ここ1年ほど金曜の夜はもっぱらテニスのレッスンをしていて、アルコールを飲んだのも3-4回ほどではないかと思う。1週間PCとスマホに縛られ続けた体を解放して、心身を週末に向けて切り替えるのにとてもよい習慣になっている(なお、土日もたいがいテニスをしているので)
スポーツ全般に言えることだが、反省が上手い人ほど自然と上手くなる。なぜ負けたのか。なぜ大事なところでポイントを失ったのか。なぜ想像と違うところにボールが飛んでいくのか。どこまでも広く、深く反省し、次に生かすために行動を追加・修正すること。どんどん上手くなっていく子どもたちを観ていると、みな自然と反省を繰り返している。負けず嫌いの子こそ、自分の負けを認めて分析し、「私の課題は〜〜でこれから−−をやります」と言える。一方、練習にいくら参加しても上手くならない人は、練習時間を積み重ねれば勝手に上手くなっていくと誤解している。あなたには将来がない。
「反省していますか?」と聞かれて「はい、ごめんなさい」と答える人がいる。全く答えになっていない。反省と謝罪は全くの別物だからだ。しかし、謝罪を求める人の中に(あるいはその多くが)、謝罪してほしいと直接言い出せないために「反省していますか?」と聞く人がいるからだろう(任意の記者会見を想像してほしい)。少なくとも大人にとって、反省は謝罪のためにするものになってしまった。
何よりも反省は、自分のためにするものだ。反省ということばに違和感があるなら、ふり返りでも、分析でも、なんでも良い。自らの改善と向上のために現実と向き合うことを反省と呼ぶなら、この世界には反省が足りないと思う。
三枝匡さんの名著『V字回復の経営』で、いかなる改革シナリオでも、その始まりには強烈な反省論がなくてはいけないと語るシーンがある。経営陣が危機だ危機だと騒いでも現場は「またか」と冷め切っていて、日々成果が出ないことは「あの部署がよくない」「○○さんにやる気がないからだ」と他責に終始する。そんな場で、どれだけ強い反省論を打ち出し、共鳴できるかが組織変革の成否を決めるのだと。上昇モメンタムが失われたときに、再上昇の燃料になるのは圧倒的反省以外あり得ない。
「実践こそすべてだ」という人がいる。その通りだろう。同時に、漫然と舞台に立つこと、ぼんやりと練習することの無意味さもゆめゆめ忘れないように。果たしてあなたは、Blue Giantの宮本大がサックスと向き合う真剣さで、物事に取り組んでいるだろうか。ぼんやりとしたビジョンの下で実証実験やPOCを提唱していないだろうか。
金曜の夜にできることはたくさんある。上手くいかなかったことを酒で洗い流すのも良い。それと同じか、あるいはそれ以上に、小学生に振り回されながら自分の無力さを痛感するのも素敵な時間の使い方だと思う。いざというときに他人を責めず、強烈に反省できる人間でありたい。
💼心惹かれる
クボタ牛乳 メイプル牧場ヨーグルトBB-12プラス:島根県益田市にある牧場の生乳100%でつくられたヨーグルト。美味です。 (link)
味の素:キャンプ/アウトドア愛好家の間で話題のスパイス「ほりにし」を使って一層確信したのですが、結局、味の素が一番上手い。
✏️読む
📃記事
Perplexityで調べものを最適化する:昨年から私のお仕事効率が数倍になっているのはこの子のおかげです。hulryの紹介記事にある通り、たいへん大変親切な子です。ブラウザの検索精度に不満を覚えたことがある人はぜひ一度つかってみてほしい。企画職・リサーチ職の人はPro版(年200ドル)を推奨。 (perplexity, link)
デッサン入門ガイド:よし、やってみよう。後述フェルメールの解説映画を観てきて、画家への尊敬の念が深まっています。 (Ralpharmmer, link)
まずは手を鍛えるために丸のみで紙を埋め尽くす。次は平行線。
目を鍛えるには自身の手を正確に書き、続いて明暗を交錯でつけてみる。
最後は遠近法と構図にトライする。
強気の株式相場、向こう1年は続くかも:気がついたら日経平均が4万円を超えていた先週。ネッド・デイヴィス・リサーチによると強気相場の平均継続日数は694日で、記事執筆時点の344日から考えるとここから倍続いても良いのではと主張。株式市場のランダム性の前で、私は何も言えません。 (Business Insider, link)
Appleは自動車を1台も売らずに自動車業界に革命を起こした:『「Apple Car」開発プロジェクト年表、誕生から頓挫まで』で丁寧に振り返られていますが、10年にわたる自動運転EVプロジェクト中止を発表(+それで株価が上昇)したApple。同社のスマホと車載タッチスクリーンの連動をはじめとするCarPlayの思想は完成車メーカーの設計思想に大きな影響を及ぼしてきました。そして今年後半に発売されるポルシェ・アストンマーチンの車には次世代Apple CarPlayが搭載され、車の大部分を当該システムがコントロールすることになります。確かに、彼らは自動車を売ることなく、自動車に革命をもたらした/もたらすのかもしれません。 (Atlantic, link)
toCスタートアップを諦めない:2010年以降にシリーズBを調達したベンチャー企業12,000社以上を調査し、そのうち7,800社以上をコンシューマー企業とエンタープライズ企業に分類。結果、シリーズB調達後の上場確率やIPO後の成長をみると、消費者向けスタートアップへの投資はVCにとって魅力的なものであり続けるといいます。 (The Information, link)
あなたを驚かせるだろう22の地図とチャート:10年前の記事。メートル法を使わない国、イギリスが過去侵略したことのある国(日本も含まれる)、アフリカの実際の広さ、感情的な国ランキング(1位はフィリピン⇔最下位はシンガポール)などなど、知らないことばかり。楽しいインフォグラフィクス。 (Vox, link)
屋外で30分間新鮮な空気を吸うと仕事の生産性が向上する:英国で管理職1千人、従業員2千人を対象にしたレノボ社主導の研究。わずか29分間屋外で過ごすだけで、生産性が45%向上すると。煙草休憩の代わりに、公園散歩に出かけよう。 (Study Finds, link)
AIロボットが縫合技術を習得、6針縫うことに成功:UCバークレーの研究。「試験全体では平均して3針」「テスト用の傷は、肘や指関節のような丸い部分ではなく平面に限定」という制約はありつつも、外科手術の未来を変えそうな取組み。期待。 (MIT Technology Review, link)
研究者もバイアスの奴隷:スウェーデン・リンシェーピン大学の研究。客観性・妥当性を大事にしていそうな人であっても、結局は人間ですし。 (liu, link)
実生活:私たちは待つことにほとんどの時間を費やし、貴重な瞬間はたった一瞬。現実と向き合うことを明日に先送りし、さらにその次の日に先送りし、そのまた次の日に先送りする。すべてが完璧だと感じるその一瞬、その感覚を本当に理解できているだろうか。心に迫ってくるエッセイでした。 (Bits of Wonder, link)
📙本
ことばと国家:40年以上前の本なのですが、いまのイスラエルを考えるための材料にもなります。母語と母国語は違うんだと。 (Amazon, link)
Blue Giant Explorer (9):NY編前、アメリカ編最終刊。これまで全くマンガを見たことがない人でも、映画作品を観た人なら最高の胸熱展開がボストンで待っています。雪祈、わたしたちはあなたを待っていたよ。ジャズは闘い。ジャズは最高。 (Amazon, link)
📻観る・聴く
フェルメール The Greatest Exhibition:『真珠の耳飾りの少女』等で有名なフェルメール、その作品を紹介する"アート・オン・スクリーン"を鑑賞。残っている作品が37しかなく、日記や評伝なども残っていない中で、その筆致や製作過程からストーリーを読み取っていく。確かに、フェルメールの絵画には絵の具が感じられない代わりに、圧倒的な構図感がある。アートや作家を丁寧に解説していくこのシリーズいいな。 (link)
52ヘルツのクジラたち:市子を観てすっかりファンになった杉咲花さんの新作。家庭内暴力やトランスジェンダー、ヤングケアラーなど深刻で切実なテーマを扱いつつも最後までスクリーンから目が離せなかったのは彼女の演技力あってこそ。圧倒的でした。パンフレットに掲載されている演者インタビューでも、妥協することなく監督や演出さんとぶつかっていることが垣間見えて、プロである以上、真剣に妥協せず仕事せなあかん。とあるシーンで登場する長崎からいらっしゃった老女の手に、ロザリオ付きの数珠があったのも印象的でした。タイミング良く『息を止めて歌うクジラの発声法をついに解明』という記事も出ていて、海中社会への関心が止まりません。 (link)
Suro Hovsepyan:鉛筆アーティスト。美しい。(instagram, link)
春蝶・一之輔の春一番:私も広義の噺家なので勉強させていただきました。笑って泣いて、最高の時間でした。 (link)
🧩感じる
おごらず、人と比べず、面白がって、平気に。
You Kosekiさんの『私の全ての句点』がたいへん良かった。私自身、政治がきれいだったり有効だった時代などなかった(行政には良い時代も悪い時代もある)と考える政治悲観論者なので今起きている諸々への怒りは特にないんですが。ハラハラうるさいメディアには怒っています。
1人で仕事をするときでも、シャツとスラックス、たまにジャケットを羽織るとやる気が出る。社会心理学の効果を実感する。
🍵関心事
スーダン紛争の行方。人口の半数に何らかの人道的支援が必要とされていますが、紛争当事者双方が戦争法を無視した戦闘を続けており、解決への道のりは遠いです。ハイチも同様。小国運営は一層難しい。 (link)
4月以降の東京定宿をどこにするか。
会いたい人に会うためだけの遠征、いつどの順序でするか。
🥑活動報告
3月末まで大学生なので、学割利用で新しいMacbook airとiPadを買いました。
先週、半分仕事・半分プライベートな感じで人をご紹介いただく機会が続き、ひとりさみしく神戸で事業をやっている人間として有り難いばかりでした。まずは自分自身がおもろい人間になること。日々鍛錬・実践です。
今日から東京出張です。師匠捜しをいっそう頑張ります。
今週も、Happy Weekを:-)