先週月曜にコーポレートディレクション社から発表された調査レポート「上場中堅企業白書 2024年版 ~国内経済/地域経済の活性化・生産性向上に向けたキープレイヤー~」を読んだら、素晴らしい内容でした。曰く、業種・業態によって中堅企業の成長の要諦に違いはあるものの、制約となっているのは意志と人材だと。意志と人材。意志と人材です。
人材不足の話はそこかしこで聞きます。実際お客さんも「人が足りない」と口を揃える。みな「優秀な人がいてくれれば」と言いますが、思うに、本当に足りないのは意志を持った人です。これだけ情報もツールも溢れている時代、仕事上優秀な人になるのはそれほど難しくないが、意志を持った人になる/あり続けるのはどんどん難しくなっていると感じます。横やりどころら上からも下からもやりが飛び出てくるような社会です。「誰がなんて言ったって!」を1つでも持った人間は貴重です。
何年か独立して会社をやっていると、リンカーンの言葉『意志あるところに道は開ける』は蓋し真実だと実感します。改めて自分に問いかけましょう。
自分の中に意志はあるか。あるならそれはなんと言っているか。
自分は誰の意志を拡大・伝播させているか。誰の意志の芽を摘んでいるのか。
個人・組織の意志をより強く、確たるものにするためにできることはなにか。
誰かを優秀にできる人よりも、意志の種を芽吹かせる人になりましょう。
💼心惹かれたもの
ブルーナファミリー ぞうのぬいぐるみ:我が家に4名いるんですが全員かわいいです。来客にも大人気。 (link)
自動文字起こしサービス・notta:会議量がとんでもないことになってきており、議事明確化のために導入したら生産性が800倍になりました。もっと早くから使っておけば良かった。 (link)
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
データは「ない」ことによって、大きな価値を生む:ただExcelや分析ツールぶんまわすのが分析じゃない。なぜあるはずのものがないのか。ないことがなにを意味するのか。それを考えることも分析です。 (モダンタイムズ, link)
パワポと箇条書きはあなたを馬鹿にする:心から同意します。 (qiita, link)
私達の思考が馬鹿げているせいで「パワポのスライド」は醜く不正確なものになってしまった。しかし、この「パワポのスライド」のだらしない性質そのものが、私達が馬鹿げた思考をする助けとなっているのだ。
日本人学生になりきって学ぶ:日本語を学ぶために日本人学生が学ぶ参考書で物理学や経済学を勉強することに挑戦する海外の方のエッセイ。"普遍的な収穫があるとすれば、それはこれだ: 人生でやりたいこと、必要なことを何でもゲーム化する方法を常に探すこと"。ゴールを設定しない、無限ゲームとしてそれを楽しむ。素敵な取組みです。 (Occam’s Lab, link)
10人の巨匠が語る、文章を上達させる10の方法:50年以上前の本を読むこと、優れた文章を写経すること、自分自身を驚かせるまでコンセプトを深掘ることなどを、ケヴィン・ケリーやマーク・アンドリーセンがコツとして語っています。 (Monday Musings, link)
女性の発明家が増えている:米国のデータだと、化学分野だと18%、機械工学だと6%を占める。男女ギャップは大きいながら、創造性に男女差がない前提で、適正数値に収束するのをみるのは気持ち良い。 (Axios, link)
米国版・男は辛いよ:「高校卒業率や大学進学率は女性より低く、友人の輪は狭い。労働市場でも不人気。女性に比べ、薬物の過剰摂取で死亡する確率は2~3倍、自殺で死亡する確率は4倍近い。特に労働者階級や有色人種で顕著」男女で分けて「どちらが大変か」を争う不毛なレースに参戦してはいけません。 (Vox, link)
米国では約半数の親が成人した子供を経済的に支援している:平均支出は約1384ドルで老後貯蓄のほぼ倍の金額。食費や携帯通信料、家賃や保険などを負担して上げている。私も500兆円/月支援してほしい。 (quartz, link)
誰もが"売り手"になれる不幸なSNS時代に:クリエイターはTiktokやInstagramなどあらゆる場で自己宣伝することが求められている。ほんの数秒でなんとか注意を引く作品をつくることが本当にしたかったことなのか。自己宣伝の踏み絵にいつまでも留まり続ける意思が必要だと。私たちはこんな社会に生きたかったのだろうか。 (Vox, link)
自らを中小企業に変えた人間で構成される社会は、基本的に自由市場資本主義の論理的終着点だ。アメリカン・ドリームの現在の反復を達成するためには、デジタルの虚空に向かって叫び、自分がいかに偉大であるかを皆に伝えなければならない。重要なのは、どれだけ多くの人があなたを信じるかだ。
「俺はフェラーリだ!」と思い込むだけで走るのが速くなる:『「フェラーリのように駆け抜けろ」とか「ジェット機が飛び立つように走れ」と言い聞かせると、走るスピードが3%上がった』英エセックス大学の研究。再現が難しそうだけど面白い。 (ナゾロジー, link)
「試行錯誤が苦にならない」人は、それだけで大きなアドバンテージを持っている:世阿弥も「してみて良きにつくべし。せずば善悪定めがたし」と言っています。わたしが独立して5年以上やってこられているのはほぼこの特性のおかげ。試行も楽しい。振り返るのも楽しい。どちらも楽しめる人は、独立をおすすめします。 (books&apps, link)
📙本
ヤクザときどきピアノ:『サカナとヤクザ』『ヤクザと原発』などの潜入ルポで知られる鈴木さんが、52歳にして憧れのピアノ演奏に挑むお話し。勇気をもらう。私もアコースティックギターを始めよう。 (Amazon, link)
生涯学習は素晴らしいと嘯きたいのではない。何かをはじめるのに年齢は無関係と自己啓発をしたいのでもない。現実は残酷で不公平だ。どうせみんなくたばるのだ。では鬱々と人生を送ればいいのか。嫌だ。じゃあどうする。明るく笑い飛ばすしかない。
レッスンは冒険であり、レジスタンスだ。ピアノは人生に 抗うための武器になる。
俺は反逆する。
残酷で理不尽な世の中を、楽しんで死ぬ。
ぬるい眠り (新潮文庫):江國香織の短編集。彼女が描く恋愛はいつでも遠くにあり、同時に、そこには生活の手触りがあります。表題作と『清水夫妻』、『ケイトウの赤、やなぎの緑』と『とろとろ』が好きでした。 (Amazon, link)
テルマエ・ロマエ:映画よりもマンガが好きな作品の一つ。1巻よりも2巻、2巻より3巻が面白い。巻を追う度に面白くなっていく。来月続編が出るので、今のうちにふり返るのがおすすめ。みんなで風呂に入り、ローマを思おう。 (Amazon, link)
📻観た/聴いた
オルガ・スミルノワのジゼル in cinema:映画館でバレエ鑑賞という新体験。そもそもバレエを観たのが初めてだったのですが、優美さと迫力に圧倒されました。一言もセリフがないのに、音楽と踊りでこんなにも感情が揺さぶられるのか。他の名作も観てみたい。 (link)
Netflixシリーズ・三体:原作を読んだときのわくわくが帰ってきました。事前に想像したよりもだいぶ西洋色強め。舞台のほとんどロンドンだし。ソフォンや多次元、映像での描かれ方が壮大でした。しかし全体みてみて、わたしはやっぱりプロジェクト・ヘイル・メアリーのほうがユーモアに溢れていて好きです。 (link)
2024 Sony World Photography Awards Open Competition:生きる、を感じます。動き出しそうな写真、音が鳴りそうな写真が好きです。 (link)
🧩感じた/感じている
ヴィクトル・ユゴー「喜びとは苦悩の大木に実る果実である」一緒に苦悩しよう。
「会社代表/役員の価値は意志決定にある」は嘘。権力の行使にこそ価値がある。意志決定しても組織行動が変わらないのであれば、そこに価値はない。
コービー・ブライアントのマッチョイズムを継承したい。
本当に何かで素晴らしくなりたいと思うなら、そのことを心から大切にしなければなりません。特定の分野で優れたいと願うなら、そのことに没頭しなければなりません。多くの人が偉大さを望むと口に出すものの、偉大さを達成するために必要な犠牲を払う覚悟がないのです。彼らには他の関心事があり、注意が散漫になります。... 偉大さを達成することは容易ではありません。多くの時間、多くの犠牲を要します。厳しい選択を迫られることもあります。愛する人たちにも犠牲を求めることになります。
ですから、理解ある家族や友人のサポートが必要です。一人の人間が偉大さを追求する夢を叶えるために、どれほど多くの人々の努力が必要か、人々はいつも理解しているわけではありません。自分の技術に没頭することと家族のためにいることの間には、微妙なバランスが必要です。それは綱渡りに似ています。足は震え、自分の中心を見つけようとしています。一方向にあまりにも傾き過ぎたら、コースを修正し、反対方向に過剰に傾きます。だから再び反対側に傾くことで修正します。それこそがダンス。直線を歩くことで偉大さは成し遂げられないのです。
🍵今の関心事
眼力を高める、良い面構えになるためにできること。
忙しい日々で、日常をフルに味わうための"5-4-3-2-1"技術をいかに実践するか。 (link)
5つ見る:天井の模様、光の反射の仕方、気づかなかった物体など、小さなディテールに目を向ける。
4つ感じる:体にまとった衣服の感覚、肌に当たる太陽の光、座っている椅子の感触に気づく。身近なものを手に取って、その重さや質感など、物理的な性質を調べてみるのもいい。
3つ聴く:カチカチという時計の音、遠くの交通音、風にそよぐ木々の音など小さな音に耳を向ける。
2つの匂いを感じる:芳香剤や刈りたての草のような匂いを探す。花やろうそくを探すのも良い。
1つの味に集中する:いま口に中にある味を楽しむのも良い。最近楽しんだ味を思い返したり、身の回りで味を思い出させるものを探したりするのもおすすめ。
🥑活動報告
ICL/眼内コンタクトレンズ手術の事前検査に行ってきました。来月・再来月あたりには裸眼になる予定です。
来週から忙しさが8倍になります。再来週から10倍になる懸念(≒嬉しい悲鳴)もあります。せめて今週はゆっくりしたい。