8月15日、戦時下の日本人の精神を"蛆虫の共感"と表現した詩人・茨木のり子のことを調べていたら、彼女のふるさと・愛知県西尾市の偉人総出力に驚く。人口17万人・面積160km2のこの街から、英文学者で『思考の整理学』の著作でも知られる外山滋比古、キユーピー/アヲハタ創業者で日本の新たな食習慣の確立に貢献した中島董一郎、国産ワインの父でカクテル「電気ブラン」の考案者でもある神谷傳兵衛などが生まれている。神谷傳兵衛は自動車産業や北海道畜産業にも大きな貢献をしており、私の日常は西尾市に支えられているといっても過言ではない。
翻って私の地元、出身者には臨済宗中興の祖とされる白隠の師匠・道鏡や、サッポロビール社長を務めた松山茂助などがいる。もう少し自分と軌を一にした人でいうと、札束をバッグに詰め込めずあたふたした元都知事の猪瀬直樹(高校の先輩でもある)や、会計学者をしながら演歌歌手もしている嶺輝子/嶺鶯(私が学士号をとった大学で博士号を取得)も同郷だ。ボロ負けである。
💼心惹かれたもの
Brewing Academy 醸造キット:ビールキット缶を使う自家試作第一弾は現在発酵待ち。次はより本格的に、マッシングを行うキットにトライしてみます。ホップと180年以上向き合ってきたHopsteiner社の製品一覧を見ているとそれだけでわくわくしますね。 (link)
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
Must ➡ Can ➡ Will で考えるキャリア:20大のキャリア論にぜひ。「やりたいことがないとダメなんだ」という “Willの呪い”に囚われている人がたくさんいます。人から、社会から求められることを愚直に実行するMust、大事なんだぞ。そして49pにあるとおり、多くの人のWillが向かう領域で起業や新規事業をしてはいけないぞ。 (speakerdeck, link)
家族関係において「ありがとう」は大きな意味を持つ:イリノイ大の研究。「パートナーに感謝されていると感じている人ほど、自信があり、満足し、献身的であり、不安定さを心配しない」とまっすぐな結果。伝わるようにはっきりと感謝しよう。 (University of Illinois, link)
「ヨーグルトに蜂蜜」は、おいしいだけでなく健康にも良い:同じくイリノイ大の研究。善玉菌が胃や腸の過酷な環境を生き抜くのをサポートするんですって。スプーン1杯の蜂蜜、入れていきましょう。 (University of Illinois, link)
データの世代損失:「安全で保守的な手法をとっても自然と自滅に向かっていく」という記事テーマはもちろん、冒頭で紹介されている伝言ゲームの研究が面白かったです。Thank you Wolfman→Things to eatってなんやねん。ちょっとわかるぞ。 (Honest Broker, link)
世界の変化を捉える10のチャート:半年ごとに「変化を捉える図表」を公開しているニュースレターの最新号。日本人、長く働いてもいないし仕事が好きでもない。豪州やカナダより労働時間が短いという事実・・・まず何より勤勉であろう。言い訳はなし。 (Digital Native, link)
動物たちがもつ世界観:伊藤亜紗さん「目の見えない人は世界をどう見ているのか」(光文社新書)を読んで以来、自分以外が世界をどう見ているかに関心を持ち続けています。研究者が「ミツバチがどのように画像やパターンを学習するかを理解するためのコンピュータモデルの構築に取り組もうとして『あれ、実際どうなんだっけ?』と気づいた」話、たいへん良かった。真剣に進んだ先にこそフロンティアが待っている。 (Pioneer Works, link)
今年の米国大統領選を左右するペンシルバニア:米国選挙制度上、票田たる激戦州が全体の趨勢を左右します。今年のそれはペンシルバニアではと。一部の州ではカマラ・ハリスがトランプを上回ったとの報道もあり向こう3ヶ月死闘が続きます(ハッカーの攻撃もどんどん加速化しそう)。同州選挙戦には両党合計で300億円以上のお金が投下される見込み。「足手まといになりたくない」と語ったバイデンおじいちゃんの今後を含めてゆったり観劇していきます。 (Axios, link)
空港は新たなサードプレイス:飛行機出張は辛いんだけど、それでも空港はなんかわくわくするし仕事も捗る。わたしは空港のラウンジでやるPCワークが一番好きです。誰もが一瞬通り過ぎていく場なので変な執着がない。みんな飛行機で神戸においで。 (The Lindy Newsletter, link)
中古のペロトン機器を中心にビジネスを構築するTrade My Spin:こういう二次事業おもろい。ソフトウェアと違って、企業がなくなっても物理媒体は予期せぬ波及を及ぼすことがあるのが面白い。 (Tech Crunch, link)
アメリカで最も学費の高い大学10校:トップのコロンビア大、4年間の学費と生活費の合計平均が51万ドル超。年平均2千万円ほどか、さすがニューヨーク。 (Quartz, link)
📙本
ビールの教科書(講談社学術文庫):エールとラガーはどう違う?なんでも勉強です。 (Amazon, link)
スモールビジネスの教科書:Audible版。小さく商売をしようとするのは素晴らしいことなんですが、スモビジ!スモビジ!とうるさい人が苦手。この感情が生まれるのがなぜか、この教科書の向こう側に示唆がありそう。 (Amazon, link)
一九八四年(ハヤカワepi文庫):人間が詰まってますわ。ジョージ・オーウェルを感じろ。 (Amazon, link)
📻観た/聴いた
舞台「ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録―」@京都:松尾スズキ/阿部サダヲを堪能してきました。登場する役者さんのパワーは過去観てきた中でも随一。荒川良々さんの迫力たるや。 (link)
SE-BÆRスタジオ「カルポシュテ・アパートメント」@イスファハーン:イランの伝統文化であった「屋上交流の復活」がコンセプトの一つ。歴史地区と調和した素敵な建築。 (link)
Without Compromise:ノンアルビールで参考にしているAthletic Brewingがやっているポッドキャスト番組。創業者のBill ShufeltとJohn Walkerの回を聴いているといろんなインスピレーションが湧いてきました。
🧩感じた/感じている
錦織圭選手のカムバックが嬉しい。一部のトップ選手が五輪参加でスキップしたとはいえ、ATPツアー・マスターズでベスト8ってすごいぞ。秋のジャパンツアーが楽しみ。
パリ五輪で配られた銅メダルがさっそく錆び始めているようで面白い。
冒頭紹介した神谷傳兵衛、事業化としての胆力・体力がすごい。鉄道延伸の先で見つけた良質の粘土に着目して煉瓦製造会社を興したり(のちのトヨタ生産方式開発につながる)、酒粕処分のために旭川で養豚業を興して現地での豚骨ラーメン文化の発展に寄与したり。渋沢栄一しかり、明治〜大正〜昭和初期にはこういう偉人がたくさんいる。Think Bigしよう。
カリフォルニアにあるタップハウス・BBQスモークハウス “The Rake”がめちゃおしゃ。Googleマップ上で管理している「いつか行きたい場所」リストに登録。(link)
真剣に考えればなんでも知恵が出る。言い訳をし始めると知恵の泉は止まってしまう。
株価がだいぶ安定してきて良かったですね。NYのダウ平均も4万ドルを回復。長期目線でやっていきましょう。
🍵今の関心事
17日に指導したインドネシアの新首都・ヌサンタラの行く末。
重力って結局なんだ?(link) → 夏休み経験の残滓があるからか、世間が長期休みにひたる時には何か根本的なことを考えたくなります。『われわれの宇宙全体が“重力の作品”なのです』って表現、むちゃおしゃれやないの。
環境に良いセメントが面白い。鉄鋼製造の排水から代替セメントを造るスタートアップ・Cocoonが大きめの資金調達。そもそも高炉スラグは銑鉄1000kgあたり290kg、その銑鉄を製鋼する際に出る製鋼スラグは粗鋼1000kgあたり110kg程度生成されるそうで、この販売自体が一事業なんですね。知らない世界がたくさんある。
🥑活動報告
ずっと行きたかった山梨に伺う予定がたちました。鳥取の素敵醸造所への訪問時期も調整中。本当にやりたいことが一つできると、副次的にやりたいことが100個ほどできるので一気に忙しくなる。困った。
11月に酒類総研が行うビール醸造研修に参加申し込みをしました。第三者からの推薦が必要なんですが、熱意たっぷりにインタビューしたプロ醸造家の方が「ぜひ推薦するよ」とおっしゃってくださいました。新しいことを始めると、人に感謝することの大切さを改めて痛感します。
あと10日ほどで当社・Cobe Associeの6期目が終わります。今期もがんばった。