
経営コンサルタントが顧客と行う議論の多くは"良し悪し"に関係したものだ。顧客はコンサルに対し、自身の行動の悪を正し、良さを持ち込んでくれることを期待しているし、コンサルタントは「おたくの戦略はダメだ」「素晴らしいA社から学ぶべきはこれだ」と物知り顔で語る。しかし私が独立してからの7年間、クライアントと行った印象深い議論を振りかえると、そのすべてが「好き嫌い」をテーマにしたものだと気づく。どんな勝ち方が好きなのか、どんな状態を毛嫌いしているのか。どんな論理を好み、どんな主張に眉をひそめるのか。ほぼ信念や美学の話である。所詮人間のやること、「合理的だがしっくりこない(≒好きになれない)」行動が、期待した良い結果を生み出すことはないのだ。
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