当社Cobe Associeは9月始まり・8月末締めで現在6期目なのですが、来期7期目・25年秋まで安定運営できそうなほどにお仕事相談を頂けています。創業したときには考えられなかったことで大変有り難く、同時にそろそろ真面目に忙しさをコントロールしなくてはいけないと感じ始めました。
なので、いよいよ真剣に採用活動をします。リサーチャー・コンサルタントとして働いてくださる方and/or全然別軸で事業を一緒につくっていけるようなエネルギーに溢れた方、周りにいらっしゃったらぜひ教えて頂きたいです。日本中どこでも口説きに行きます。
どんな人と一緒に働きたいかと聞かれたら、思いつく要素の一つは、若松英輔さんが毎週土曜に日経で連載されている『言葉のちから』について語り合えるかどうか。特に、膨らみのあるテーマを扱った「意志について~フィヒテ『人間の使命』創造的な出来事生み出す」は、過去ずっと、そして未来永劫"不要不急"の仕事であり続けるコンサル業にとっての良い仕事について考えるには最高の素材の一つだと感じています。
十八世紀から十九世紀初頭に活躍したフィヒテというドイツの哲学者がいる。カントの後継者として研鑽(けんさん)を深め、のちに独創的な哲学を構築した。この人物が『人間の使命』と題する哲学的対話篇で「意志」をめぐって印象深い言葉を残している。
「永遠の世界においてはただ意志のみが、この意志は私の心の隠れたる暗闇にあってあらゆる死すべき目には閉ざされているが、見えざる精神の国全体を貫く諸結果の連鎖の第一項である。」(量義治訳)
フィヒテによれば、ただ意志のみからあらゆる物事が始まっていくのだと。同時に、この意志というものは、簡単に目にすることはできないのだと。
誰もがよい仕事をしたいと願っている。仕事がうまくいかないという人でも、深いところでは、自分が事に仕え得るような日々を送ることを希(こいねが)っている。そこに名状しがたい確かな充足があることを、私たちは経験で知っているからだ。
「よい仕事」とは必ずしも収益を得ることではない。現代人が仕事の重みを経済原則によって量る習性をもっていることは否定しがたいとしても、本質的な意味で仕事が、それほど単純な構造であったら、世界は存続し得なかっただろう。ここでの「仕事」とは何らかの行為によって、世界、他者、あるいは自己とのつながりを深化させることを指す。そこには祈りのような行為さえ含まれる。
仕事において重要なのは結果である、という人がいる。結果は重要である。しかし結果が試みよりも意味があるとは断定できない。ほとんどの場合、結果とは不断の試みの成果に過ぎないのではあるまいか。
いつからか文章を書くとき、二つのことが念頭に置かれるようになった。どの文章も誰かが人生の最期に読む文章になる可能性があるということ、そして亡き者たちが、まっすぐな眼で言葉を見つめているという実感である。
こうした認識に応答するためにもフィヒテのいう意志を働かせなくてはならない。それは完全にではないとしても、いくばくかの無私をはらむものであるように今は感じている。
安全安心の国・日本では、特に意志を持たない個人であっても働き口は容易に見つかり、意志を持たない企業であっても事業をつくり継続させていくことができます。そんな社会にあって、意志を持ち、あらゆる連鎖の第一項となるべくがんばる会社・個人としてやっていこう。そう考える人間として、妥協せず、しかし門戸を広げて人を探していこうと思います。
おすすめ:塚越寛・著『新訂 いい会社をつくりましょう』(サンクチュアリ出版)
💼心惹かれたもの
鹿児島のめんつゆ・唐船峡:千鳥の番組で知って注文してみました。少し甘め、そのままストレートで楽しめる旨味の深いめんつゆでした。夏がいっそう待ち遠しくなりました。 (link)
✏️読んだもの
📃記事
30日間で人生を変える方法:自律が求められる働き方をしている人にとって、Sahil Bloomのニュースレターは単なる生産性改善を超えたアイディアをくれるメディアです。自らを変革するために、アイディア一つ・一瞬の気付きは十分ではない。重要でかつ本質的なテーマについて1日30分、30日連続で何か実行すること(30 for 30)、わかりやすくていいコンセプトでした。1万時間の法則、などもありますが、まずは1ヶ月、拘ってやっていきましょう。 (sahil bloom, link)
カマボコ人間と獣たち ◆ 水曜日の湯葉:自分のこと、ひいては人間のことを高く評価しすぎではないか、は私も持っている問題意識(であり懸念)で、柞刈湯葉さんのケモナー話を読んでその思いを強くした。 (note, link)
日本で教育を受けた人ならば「人間はサルから進化した」と知っているが、これを「人間はサルよりも進化している」という意味だと誤解している人が多数なのではないだろうか。この「進化」は単に誕生経緯を述べているだけで、優劣の意味はまったく含んでいない。「アメリカはイギリスから独立した」というのは歴史的事実だが、これは別に「アメリカはイギリスよりも独立している」という意味ではない。
ガートナー『2024年に向けて獲得すべきマインドセット』:技術のハイプサイクルなどで有名なガートナー社からこんなものが出ているとは知りませんでした。"「何でも松」から「松竹梅」へ” →この言葉だけでも全国に配り歩きたいです。メリハリの不足はあらゆる集団・組織を不幸にする。 (gartner, link)
マーケティングのアイディア・ブック:120個のマーケ施策例が掲載されています。参考にしつつ、「自社では何をやろうか」を2-3個程度決めてやりきるのをおすすめします。読書と一緒。 (marketingideas, link)
ギャンブル依存症、その後の人生:オンラインギャンブルにのめり込んでいた男性が、ただ走ることと向き合い数年間トレーニングにどハマり、268マイルを走破するレース「モンタン・ウィンター・スパイン」を72時間55 分で完走し従来の記録を10時間以上更新したと。人間はいつでも、新しいチャレンジの人生を生きられるんだと勇気が湧いてきました。 (Positive News, link)
男性用避妊ピル、今年中にヒト試験開始か:ミネソタ大学の研究チームが主導。ビタミンAと特定タンパク質の結合を阻害するレチノイン酸受容体α(RAR-α)を用いて、可逆的な不妊症を誘発するんだと。ホルモン性でないから副作用懸念も少ない。対策の男女ギャップ解消はよいこと。 (gizmodo, link)
Y Combinatorの注目投資領域20:ちょうどクライアントと一緒に探求しているテーマがたくさん入っています。腹括って頑張らなくては。 (Y Combinator, link)
ロボット工学への機械学習の応用
機械学習を用いた物理世界シミュレーション
新たな防衛技術
製造業拠点の米国回帰
新たな宇宙産業
気候関連テクノロジー
商用オープンソース
空間コンピューティング
新しい企業資源計画ソフトウェア(ERP)
既存の社内ツールからヒントを得た開発者用ツール
説明可能なAI
レガシー企業におけるマニュアルバックオフィスプロセスのためのLLM
エンタープライズ・ソフトウェア構築AI
ステーブルコイン・ファイナンス
新たながん治療
生物システムの基盤モデル
ヘルスケアのマネージド・サービス組織モデル
医療における中間業者の排除
より良い「企業接着剤」
巨大なジェネリックモデルに代わる小規模ファインチューニングAIモデル
太陽放射管理(SRM)を考える:↑とも関連して、気象制御・管理技術を数ヶ月フォローしているんですが、この記事は相当網羅的で、データも多く、フリーアクセスの記事ながら素晴らしい品質でした。異分野の方も、発想を広げる情報としてぜひ触れてみてほしいです。 (Ben James, link)
すべてを記録する必要はない:子育ての現場でも。スポーツや芸術の輝かしい瞬間にも。あなたの鼓膜や網膜は充分に素晴らしいので、その力を信じましょう。 (Vox, link)
最高の愛は静かである。最高の自信は静かである。そして、最も意味のある人生もそうである。…だからカメラやスマホを置こう。すべてを記録するな。自分の人生を見知らぬ人に安売りするのはやめなさい。
怒りを問題解決のために使う:ネガティブな感情を捨て去ろう!と多くの人がいうけれど、凡人には無理なので、ならば上手く使いこなす技を身につけた方が良い。あまり指摘されないのですが、私は怒りのエネルギーが大きい人間です。怒りや悲しみのエネルギー、前進のために使っていきたい。 (Vox, link)
📙本
戦略の要諦:章を負うごとに学びが深まっていく希有な戦略本です。戦略を考えることの意味と意義、そして難しさを痛感しています。第6章『戦略と権力』がたいへん良かった。 (Amazon, link)
「戦略は、リーダーが設計する方針あるいは方向性だ。上から〝戦え〟と命令しても効果がないと気づいたとき、戦略が始まる。リーダーは誰がどこでどう戦うかを考え、その方針を示す。近代的な企業における戦略の実行とは、放っておいたらやらないことをシステムの一部にやらせるために権力を行使することを意味する」
万物の黎明 人類史を根本からくつがえす:デイヴィッド・グレーバーの著作、積ん読で脇に置いていたのですが、改めて読み始めました。人間は本来多様な存在であって、かつ数百年前はもっと多様な人類がいたはずだ。多様性とは何も性的嗜好や身体的特徴のことばかりをいうのではないと、改めて言及しなくてはいけない。 (Amazon, link)
📻観たもの聴いたもの
哀れなるものたち:ヴェネチア国際映画祭・金獅子賞受賞の本作、東京の知人にお勧めされ映画館で観てきました。歴史とSFの融合であり、生と死の行き来でもあり、成長と改善と循環の物語でもありました。ど真ん中のR18で、手術シーンが苦手な私は顔を覆いながら鑑賞。エンドロールがおしゃれでした。 (link)
舞台『エウリディケ』:有名なギリシャ神話をもとに、アメリカの劇作家サラ・ルールが執筆した戯曲。千秋楽を観てきました。男女と、父娘の愛のお話し、演出の素敵な舞台です。後ろの席に座っていらっしゃった妙齢のお姉様お二人、たぶん医療職なのですが、開演前20分ずっと患者さんの個人情報を話し続けていて不安な気持ちになりました。 (link)
David Zinn:小さな日常空間に目を付けて、チョークなどを使いつつほっこりアートを描くストリートアーティスト。描かれる動物、みんなちょっとぼーっとしていてかわいい。 (link)
🧩感じたこと
お昼ごはん後に懸垂とスクワットをしたら生活にハリが出たので続けていきたい。懸垂はもっと回数できるようになりたい。
映画『オッペンハイマー』『52ヘルツのクジラたち』の公開が楽しみ。洋画はテーマで、邦画は役者さんで観る作品を選ぶのが自分に合いそうだと感じています。
🍵今の関心事
3月頭から6月末まで続くであろう超繁忙期をどう乗り切るか。
先週金曜の祝日に、友人夫妻と4人で香川にうどんを食べに行きました。次いつ再訪するか。
🥑活動報告
先週参加したテニス・ダブルスの大会で準決勝まで残ることができました。少しずつ上手くなっている自分、できることが増えている自分を実感するのは良いものですね。今年中に優勝できるように、更に励もうと思います。
今期締めて10月に支払うであろう法人税・消費税の金額に怯え始めました。特に4月が忙しくなりそうで、今のうちに体調を整えておかないと。