度:100分de名著シリーズに影響を受けて、書籍本体も読んでみました。独特の文体。 (link)
🎥観た/観ている
プロフェッショナル仕事の流儀 国枝慎吾:ストイックさが群を抜いている。「パラリンピックを盛り上げよう、が気持ち悪い」と語るその口ぶりにみえる矜持。かっこいい。 (Link)
最初の企画書見せてください 「革命を起こしたあの掃除道具」:クイックルワイパー。企画書にフォーカスをした、新規事業・サービス開発に関わる人はMust Watchの番組だ。 (Link)
ピグパーティ:小学生の間で流行っていると聞きまして。このサービス上で友達と会話するんだって。時代は動く。
📻聴いた/聴いている
いんよう 第151回【いわゆる要素還元主義と人間の認知についてのあれこれ】:この会話、すごく入っていきたい。何も貢献できるところはなさそうですが。 (link)
カルチャートーク:アイドルのセカンドキャリア by 吉田豪:考えたことのない世界でした。 (link)
THE BLUE HEARTS『青空』Covered by しなの椰惠(Shinano Yae):ぐっときました。いい曲と、詩と、声。 (link)
🧩感じた/感じている
「自分にとっては無価値・無駄だが他の誰かにとっては素晴らしい内容だ/かもしれない」という対象について星いくつとレビューする人なのか、自分自身との相性を確かめる上で大事な問いなのかもしれない。
富より健康。
Excel/Spreadsheetの構造も綺麗にできないのにDXとは片腹痛い。
仕事のロジができないのに「あの人は仕事ができる」と思わせるためには相当の胆力と能力が必要で、それを持ち合わせている人は甚だ少ない。普通の人なら、まずはロジをしっかりすることを徹底する道を選ぶ方が賢明。しかしその道に派手さはなく、多くの人が離脱し、ロジも仕事もできない人に
🍵今の関心事
麻雀初心者だが、やってみたい。
なんでも、自分で考えて、自分で手を動かすのが楽しい。手の役割しか期待されないようなら、場所か、タイミングか、自分自身が間違っている。
与えられた場所で咲きなさい、は楽しいが、枯れてしまっては意味がない。
🥑活動報告
先週まで圧強めプロジェクトに入っていたんですが無事に処理できまして、今週から少し長い眼で物事を見たり考えたりできそうです。嬉しいです。
↑↑の呼吸筋→降圧の記事を読んで、呼吸筋トレーニングを始めました。まずは6週間の旅です。
日曜日、5足の靴を一心不乱にブラシで洗ったんですが、禅でした。道元が説いた、生活禅の時間です。
先週ワクチン接種で東京に行ったのですが、ふらっと立ち寄った丸善丸の内本店さんで自著「情報を活用して、思考と行動を進化させる」が平置きされていました。お世話になった書店さんで扱っていただけているだけでもぐっときます。ありがたい。
今週金曜16日20時から、Schooさんで『「BizDevが行うリサーチ」の意義とポイント』題名で生放送でます。会員登録すると無料らしいです。お暇ならばぜひ。
今週も、Happy Weekを。やっていきましょう。