神戸からおはようございます。Cobe Associe代表の田中志です。このニュースレターはいま376名の方が登録してくださっています、いつもありがとうございます。
1週間に1つでも、なんなら1ヶ月に1つでも、心の底から感動できることがあるなら、それは幸せな人生を生きているということです。みなさんの8月はどうでしたか?バスケットボール日本代表のフィンランド/ベネズエラ戦勝利、世界陸上やり投げ北口選手の金メダル、甲子園、インターハイ、、スポーツだけみてもたくさんの印象深いシーンがありました。(同名人として、陸上女子中距離の田中希美選手を応援し続けています)
私はなんといっても将棋です。先週31日、藤井聡太七冠が永瀬拓哉王座に挑む第71期王座戦五番勝負が始まりました。藤井先生の史上初八冠がかかったシリーズとして注目されています。今年先手番で無敗だった藤井先生に対し、後手番の永瀬先生が中盤の劣勢をはねのけて逆転勝利。終盤136手目の4一香が辛すぎてしびれました。
「辛い」の説明 (link)
攻め合って優位を保てそうな局面で、あえて受けることでさらに優位を拡大すること。
「辛い手」は「友達をなくす手」と似ていて、勝ちにこだわった指し方であるが、負けている方としては「そこまでやるか」という思いになることもある。
多くのメディアは、藤井八冠の登場を期待しています(その方が経済効果は如実に大きい)し、実力レーティングでも藤井先生が200点ほど高く期待勝率が70%以上、3勝先取りのタイトル戦を考えると藤井八冠の誕生はほぼ既定路線と言えます。
永瀬先生は努力の人。有名な話ですが、小学生のときから年間300日将棋センターに通い、持論は「練習量は裏切らない」。揮毫を頼まれると"根性" “不倒"など独特の言葉を筆で記します。過去、どれくらい勉強すればトップになれますか?という質問に対して、
2万時間あればかなり良いところまで行く
6年間毎日10時間をやれば、ある程度いいところまでいくんじゃないか
と答えています。仕事じゃなくて勉強が1日10時間。
インタビューをみても、努力に対する迫力の違いを感じさせられます。
2019年6月、直前に初タイトルの叡王を獲得したことを祝福するイベントの終わりに、永瀬は参加者の子供から「将棋に必要なのは本当に才能ではなく努力なんですか」と質問された。
広く知られている語録は本当なのかと。これから人生を歩んでいく小さな子の切なる思いが伝わる問いだった。
永瀬は笑顔を浮かべた後、真顔になって少年に語りかけた。
「自分は子供の頃、何をやってもうまくいかない子供でした。でも将棋と出会えた。出会えて頑張ることができた。才能はないとすぐに分かりましたけど、努力することはできたんです。大切なのは好きなことを見つけて、努力を続けることだと思っています」
そして続けた。
「自分は自分の棋士人生を通して、才能よりも努力の方が大切なんだということを証明したい。何かを頑張ろうとしている子供たちに伝えたいんです。才能は腐ってしまうけど、積み重ねる努力は違う。才能のある人の多い将棋界で、才能のない自分がどれだけやれるか。まだ何も証明していないので、これから証明したいと思っています」
(link)
推しの渡辺先生のAbema解説も最高でした。第2局も感動しながらしびれていこうと思います。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
営業の崩壊と再生~営業の問題を解決する14の処方箋:「やるべきだがやっていないことをやる」あらゆる事はここに返ってくる。『優れたマーケティングを行えば営業は不要』この嘘を広める人を厳罰に処すべき。 (bagie, link)
GoogleがGPT-4の5倍性能を持つGeminiで市場を圧倒する:結局GPUをどこまで持っているかで勝負が決まる世界。 (Semianalysis, link)
車はどんどん重くなっている:2022年・米国で販売された車の平均重量は約2tで、1980年の平均よりも450kgほど重くなっている。電気自動車への移行により、バッテリー従量も加わって更に重量は増していくだろうと。 (Bloomberg, link)
BRICSはフェイクになりつつある:20年以上前に世界経済にとっての次の経済成長エンジンとして期待されたブラジル・ロシア・インド・中国・南アは、過去共同で経済構想を提案し続けてきたがどれも上手くいきませんでした。来年1月から新たにサウジや6カ国が新規加盟するものの、中国vsインドなどグループ内での緊張関係も高まっており、結局米国・ドルの優位は揺るがなかったと。↓グラフ見て、過去20年の成長ってこんなもんか+エストニアすげぇなとなりました。 (Noahpinion, link)
繰り返されるジンバブエの選挙不正:エマーソン・ムナンガグワ大統領は同国2回目の選挙で勝利宣言をしたモノの、脅迫や不正行為が報告されています。現職が有利な地域では投票期間が長くとられ、一方反対候補者が有利な地域では開票時間を遅らせたり投票所閉鎖を早めたりしたとされています。AP通信によると、今回の選挙は民主的とはとても言えず、政治的な安定はまだ遠いと。 (Vox, link)
イラン、ヒジャブ未着用の罰金増額:テヘランやイスファハーン、若い女性の半分くらいは未着用でした。法律は文化変容の流れに抗うことが出来るのか。 (nikkei, link)
コーヒーの出がらしでコンクリートの強度が30%向上する:豪州・ロイヤルメルボルン工科大学の研究チームが発表。コーヒーの出がらしを無酸素状態かつ350℃という高温で加熱して炭化させて生成したバイオ炭を活用し、砂の15%を置き換えることで強度改善+年間100億kgともいわれるコーヒー出がらし廃棄物の削減にも貢献できるとしています。 (gigazine, link)
「忘れること」も学習の一部:ダブリン大学トリニティ・カレッジが実施したマウス研究で、忘却のためには記憶を保持している脳細胞が一度活性化している、つまり脳は忘れるために"努力"していることが明らかになりました。記憶保持を担当しているエングラム細胞の活性化/再活性化が忘却や記憶回復に重要であると報告しています。 (Nazology, link)
読書をすることがメンタルヘルスやキャリアにも良い影響を与える:読書はいいぞ。本当に良い。自分の場合、読書が辛くなったら心が疲れているサインなので、メンタルヘルスのリトマス紙としても機能しています。 (gigazine, link)
📙本
君たちはどう生きるか (岩波文庫):次のポッドキャスト課題本、13年ぶりに再読しています。初読の時とは心に残るところが全然違う。ナポレオンが皇帝になったのが35歳、そしてその時代を終えたのが46歳の時。わたしもあと10年ですね。自分が真剣に感じること、考えることから始めて、英雄的精神を持ってやっていきます。 (Amazon, link)
図書館のお夜食:古い文学作品に出てくる食事をまかないで出してくれる食堂がついた私設図書館。出てくるキャラクターが魅力的。 (Amazon, link)
重力と恩寵 (岩波文庫):早逝したフランスの思想家、シモーヌ・ヴェイユのメモをまとめた書籍。現代思想の本を読むとよくリファーされているので読んでみたのですが、最近読んだルネ・ジラールと通じるところがあり、ぐっときました。↓がChatGPTによる本書のふんわり紹介。 (Amazon, link)
「重力と恩寵」では、重力(Gravity)は物質的、肉体的な欲望や地上の事物に引かれる力、恩寵(Grace)は神や高次の真理に心を開く力として解釈されます。ヴェイユは、これら二つの概念を通じて、人間の存在の矛盾と複雑性、そして神聖への憧れと地上の現実との間の摩擦を探求しています。
この作品は、苦悩、犠牲、愛、真理といったテーマに対する独自の洞察を提供しており、多くの読者や後の思想家に影響を与えています。それぞれの断章は短いものが多いですが、その内容は非常に深く、多くの場合、宗教的なテキストとしてだけでなく、哲学的なテキストとしても読まれています。
中世への旅 都市と庶民:「中世への旅」シリーズ第2弾。イスファハーンのお宿で読みました。 (Amazon, link)
中世への旅 農民戦争と傭兵:「中世への旅」シリーズ第3弾。テヘランのお宿で読みました。 (Amazon, link)
実力も運のうち 能力主義は正義か?:2年前から積ん読にしていた本書、ドバイ→大阪の飛行機内で読みました。あれだけ日本で流行ったマイケル・サンデル、今改めて読むと、なんというかエリート臭が鼻につくな…↑『君たちはどう生きるか』の中で、叔父さんが窘めている「貧しい人よりも自分を一段高いところに置く(p.128)」姿勢が文章から垣間見える。 (Amazon, link)
無用者の系譜 (筑摩叢書):本郷和人先生の日本史本を読んでいたら参考書籍で出てきた本書。これはじっくり (Amazon, link)
📻観た/聴いた
The Atlantic "Photos of the Week":癒やされるものも、危機感を感じるものも。 (link)
🧩感じた/感じている
「大して重要ではない仕事を上手くこなす」=可視化しにくい無駄な時間。
"純粋な人間たち"ぜひいろんな人に読んで欲しい。世代格差やジェンダー、宗教、いろんな不平等や不公正に怒る人は手に取るべき。
CS/キャッシュフローで経営をして、BSで意志決定をするのが健全。PLは税務以外ではまともにみてはいけない。 (link)
ペルシャ語で詩を学びたい。
今年も夏が長い。
🍵今の関心事
3年後の自分は↓の質問にそれぞれなんと答えるのか/答えたいのか?
この質問回答を踏まえてどう今の生活を変えるのかを考えたい。What positive systems did you create?/どのようなポジティブなシステムを作ったのか?
What bad habits did you eliminate?/どのような悪い習慣をなくしたか?
What positive environments did you enter?/どのようなポジティブな環境に身を置いたか?
What negative environments did you exit?/どのようなネガティブな環境から抜け出したのか?
Who did you spend time with?/誰と過ごしたか?
Who did you create distance from?/誰と距離を置いたか?
🥑活動報告
この9月からCobe Associeの6期目が始まりました。来年3月までは相応にお仕事依頼を頂けている今、向こう1~2週間のお仕事であくせくしていた1年目の気持ちを忘れずに、真剣に精一杯仕事をしていこうと思います。
2冊目単著、重版がかかりました。嬉しいです。
通信制大学4年生前期の試験を受け終わり、単位も取れているはず。あと半期で卒業、あっとういう間でしたが、これからも社会心理学領域を楽しく学びます。
今月半ばはラグビーW杯@フランスに参戦してきます。前哨戦全然勝ててないけど、がんばれ日本代表。
今週も、Happy Weekを:-)