年末から読み始め、先週読み終えました。
1953年、ニコラ・ブーヴィエはポンコツのフィアットに乗ってジュネーブを発つ。
旅の手持ちは2年という月日と4か月分の現金。ベオグラードで親友の画家ティエリと落ち合い、ロマの旋律に導かれるように東へ東へとつき進む。
旧ユーゴスラビア、トルコ、イラン、アフガニスタン・・・・・・
世界から世界へ、道はどこまで続いていくのか。
「世界は水のように身体のうちをすり抜け、わずかな時間だけ、その色を貸してくれる」
みずみずしい旅の記憶は色褪せることなく、いまもなお旅人に熱く語りかける。

決して読みやすい本ではない。フランス語話者独特の表現、現地文化がわかっていないと理解が難しい比喩、編集者不在で出版された自費出版本らしい無骨な仕上り。それでもこの本が世界中の旅行…
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