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ほぼ1週間のイラン旅行から戻ってきました。長い旅行記はまたどこかで書くんですが、旅の余韻をまずはここに書いていきます。
20日日曜、朝からテニス大会に参加し疲労困憊の状態で関空にいきエミレーツ航空ドバイ行きに搭乗。10時間エコノミーの旅。ドバイでトランジットして更に2時間、いざテヘランへ。関空で円→ドル両替時に「今回はどちらへ?」「イランです」と答えたら20分ほど資金使途を根掘り葉掘りきかれたり(私の見た目の問題だろうか)、隣席だった日本人老後夫婦に小さな声で「そーりー…といれっと…」と声をかけられたり(私の見た目の問題だろうか)、色々あったけど順調なキックオフです。
どこに行くの?と聞かれ、ペルシャと答えると羨ましがられ、イランと答えると安全の心配をされる。そんな場所に今回旅してきました。イランイラク戦争、米国からの経済制裁、トルコ国境での地震、アフガニスタン国境でのイスラム国活動活発化、、、「言葉の魂を哲学する」にもあるように、同じ場所を指していても、そしてそのいずれにも見た目上の価値判断がなくても、真逆の印象を与えることができる、それを実証しているような国。
わずか数日間の旅ですが、信じられないくらい良い体験になりました。旅の効用を「凝り固まった日常の揺さぶり」に置くなら、日本人にとって、イランほど良い場所はないのかもしれません。ニューヨークやロサンゼルス、ロンドン、パリ、上海、シンガポール。どれも素晴らしい都市ですが、その土地っぽいものがあるだけで、結局"都市顔"が前に出てくるでしょう。結局バーガーキングに入ってしまいます。しかしイランではそういうことはない。ここにはペルシャとして築いてきた8千年の歴史があり、米国はじめ大国の関与を最小化しつつ、自分たちにとっての当たり前を守り、独自に発展させ続けている国ですから。
ペルセポリス、ぜひ行ってください。伊勢神宮に行ってばかでかい鳥居に感動した人なら必ず感動できます。高校世界史履修者で、ダレイオス1世、クセルクセス1世みたいな名前にピンとくる人ならなお良しで、入り口後の売店では水が市場価格の5倍で売られています。歴史も経済も体験できる場所。紀元前5世紀にこれがつくられはじめたのか。
聞くと、イランだけで遺産が150万箇所あるんだと。奈良の比じゃない。150万箇所。ガイドの人には、「あと10回来たらイランの魅力が伝わると思います」と言われました。イランマスターになる頃には還暦迎えていそう。ガイドさんに漫画「乙嫁日記」「アンナ・コムネナ」を見せたら、それぞれの作品とペルシャの関わりをテーマにしたツアーも組めるよと言われた。なんというペルシャの懐の深さ。めっちゃ楽しみやん。
その他にも、オススメのポイントがいくつかあって、ペルシャ話語は耳に優しく、何より美しい。私自身、無意識に「うるさいな」と感じてしてまう言語がいくつかあるのですが、ペルシャ語ではおっさん同士の口げんかも楽しく聴けます。さらに、ペルシャ文語は目に優しく、美しい。スティーブ・ジョブズがカリグラフィを「プロダクトに美しさをもたらすための重要な学び」だといっていました。ペルシャ語に数多ある文体を目に焼き付けたいと感じます。
旅の途中に気づいたこと、考えたことをメモしていたら合計170個、合計8千字になりました。行き帰りの飛行機や道中車移動で「中世への旅シリーズ」「言葉の魂の哲学」「言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか」いろんな仕事に迷惑をかけて行ってきましたが、来年も再来年も他人に甘えて旅にいこうと思います。次はゾロアスター教の聖地・ヤズドと、タブリーズに行かなきゃ。
✏️読んだ/読んでいる
📙本
純粋な人間たち:セネガルで実際にあった墓暴き暴動をテーマにした小説で、著者はフランスの大学博士課程で学ぶ30代の実力ある作家。ちょっと衝撃でした。取り扱っているテーマは民族と宗教と性愛なので普遍的、しかし個別具体的なテーマをみるとどこまでも現代的で先鋭的。フランス語現代だとこのタイトルは「ただの人間たち」とも読めるそうで、そういうとこも好きだぞ、となってます。 (Amazon, link)
中世への旅シリーズ 騎士と城/都市と庶民/農民戦争と傭兵:飛行機旅のお伴には紙の本を。自分が持っている「中世ヨーロッパ」のイメージを、騎士の生活をとっかかりに、住居、食事、衣服、家族関係、様々なに具体化してくれるハイパー良著。こういうじっくりした本と向き合えるのがWifi隔絶環境の素晴らしさ。 (Amazon, link)
📻観た/聴いた
🧩感じた/感じている
30代中盤、10時間のエコノミーフライトは許容範囲内。同時に、海外旅行に行くならプライオリティパスの恩恵に預かるべき。
結局、玉ねぎがいちばん美味しい。
イラン旅、驚きがたくさんあった。例えば、、、
ランクル1台とテヘランのそこそこ良いマンション1室はほぼ同額。
イランにも車検はあるが、ボコボコになった車も普通に走っている。バイクはヘルメットマストだが、ほとんど誰もかぶっていない。
「紅の豚」の元ネタ、王様が豚になってしまったのをお姫様が何とかしたアルメニア王国のお話しに行き当たりそう。
🍵今の関心事
色と音と文字への感性をいかに高め、それを思考と行動に活かすか。
来年の長期旅はどこに拠点を置くか。
先週1週間の仕事のビハインドをどれくらい取り戻すか。あるいはそのままにするか。
🥑活動報告
来月も海外旅が待っています。Regusオフィスにお世話になります。
旅に出ている間に2つのプロジェクトが決まって、今週からキックオフです。
今週も、Happy Weekを:-)