アイスランド・レイキャビクでの日々は、3時起き・18時就寝でほぼシェアオフィス通いでした。早くも梅雨明けし酷暑を迎えつつある日本を離れ、日中気温10度前後、24時に日が沈み午前2時に日が昇る北緯64度の地を体験できてよかった。「せっかくだから…しておこう」「…しないなんて勿体ない」となかなかならない性分で、アイスランドらしい体験がどこまで出来たかは疑問なのですが、近々に旅の写真をまとめてお届けします。なお、せっかくなので、飲むビールは現地のものオンリーにしました。これで旅気分を味わうには十分。
<お便りをお待ちしています>
💼心惹かれたもの
パナソニック ビストロ NE-UBS10D:あるもの全部グリルに載っけて料理しちゃおう!のコンセプトが好き。仕事でめちゃくちゃいいことが起きたら買いたいものの一つ。この1ヶ月観光地でいろんなものを食べたけど、焼き野菜が一番うまい。 (link)
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
完成間近のルービン天文台は宇宙の新たな大聖堂になる:チリのアタカマ砂漠の端、標高2,650メートル地点に建造された18階建ての天文台によって、宇宙の精巧な地図をつくることが可能になる。今後10年間で観測する銀河の総数は約200億個と、ここで得られたデータをもってしてようやく『天文学×ビッグデータ』が実現するといいます。さっそく撮影画像1,185枚が公開、壮観です。アートメディアでも特集が組まれている。 (The Atlantic, link)
異なる記憶、異なる真実:直近のイスラエルの振る舞いをみて何を感じるだろうか。戦争と暴力を強く非難しつつ、同時に彼らの物語を理解しようとすることをやめてはいけない。「他者の他者性を深く理解し実践することが愛である」といっている人がいて、当時は意味がわからなかったんだけど、いまは真実の一つだと確信している。結局他者なのだからこそ、耳を傾けなくてはいけない。みなが共通幻想の中にいるなら愛など不要である。 (Taejun’s Substack, link)
スローガンTシャツはいかにして復活したか:ベルリン・ファッションウィークで話題になった “Men are so BACK“と胸に書かれたタンクトップをデザインしたマリー・ルーダーは「ユーモアは無力感を感じるときの武器として重要だ」という。60年代後半から始まった政治的スローガンTシャツの文化は、デザイナーの強い個人的感情と混ざり合っていまこの2025年、改めて盛り上がりを迎えている。 (ELLE, link)
土地を売って資金調達を図る米連邦政府:トランプ大統領の巨大な税制・歳出法案の一部として、西部11州にある220-330万エーカーの連邦政府保有土地(全体の0.5%)を売却する計画を復活させ、今後5年間で100億ドルの資金を集めようとしている。 (Wall Street Journal, link)
花嫁にVenmo、小口投げ銭する文化に賛否:TiktokやIGの結婚関連投稿に、花嫁本人や周りが小口送金・割り勘アプリ・VenmoのQRを貼りつけてみんなが少しずつご祝儀を贈る文化がSNSで広がっている。そのお金を婚前旅行やパーティーの酒代にしてそれもまたSNSのコンテンツになる。アマギフねだりと同様「ダサい」「見苦しい」と感じる人もいるし、そこでもらえる$1,500-2,000を逃す手はない!とも。 (The Cut, link)
「駐車学」に挑み続けた研究者:今年亡くなったUCLAの都市計画学者・Donald Shoupは、無料駐車が渋滞、スプロール、エネルギー浪費、大気汚染など多くの弊害を生んでいるとして、路上駐車料金を需給バランスをみつつ変動させる仕組みや、得られた駐車料金を「パーキング・ベネフィット・ディストリクト(PBD)」として地域の公共サービスに還元する政治モデルも提案した。世界中に“ショープ主義者(Shoupistas)”を生み出した彼の功績は大きい。 (The Wroks in Progress Newsletter, link)
MITが「1回の投与で有効になるHIVワクチン」開発:Science Translational Medicine誌に掲載された研究。HIVワクチンとともに2種類のアジュバントを投与することで、HIVを標的とするB細胞をマウスにの体内に多数生成できることが示された。二重アジュバントワクチンはリンパ節に蓄積され、最長1ヵ月間そこに留まり、免疫系がHIVタンパク質に対する抗体をはるかに多くつくることに寄与したと。 (MIT, link)
ビデオゲーム没頭の原理を仕事に活かすには:集中してプレイしていて気がついたら何時間も経っているのがゲームの常なのに仕事にはなかなか集中できない人がいて、特にADHDの人にはその傾向が顕著だ(この記事著者もADHD傾向があるという)。おもろいゲームに内在する気持ちの良いフィードバック・ループを日常の中に形作ること、そのためにしっかり投資をすること(この著者はレシート印刷機(!)を自費購入して利用している)ぜひ見習いたい姿勢だ。わたしはADHDではないんだけど、先人が気づいた管理法はどれも参考になる何かだった。 (Laurie Herault, link)
📙本
人を動かす:Audibleで。結局本人が「やろう」と思わないと動かすことは出来ず、批判や議論はその人にやる気を起こさせることはない。人を動かす人は、負けっぷりが美しい人であったり、真剣さが群を抜く人であったり、ユーモアに溢れた人だったりする。はじめて読んだ/聴いたのだけれど、確かにこの内容は人の内省を促す。私自身議論が大好きなのだけれど、これは愉しむべきものであって、人を動かすためのものとして使ってはいけないのだ。 (Amazon, link)
ミンツバーグの組織論 7つの類型と力学、そしてその先へ:『戦略サファリ』などの著作でも知られる組織論の大家・ミンツバーグの思考核を凝縮した本。私はプログラム型の組織において新たにプロフェッショナル型and/orプロジェクト型の小チームをつくり調和させる仕事が多いのだが、その難しさと面白さを改めて痛感する書籍だった。 (Amazon, link)
遺伝子 親密なる人類史:ひっそり積ん読にしていた長大科学ノンフィクションをバンコク→オスロの機内で熟読。ドップラー効果を立証するための実験は「トランペッターを列車に乗せて同じ音でずっと吹かせる」ものだった。歴史はいつも驚きとちょっとした笑いをくれる。修道院の問題児だったメンデル青年がいかにして歴史的発見に至ったのか、冒頭のストーリーだけで十分面白い。メンデル勉強苦手やってんな。 (Amazon, link)
八月一六日には自然科学の試験を受けたが、今回の成績はさらにひどく、とりわけ生物学は散々だった。哺乳類について説明し、哺乳類を分類せよ、という課題に対し、メンデルは不完全ででたらめな分類をなぐり書きした。分類上のいくつかの区分を書き落としたり、新たにこしらえたりし、カンガルーとビーバー、ブタとゾウを一緒くたにした。「この志願者は専門用語を何ひとつ知らないようだ。すべての動物をドイツ語の口語表現で呼び、生物学の命名法を完全に無視している」と試験官のひとりは書いている。メンデルは今度もまた、落第した。
株で億兆の富を築く バフェットの法則:インデックス投資に勝てるのは正しい信念を正しい時間軸で実践できる投資家のみである。超長期のほったらかし投資で収益とりつつ好きなことをする40代を過ごすのが目標。上振れたお金を何か信じることのために使う基金にできるといいな。 (Amazon, link)
📻観た/聴いた
GoldenEye 007の一時停止音楽(1時間):懐かしい…大学生で宅飲みをする時この音が会話のBGMだった。 (link)
“The biggest myths about emotions, debunked”@Youtube:”感情”みたいなみな一家言ある領域は簡単に神話・誤情報の海になってしまうので、信頼できる専門家の言葉に立ち返るのが良い。感情は、取扱いがちょっとうまくなるだけで生活満足度が急上昇するお得なテーマ。感情自体は自然に湧き上がるものだけど、反応や行動は選ぶことができる。村上春樹がどこかのエッセイで引用していた”Pain is inevitable. Suffering is optional”はまさにこのことを言っていると思う。 (link)
Air India 171墜落をパイロットが解説:『緊急で動画回してます』の究極。続編のQ&Aと合わせて勉強。よく考えると巨大な金属の塊が無事に浮き上がって強烈雨風に負けずに航行し、寸分違わず目的地に着陸するってすごいことだな。
🧩感じた/感じている
スポンサーしているジュニア選手が海外遠征で大成果を上げてきて、大量の焼き肉・白飯を頬張る若い衆を見守るのと同じ感情になる。充実した正のエネルギーっていいものですね。
冒頭、旅の疲労について色々書いたのですが、村上春樹が『辺境・近境』のなかで「疲れるためのものが旅なのだ。その土地でしか体験できない疲労を味わうために私たちは旅をするのだ」と言っておりなるほどとなる。もう少し日常で感じる疲れが少なくなったら、旅の頻度と強度を上げてもいいのかもしれないな。
東京都議選を受けて知人が「こんな(優秀な)人が落選して、あんな(頭のおかしい)人が当選しているのはおかしい!」とSNSに書き込んでいる。私は、場によって多様な評価基準がある世界が素晴らしいと思っていて、ビジネスで優秀とされる人が選挙で落選することがあるのは社会の良い傾向だと思う。日本のほとんどの地域は、過激思想の政党が一定以上の議席を持つことに対する抵抗力を備えている。教皇を選ぶ投票に数日をかけて選ぶ一方、議員を選ぶ選挙は一発勝負だ。当然”ブレ”がでる。ビジネス出身者はブレの管理が得意である。候補者としてブレを生み出す存在になるよりも、ムリ・ムラ・ムダを省く「お得意の技」を活かすことのほうが社会貢献になるはず。
「私は間違っていない!」「私は悪くない!」を前提に会話を始める人とする議論は無益である。自らの主張の論理に甘く、反論・反証をまともに聞いていない人に対して私たちが出来ることは、可能な限り距離を取ることのみだ。そして、社会善を象徴(しようと)しているリベラル陣営にこういう人が一定数いる。社会的に善いとされるトレンドにフリーライドすると公然と批判を浴びにくいし「あの人は時代に合っていない!」と反発できて自らの弱さと直面しなくて済む。弱い人ほど社会善に靡く。
🍵関心事
どのタイミングでニュースレター読者分析をするか。購読者分析スクリプトをgithubで共有している人がいて「これぞメイカー精神」と唸る。 link
日本に着いてから一発目に何を食べるか。ラーメンand/or焼き肉が第一次希望選手。
次いつ東京にいくか。会いたい方がたくさんいる。新卒同期がオースティンに移住したので彼にも会いに行かなきゃ。会いたい人が世界中にたくさんいるのはいいことだ。
🥑活動報告
新事業進出補助金いよいよ申請するぞ!とフォーム入力をはじめたところ、謎の厚労省管理企業公表サイトへの掲載を求められ(掲載・登録完了までにけっこう時間がかかるらしい)頭を抱えています。
アジア・北欧旅でえられたものがたくさんあり嬉しい。日本への帰国が近づいておりより嬉しい。わたし日本好きです。
<お便りをお待ちしています>