田中志/たなかのぞみといいます。経営コンサル兼ラケットスポーツアパレル屋の店主。
毎週月曜朝に読んだものや観たもの、考えたことなどを紹介しています。
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頭の中をぶくぶく太らせるよりも、面構えと立ち姿に気を配ろう。態度はスキルである。スキルは意図と意識の産物である。
どんな場面でもたいてい役立つ機会は残されている。
勝負は常に、勝つか学ぶか。あるいは勝って学ぶか。
大局観と勝負勘を大切に。
まず責任を抱えること。その後自由を求め、権威を放棄すること。
孤独を楽しめない人は自由も楽しめない。
古地図に頼って運転することは、地図なしで運転するよりもまずい事態を引き起こす。
渋滞に不平を言うとき、わたしは渋滞そのものである。
議論よりも対話を大切に。
少なくとも 1 日に 1 回は「わからない」と認めること。
嫉妬は毒。同情を求めることは悪。
ゆっくり進歩するほうが、進歩しないよりは何万倍も素晴らしい。
善の追求はぜひやるべきだ。しかしそこから給料をもらおうとしてはいけない。
一つ知識を得たなら一つの美徳を、一つの価値観を学んだなら一つの知識を求めること。
重要な事柄について考えを変えることは、愚かさの結果ではなく、知性の表れ。
街をきれいにするには、まず玄関先の掃除から。
測定しやすさと重要さは関係ない。測りやすいものをKPIにしていないか?
組織における自己満足は習慣性があり、ほとんどの人間組織は中毒状態に陥っている。
近道、車線変更が実質的な意味を持つことは少ない。
何かピンとくる仮説が出てきたら、対立仮説もセットで考え、検証してみること。
お裾分け文化を尊ぼう。問答無用、相手の玄関ベルを鳴らそう。
質の良い恐怖、質の良い緊張、質の良い批判を受け入れること。
売り込みではなく信用づくりを選ぶ。
努力賞をほしがらないこと。大人になって「がんばりましたね」と褒められることは恥辱である。
過剰なまでに思考し、過剰なまでに実践せよ。ライプニッツはそう言った。
<お便りをお待ちしています>
💼心惹かれたもの
酷暑の日々を支えてもらっています。
ロゴス 保冷剤&クーラーボックス:夏の屋外テニスに必須の存在。6時間くらいはキンキン状態を保ってくれるので朝持ち出せば一番暑い時間帯の最強のパートナーになる。同じくロゴスの氷点下クーラーボックスも大人気。今年は熱中症なしで乗り切るぞ。 (link)
京セラのタンブラー『CERAMUG』:オフィスでの麦茶ライフを支えてくれているセラミックの真空断熱タンブラー。朝入れた氷が夕方まで残っている。温かいお茶をいれると全く冷めない。技術。 (link)
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
さすらい魂:いい文章だった。日々実験を続けよう。 (shi3z@note, link)
さすらいを続けるのは、教養を高めるためだ。もう結局、AIの時代にAIより賢くいるためには、AIよりも高い教養を持つしかないのである。
AIよりも高い教養というのは、AIが決して知る由もないことだ。
プリンの味は、食べてみなければわからない。スペインの巡礼路「カミーノ・デ・サンティアゴ」を117km歩く:スクリーンに支配された頭の中から足もとに注意を移し、mbpsで測る速度から時速4kmの世界へ。ありふれた普通のことを実践することこそが、現代における最もラディカルな行為である。 (School fo The Unconfirmed, link)
誰がニュースを咀嚼するか:”アルゴリズムは粘り強く、人間は諦めやすい” まさにである。 (youkoseki, link)
コンサルタントの役割両輪は「仕えること」と「導くこと」:時に相反する2つの姿勢の間で緊張関係を保たなくてはいけない。どちらかに振り切った↓2つのスタンスは大失敗例です。 (Unorthodox Blend, link)
自らのビジョンに固執し、クライアントの懸念に適応しない似非芸術家
クライアントの言いなりになる従順な御用聞き
中国はいかにして世界最大の造船国になったか:今日、世界の造船市場の50%以上を占め、米国の200倍以上の生産能力を誇る中国の造船業。太平洋戦後20世紀末までは停滞と模倣の時代だったものの、2000年代初頭に政府が国家戦略の中心的産業として造船業を位置づけ、06~13年の間に900億ドルもの補助金を投じて近代的造船所を次々に建設。苦しみながらも輸出市場で学び続けた数十年の忍耐期間と国家予算が相まって爆発的な成長を遂げた。 (Construction Physics, link)
去る技術/The Art of Walking Away:人間関係を振り返らずに断ち切ることを「強い!」と評価する人がいるけど、それは生存戦略の一つであって、弱さへの対応なのだという。私たちはむしろ、去ることと留まることの使い分けを学ばなくてはいけない。 (Mr.Plan B Publication, link)
専門知の危機/Crisis of Expertise:ポピュリストたちは専門家の知識を頑なに拒絶している。人間の本質=ステータス・ゲームとすると、専門知の拒絶とはつまり"知的施し"を拒否することによることによる反屈辱運動なんだと。 (Conspicuous Cognition, link)
成功の真実は地味なもの:企業初日につくるべきは壮大なミッションステートメントではなく業務マニュアルである。かっこいいロゴやごちゃごちゃ書き連ねた信念よりも、マニュアルや価格表を正しく作れ。 (The Cherry on top, link)
広がるアイデアは"ミーム的適応度"を持っている:とあるアイディアが社会に広まるかどうかはその質とは関係なく、自己複製し、拡散する能力がどの程度かによって決まるんだとしている。単純で、感情への訴求力が高く、社会アイデンティティとフィットが良いものが広がる。SNS時代、私たちは社会としてミーム・リテラシー、ミーム耐性を高めなくてはいけない。 (Joan Westenberg, link)
不妊問題を何とかしたいなら男性にも目を向けろ:米国の不妊治療をめぐる政治的・社会的な議論が体外受精の是非をめぐる対立に終始しており、実態として問題の主要背景の一つである男性不妊の論点が完全に見過ごされていると指摘。女性の負担を軽減するためにも有効なアプローチであるはずだと。 (The Atlantic, link)
Google Map/スマホに頼らず異国の家族を探す:腎臓移植を受けた後、人生の新たな一歩として、母親の故郷であるアイルランドの小さな町を訪れ、先祖のルーツをたどる旅に出ることを決意する。時は1995年。Google mapやスマホは存在せず、頼れる唯一の手がかりは母親の洗礼証明書のみ。旅先で見知らぬ人々の優しさに触れつつ、過去と繋がることの計り知れないインパクトを体験した著者の経験はぐっとくるものがある。 (Crows feet@Medium, link)
チーズづくりが教えてくれたこと:10人兄弟の6番目として育った著者が、自分自身の手に残る何かを探す中で取り組みはじめたチーズづくり。キッチンを実験室に変え、古い冷蔵庫を熟成室に改造し、ミルクが魔法のようにチーズへと変える試考錯誤を繰り返し行き着いたOrchard Blue(アップルサイダーで洗ったブルーチーズ)。この事業を進める中で、ビジネスは金儲け以上の何かであり、家族やコミュニティを繋ぐものであると。そして本物のクラフトは製品ではなく自身の人格や魂に効くんだと実感する。 (Isaac French, link)
📙本
トレーディング・ゲーム 天才トレーダーのクソったれ人生:22−23歳で年間数千万ポンドを稼ぎ出したトレーダーの自伝。思考ゲームで優勝する秀才ながら無茶で地道な努力を厭わない人、そら成功しますわ。仲良くなるためだけに5時台に出社する若手、絶対信頼できるもん。本書後半でたっぷり語られるとおり、著者ゲリー・スティーブンソンの問題意識(及びトレーディング収益の源泉になった”逆説信念”)の根幹には格差課題があります。その課題部分だけじっくり25分語った動画もあります。 (link)
翌日の水曜日、僕は五時四五分に出勤した。よし、まだ来ていない。そこで、僕はカプチーノを買ってビルの机の上に置いた。六時五分になってもビルは現われず、コーヒーは完全に冷めきってしまったので、僕はそれを捨ててもう一杯購入した。六時一五分にもういちど同じことを繰り返すと、幸いその直後にビルがやってきた。ビルが席に座ってコーヒーに気づくところを見たくはなかった。様子をうかがっているところを見られたらダサい。だが、そうこうしているうちにビルは席に着いたにちがいない。彼がどぎついリヴァプール訛りで叫んだ。 「ありがとよ、ガル」 僕はびっくりした感じで振り向いて言った。「あっ、ああ。どういたしまして。お安い御用ですよ」 翌朝も僕は六時に出社して、同じことを繰り返した。
妻を帽子とまちがえた男:次のポッドキャスト課題本。同著者の『色のない島へ──脳神経科医のミクロネシア探訪記』も素晴らしかったのだけど、こちらの本の方が日常の土台を揺さぶられるような事例が多い。身体感覚、時間感覚がなくなったら私は生きていけるだろうか。多くのホワイトカラーは”判断”を売って商売をしている。それが奪い去られたとき、日常はどんな色をしているのだろうか。ポッドキャスト収録が楽しみ。 (link)
だが哲学的な(つまりカント的な)意味においても、経験論的・進化論的な意味においても、判断こそは、われわれの能力のうちで最も重要なものである。動物は、人間もそうだが、「抽象的態度」などなくてもやっていける。だがもし判断がなかったら、たちまち滅んでしまうだろう。
📻観た/聴いた
2025年7月のムード:めちゃくちゃいい。 link
ATP500 ワシントンD.C. シングルス決勝 A.ダビドビッチ フォキナ VS A.デミノー:今季好調のダビドビッチフォキナに3本のマッチポイントを握られながらも全て退け優勝したデミノーの強さ。優勝セレモニー前後にみえるスポーツマンシップも気持ち良かった。テニスは美しい。ATPマスターズ100トロントのティアフォーvs綿貫もわくわくするマッチアップでした。
イランの建築写真家・Ghasem Baneshi:ペルシャブルー、本当に美しい。 (link)
🧩感じた/感じている
駐車場都合でいま乗っているマツダ車を手放すことになったのだけれど、知人がやっている中古車買取サービス・SellCaの体験が素晴らしかった(もちろん販売価格も)中古車や中古不動産の取引はズルする人・企業が跋扈するレモン市場だと思っていたのだけど、仕組みを正しく紐解くプレイヤーが評価される場であってほしい。応援。みなさんも乗り換えの際にはぜひご検討ください。ゆめゆめディーラー下取りや買取店持ち込みなどされませんよう。
ATP500ワシントン決勝、試合自体もさることながら、勝利後のデミノーの振る舞いが素晴らしかった。スポーツマンシップ(と私たちが呼ぶ振る舞い)は現代で失われてしまった美学の多くを内包している。
“今の苦境は誰のせい? by 日経” メディアの人はこんな論点が検討・思考するに値すると考えているのだろうか(少なくとも全国版朝刊紙面を割く程度には価値を置いているようだ)。過去、これは誰のせいか?を追求することで場が好転・前進したことがあったのだろうか。場の定義がゆるくなればなるほど、責任の所在を正しく追及できる個人もいないし、この議論を正しく管理できる集団も存在しなくなる。苦しいときはまず脱却に必死になるべきで、生きのこれれば御の字だ。責任の追及は憂さ晴らし以上のものにはならない。
病院受診時にまとめておくべき項目の決定版だ、有り難い。O次郎先生の旅行記はどれもすばらしい。心電図やエコーのとき医師ってこんなこと考えているんだーもわかって二度お得。 link
①メインの症状(一番の困り)とそれに伴うサブ症状
②症状が始まったタイミング、発症様式(突然出たのか、段々悪くなってきたのか)
③症状が良くなる/悪くなる因子(安静にしてれば症状はない/歩くと息が切れる、など)
④治療中の疾患、既往歴、現在の常用薬
🍵関心事
信用をつくる道の歩み方。何を言うかより何を言わないか。何をやるかに加えて、何をやらないか。どこまでは逃げずに戦うか。
🥑活動報告
3年ご一緒している企業さんと今月からもう一歩踏み込んだ取り組みをはじめるのと、テニスアパレル事業も更に諸々がんばるのと、新しく始まる調査のお仕事が1つあるのと、8月はのっけから忙しくなりそうです。
テニスアパレル事業、取扱いブランドが3つに増えました〈Nordicdots, Valldoreix + Sporcks(new!!)〉。ブランドロゴ飲み直しも進行中で8月中には仕上がる。Webも少しずつ見直しており、早ければ11月にも日本全国に発送できるECに仕上がる予定。現行は神戸での手渡し限定なんですが、それでもそこそこ注文をもらえていて嬉しい。 Tramlines
<お便りをお待ちしています>