神戸からおはようございます。このニュースレターはいま299名の方が登録してくださっています。いつもありがとうございます。(あと少しで300名!)
年末が近づいてきました。ばたばたしています。そんな中でも、ポール・グレアムが「よく書かずによく考えることはできないし、よく読まずによく書くことはできない」と言っていました(@The Need to Reed)し、書く時間・読む時間はしっかり確保しなくてはと思っています。
旧暦でいえば12月は師走。師匠であっても忙しく立ち回る季節、12月/師走です。卯の花が茂る卯月(4月)、稲穂が実る穂含月から派生した文月(7月)、霜が降りる霜月(11月)ときて、突然の人間視点。ここから、親戚一同が集い仲睦まじくする睦月(1月)、まだ寒さが残り重ね着(衣更着=きさらぎ)が必要な如月(2月)と、向こう3ヶ月は自分たち視点での暦が続いていくようです。
忙しいとき、日常に埋没するとき、視点が自分/内集団の中に閉じていく感覚があります。最近読んだ本、『すごい物理学講義』冒頭でも、同じことを感じました。
わたしたちは、自分自身にとらわれすぎている。わたしたちは、自分たちの歴史を学び、自分たちの心理を学び、自分たちの哲学を学び、自分たちの文学を学び、自分たちの神々を学ぶ。わたしたちの知の多くは、人間それ自体のまわりをめぐっている。あたかも自分たちこそが、宇宙でもっとも重要な存在であるかのように。わたしが物理学に惹かれるわけは、たぶん物理学が窓を開け、遠くを見るように促してくれるか らである。物理学に触れていると、家のなかにさわやかな風が吹きこんでくるような気分になる。
(中略)…科学的思考は世界を探索し、描きなおす。そうして、わたしたちが抱く世界のイメージを少しずつ刷新していく。世界についてより的確に考える方法を、科学はわたしたちに教えてくれる。科学とは、思考の在り方を絶えず探求していく営みにほかならない。わたしたちがあらかじめ抱いていた考えは、科学によって揺さぶられる。 科学が秘める力は、現実の新たな領域や、より適切な世界のイメージをあらわにする。
この本を書いたイタリア人物理学者、カルロ・ロヴェッリは『時間は存在しない』の作者でもあります。時間と空間は個別に存在するものではない、時間が熱の移動で測られるのではなく、熱の移動によってしか時間は定義できない等、物理未履修者の私は驚くばかりでした。(そうだ、時間は存在しないんだ。月末に設定されているあの〆切も、この納期も、時間が存在しないのであれば、そもそも存在しないのか…)
年末年始の私の読書リストに、彼の新しい著作『世界は「関係」でできている』があります。時間も、空間も、世界にあるすべてのものは、あくまで相対情報によって定義されると。直感に反するこの本を、私の頭の中の関係図に入れ込みたいなと思っています。
あと1ヶ月、調和の下で2022年が過ぎていきますよう。自己中心性が生み出す遠心力でこの世界を崩壊させないように、世界中に科学と関係の爽やかな風をふかせ続けていくぞと決意する朝です。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
嫌いなものから逃げ続けた世界は、狭くてつまらない。:タイトルの通り。思い通り、好きなものばかりに囲まれた人生のどこに驚嘆と感動があるのだろう。 (Books&Apps, link)
時間という虚構:カバーで書いた『すごい物理学講義』を読み自分の時間感覚が揺らいでいます。まさに。 >“The clock does not measure time; it produces it.” (NOEMA, link)
ポール・グレアムが語る書くこと・読むこと:『よく書かずによく考えることはできないし、よく読まずによく書くことはできない。この「よく」というのは、両方の意味で、読むのが上手でなければならないし、良いものを読まなければならない。』私がたくさん読み、たくさん書く理由です。 (PG, link)
Generative AIへのガイダンス:画像生成系以外も色々出てきているので、どこかで1週間くらい籠もってごりごり試したいです。特に大型資金調達をしたJasperが気になっています。 (The Information, link)
生成AIが示すアートの可能性:Dall-E2やStable Diffusionが生成したものに人間が手を加えて最終化しているんですって。二項対立を超えて、二項動態に向かえるといいな。 (BBC future, link)
あらゆるインフルエンザ型に対応する万能mRNAワクチン:ペンシルベニア大学、型予想に頼っていたこれまでのワクチン接種に対する技術リープです。11/24付けでScience誌に掲載。 (nazology, link)
イルカにカプサイシンは効かない:ギリシャの研究チームの報告。漁網に辛み成分を塗り込むことでイルカが魚を食い荒らすのを避けようとしたものの、彼らは怯まず網を突き破った模様。別の海洋生物には効果があったのに… (The Atlantic, link)
イスラム世界での新消費傾向:コスパや高品質であることよりもハラルであることを重視する世界線。決済アプリが拡がりBNPLモデルが人気、メタバースに関心あるが信仰とのバランスが不透明なところに悩み、などなど。インドネシア、来年くらいに行って、いろいろ観察したい。 (Wunderman Thompson, link)
いつからペットボトル水が当たり前になったのか:米国でペットボトル水の消費量が水道水を上回ったのが2016年。これだけClimate Crisisが叫ばれる中、何かおかしくないか?とThe Voxが問いかけます。> “The story of bottled water is part fear, part marketing, part laziness” (The Vox, link)
物忘れをする自分と向き合う:ファクトフルネス/Factfullnessもいいですが、普通忘れますよね主義/Forgetfullnessで生きていきたいなと思っています。都合良く物事を脳の奥底にしまっておけるのは、虚構を生きる人間にとって必須の仕草ですから。 (BBC Future, link)
決して賢くない自分との向き合い方:Redditで話題になっていたMIT卒業生と高校生の対話『僕は自分が思っていたほどは頭がよくなかった』、もう10年前の文章なんですね。自分の無力さに打ちひしがれるとき、このURLにかえるようにしています。そして少しの勇気をもらい、また最前線に戻るのです。 (しのごの録, link)
忙しい人向け】月に10時間を捻出する方法:わたしもこれを実践して、月4回のニュースレター作成と読書時間を生み出しています。2倍Noと伝える(かつ先延ばしせず)、ルーティーン化/バッチ化の徹底、30秒で出来ることはいまやる、などなど。生み出した時間で、自分にとって大事なことをするのです。 (Perspectives, link)
📙本
「モノサシに目印」 コトバ/デザイン/アソビ:Inquireのモリジュンヤさんから紹介頂いた本、最高でした。世界の見方を昇華させなきゃダメだ。完全に翻弄された。 (Amazon, link)
私は何も信じない―クリシュナムルティ対談集:少し前に読んだナヴァル本の中で紹介されていた書籍。私もそうありたい。 >私が言いたいのは、人はすべての前提、すべての経験、すべての神秘的断言を放棄しなければならないということです。思うに、人は、あたかも何も知らないかのように出発しなければならないのです。 (Amazon, link)
ペストの夜:トルコのノーベル賞受賞作家、オルハン・パムクの新作です。コロナ禍前からこのテーマに挑んでいたとは。いままさに、の本でした。 (Amazon, link)
📻観た/聴いた
いんよう!:サンキュータツオさんが出る回は須く良いです。 (Apple Podcast, link)
🧩感じた/感じている
何かの節目を過ぎたからといって、良いモメンタムを減衰させてはいけない。(訳:1Qの収益数字が良かったからといって、今後の経営・事業で手を抜いていいわけではない。)
商売繁盛を願うために、とんでもなく大きな熊手を買うべきだ。それを置く棚も設置せねばなるまい。
「あ、こういうことか」と体に気づいてもらう機会をたくさんつくりたい。
誰かを口説くときのポイントとしてどれも重要だ。私は⑥が最優先、③→④→②と続いていきます。①/⑤はほぼ無視。
🍵今の関心事
『すごい物理学講義』を読んで以来、時間・空間と熱の関係性を考え続けていて、いま自身が認知している"空間"の虚構を剥がそうとしています。時間も同じく。
褒め上手になるために、どこで場数を踏むか。
GoProでひっそり撮りはじめたバイク+神戸日常動画、どんな風に使おうか。
Aerophone miniの練習時間をどこに入れ込むか。
生成系AIを自分自身のワークにどう活かすか。特にLex、Jasper、ChatGPT。
🥑活動報告
当社Cobe Associe、9月始まり会計なので先週で第1四半期が終わりました。2-3Qが稼ぎ時なんですがまだ営業頑張れていないので、エンジンかけなきゃ。
今日夜にレブル1100DCTの納車日なので、関係者のみなさんよろしくお願いします。
1月以降、新規事業系の企業・市場調査や、戦略・企画系のサポートが必要な企業さん・チームの方がいらっしゃればぜひお声がけくださいー!周りにぜひ当社・私をおすすめ頂けると、、、お力をおかしくださいませ◎(必死な顔で
今週も、Happy Weekを:-)