神戸からおはようございます。このニュースレターはいま329名の方が登録してくださっています。いつもありがとうございます。
今月、人生で初めて新品のテニスラケットを買いました。3年前に始めてからずっとメルカリさんにお世話になっていたのですが、そろそろしっかりメーカーさんにお布施をするかと思い立ち、今月発売になった新作を2本まとめ買いしています。例年1月は新作ラケットがたくさん出来る時期のようです。知らない季節性がこんな所にも。
テニスラケット、競技初心者にはめちゃくちゃ選びづらい・買いづらい品です。選ぶ要素がありすぎて、長さ・重さの2要素でバットを選んでいた野球出身の私を混乱させ続けています。↓どんだけあんねん。これに更に「どのストリングをどのくらいの強さで張るか(しかも縦・横別にも出来る)」という選択肢も加わります。大混乱。
メーカー
シリーズ
重さ
フェイス面積
バランスポイント
フレームの厚み
フレームの堅さ
ストリングス パターン
グリップの太さ…等
本来はその人の体格・体型や目指すテニスのスタイルに応じて色々調整するのが望ましいのですが、店員さんやテニスコーチは「"黄金スペック"から始めてはどうですか?」の一言でたいがい片付けます。『フェイス面積100inch² × バランスポイント320mm × フレームの厚み26mm前後』のラケットがその扱いやすさや商品ラインナップの充実度からそう呼ばれ、私も最初に買ったのはこの黄金スペックのものでした。
この黄金スペックというコンセプトは偉大な発明だなと改めて思う次第です。有無を言わさず「これがいいんだよ」感じがしませんか、"黄金スペック"。歴史ある建築物や美術作品に用いられる黄金比率をもじった言葉、とりあえず初心者はここからだろ?をこの言葉でセットした感じがあります。(そして実際にそこそこ扱いやすい)
選択肢が多すぎると選べなくなってしまう心理現象『ジャムの法則/決定回避の法則』にもあるとおり、選べる要素の多さは時に人を混乱させ、遠ざけます。選択肢を絞るとき、そこに必要なのは明確なタグラインであり、コンセプトです。
飲み会における『とりあえず"生"』
体調不良時に『とりあえず"内科"』
物販ECの『とりあえず"お試しキット"』
いろんなサブスクサービスの『とりあえず"スタンダードプラン"』
事業家としては、この『とりあえず』に続くコンセプトをいかに生み出し維持するかが大事で、一方の生活者としては、どこかで過去に行ってきた『とりあえず』な意志決定の棚卸し・再評価をすると人生が豊かになりそうだと感じています。その一環で、まずはテニスラケットから黄金比率を脱して、自分自身にとっての良さを追求していきたいなと思っています。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
コンピュータは難しすぎる:課題がインターフェースにあるというのはその通りで、ソ連・戦闘機のお話しが示唆的でした。>"プログラムさえ丁寧につくればコンピュータの持つ潜在能力は圧倒的に高い。だがコンピュータに比べて人間は頭が悪すぎる。結局のところ、道具がどれだけ進歩しても使う側の人間の想像力が追いつかないと全く使いこなすことができないのである。" (note, link)
正確に文章が読めない人の話。:いまとあるコンサルファーム若手+フリーランス中堅の人をチームに従えて仕事をしているんですが、この記事内で描かれることを痛感しています。日本語、通じないなぁ。そういう人ほど「英語を勉強しています!」という不思議。いやはや、とほほ。 (Books&Apps, link)
イノベーティブなことは善か:広告代理店のベテランが『NEW is better than GOOD』と言い放ったのを聞き、以来、電通・博報堂の人が苦手です。→はその通りだと思う。人は社会規範に従って嘘をつく。> "人間は、本当に新しい話はあまり聞きたくない。" (Modern Times, link)
ニュースレター作者の2023年予測:The FACEの書き手がファッションや若者文化、インターネット等の2023年トレンドを予想。「食」について、もっとキッチンが利用されるようになり、自家製ソーダが流行るんじゃない?と。アルコール飲料の代替が進みます。 (The Face, link)
若者のお金の使い方を捉えてみる:The Economistの分析記事。マッキンゼー命名の「常時接続型購買者」って表現は秀逸ですね。ソーシャルメディアでブランドに接し、広告内容をクロスチェックした上でAmazonで買う。支払いはBNPL。初めての高級品購入は15歳。記述の中心は米国・欧州ですが、日本でもこうなんだろうな。いろんな驚きがあった記事。 (The Economist, link)
MicrosoftはVR/MR/HoloLensを見限った:BigTechのレイオフが続いている中でMSも数千名規模の人員縮小を実施、メタバース関連のプロジェクトチームは全員解雇されたとのこと。HoloLensのチーフ・アーキテクトだったAlex Kipmanが退社して以来この領域からは撤退気味でしたが、この動きが決定的に。 (Windows Central, link)
快楽型大量破壊兵器・TikTok:心理学・正の強化をフル活用するやつですね。一般的なネット中毒を超えて、Tiktokは注意力をこのサービスに集中させることに成功しています。わたしは怖くて手を出せていません。> "強迫観念を刺激し、催眠術のようなコンテンツを何度も何度も見せ、あなたの脳への刷り込みを強化することができる" (The PRISM, link)
賢そうな質問をするのはやめよう:良い場をつくるためにあえてバカな質問をしようと。講演会や勉強会、学会なんかでも、質問者である自分を賢く見せるためだけの質問をよく見かけ/耳にしますが、回答者と一緒に深淵を覗くなら、あえて“Can you just explain this to me like I barely know anything about this subject?”と問いかけるべきなのです。 (The Atlantic, link)
プロジェクトは不安定性な存在か:このブログの投稿、毎度ぐっとくる> "わたし達がプロジェクト・マネジメントに悩むとき、そして世の中の知識体系や教科書を勉強しようと志すとき、じつはまだ、これは第一原理さえ確立していない分野なのだ、と肝に銘ずるべきではないだろうか" (タイム・コンサルタントの日誌から, link)
📙本
編集とは何か。:じっくり読んでいます。編集長の言葉にぐっときて、"ケアをひらく"シリーズと"美術手帖"を纏め買いしました。美術手帖のゲーム特集で読んだ内容と↓がリンクして、ペアリングで楽しめています。 (Amazon, link)
ステータス・ゲームの心理学: なぜ人は他者より優位に立ちたいのか:人はみなゲームの世界を生きており、そのゲームでは無意識に自分のステータスを高めることを重視するんだと。直感に当てはまる部分も多く、はじめて「ファスト&スロー」を読んだときの感覚に近いものを覚えています。良い本。 (Amazon, link)
📻観た/聴いた
ヒューマニエンス「"腎臓" 欲望を支える寡黙な賢者」:腎臓は1日に150㍑の尿をつくり、体内の水分量・塩/ミネラル量を適切な水準に保つ。肝臓と比べても、とんでもなく複雑な動きをする臓器なんですって。大切にしなきゃ。NHKのコンテンツは素晴らしいな。 (link)
たった1滴の海水に潜む幻想的な生命:水中環境撮影のプロフェッショナル・Angel Fitor氏の作品集。 (Smithsonian Mag, link)
イギリスの街並み/1万年前〜現在〜未来:Steve Noonさんの作品。AD100~900の間に何があったんだろう。 (link)
🧩感じた/感じている
なんとか1月を乗り切った。このまま2月も乗り切りたい。
コンサルファーム若手のスキルは、大規模化・大量採用とリモートチーム化で如実に下がっているが、彼らのプライドはスカイロケットになっており、このギャップがいろんな不幸及び実害を産んでいる。
複雑なExcel関数を組むことになったら、まずChatGPTに問い合わせよう。
Youtubeの内容をChatGPTに伝えてサマリーしてくれるChrome拡張、私の仕事をめちゃくちゃ加速させてくれそう。海外カンファレンスまとめが捗る。
宇多田ヒカルさんが"伝える"ってテーマで話した内容が素晴らしかった。 (link)
素晴らしい言葉。 >"It is difficult to say what is impossible, for the dream of yesterday is the hope of today and the reality of tomorrow." — Robert H. Goddard
🍵今の関心事
ChatGPTを使って自分の仕事を3段階レベルアップさせるとしたら、どの部分か。↓の例はどちらも有用で素晴らしい。
🥑活動報告
東京出張、良い仕事が出来ました。次は3月の予定です。ご飯に行きたい人がたくさんいるのに、機会が限定されすぎているのが課題です。
週末にでたテニスの大会でひっそり優勝しました。嬉しいです。
人生ではじめて『人に配る』目的で本をまとめ買いしました。「会社という迷宮」を読みお互いに感想を言い合う中で働く相性を判断する『読書感想戦採用』をやろうと思っています。直近読んだときには"開発”の章が好きでした。
今週も、Happy Weekを:-)