はじめて『ストーリーとしての競争戦略』を読んだのは大学院生の時だった。途上国の産業金融モデリングが研究テーマで、次の春からロジックモンスターの巣窟(a.k.a 戦略コンサルファーム)で働くことが決まっていた当時の私は、「戦略づくりとは面白い話づくり」と語る著者・楠木建さんの語りを信じ切れずにいた。戦略とはそんなに曖昧なものなんだろうか。「戦略とは絞り込みである」「戦略は戦術とは違う」のように書いている人たちを信じてはいけないのだろうか。
いろんな言葉のお尻に戦略という言葉がつくようになった。営業戦略や開発戦略などのビジネス用語はもちろん、キャリア戦略、人生戦略、生存戦略などもあるようだ。ここまで戦略の射程が広がると、楠木先生がいう「戦略」の意味が私の中で形を持ち始めた。なるほど、紙の上での戦略の定義は…
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