こーべ通信:よっしゃ、1年楽しむか。
出張先のバンコクからお届けしています。
14日で37歳になりました。海外のSubstackニュースレターによくある、年齢や会社在籍年数にあわせて学んだことや感想を書いたものが好きなので、私もやってみることにしました。他の方の実践も見てみたいので、ぜひモチーフにしていただきたいフォーマットです。
1. どんな選択にも機会費用とPlan Bがある。
何かを選ぶことは何かを捨てることだけど、だが捨てた先にも必ず道は残っている。求めるものが得られなかったとしても、その機会費用は必ず手に入れることができる。
2. 成果は、行動力と知性と運の掛け算で生まれる。
どれかひとつがゼロなら結果もゼロになる。運は必ず必要だけど、行動力と知性が足りないと大したインパクトは残せない。
3. 商売の魂は腹に宿る。
ロジックは頭に、技術は手に、速度は脚に、情熱は胸に、覚悟は腹におりてくる。腹だけ残ればなんとでもなる。
4. 体調の改善は、まず睡眠から。
行動力や知性は直接に、運も間接的には睡眠の産物である。サプリや運動よりもまずは布団に入ること。
5. 黄色信号は止まる。
文字通りの交通信号も、人生の判断も同じこと。「行けるかも」で踏み込んだ結果の事故から私たちは学ばなくてはいけない。
6. 初手は尊敬から。
相手が誰であれ、最初の一手は敬意から入る。それで損をしたことは一度もないし、逆をやって得をすることもない。
7. 対立概念をまるごと捉える。
自由と責任、個人と社会、理想と現実。どちらかを切り捨てた瞬間、世界の半分が見えなくなる。矛盾にみえるものは、実は世界の前提である。
8. 好きな人からモノを買う。
多少めんどくさかろうが、高かろうが、別にいいじゃない。楽しいもの。
9. 胸は上に高く。
姿勢の話であり、心構えの話でもある。胸を張ると呼吸が深くなり、呼吸が深くなると言葉が変わる。背筋が曲がっている日は、だいたい判断も曲がっている。
10. 常に目的から思考をはじめる。
手段に溺れると目的地を見失う。「で、結局どうなっていればいいんだっけ」を何度でも自分に問い直す。
11. 人のオススメより自分のオススメ。
ただ消費者のままでいると、自分の輪郭がぼやけていく。自分で選び、自分で薦められるものを持つことが、そのまま自分の骨格になる。
12. 常に「これから何をするか」からはじめる。
意地悪な他者。可哀想な自分。全部無視してこれからのことよりはじめる。
13. 日常を遊び場に。
余暇に遊ばず、常に遊びを携える。遊び心を失った仕事はただの苦行で、遊びを忘れた大人から枯れていく。
14. 毎日読み、書き、話す。
入力と出力と対話。この三つを毎日やっていれば錆びない。どれかひとつ欠けると少しずつ鈍する。
15. 山にいるときには谷を、谷にいるときには山を見ること。
好調のときに備え、不調のときに希望を持つ。
16. 抽象の力を、具体の物事に使う。
カネも言葉も、抽象的だからこそ力を持つ。その力を具体的な価値に変換できる人間を、世の中では「仕事ができる人」と呼ぶ。
17. 感情を選べるなら、まずは喜びから。
怒りも悲しみも自然なものだが、選べる場面では笑顔を選ぶ。感情は筋肉と同じで、使ったものから鍛えられていく。
18. あらゆる承認欲求を認めない。
「認められたい」は人間の自然な感情だが、それを動機にすると思考や判断が濁る。自分はもちろん、他人に承認欲求を認めたら、その向こう側まで見据える。
19. 仕事の価値は他人が決め、存在の価値は自分で決める。
仕事は市場が評価する。存在は自分が認める。この二つを混同すると、売れなくなった瞬間に自分が消えて行ってしまう。仕事と存在の価値を混同しないこと。
20. 自分=凡人、が正しい理解。
天才ではないという前提から始めると、仕組みと努力で補う発想が生まれる。
21. 味の素をためらわない。
どんな自炊料理も、グルタミン酸を加えれば最高においしくなる。
22. 日々、充実を目指す。
幸福は追いかけると逃げるが、充実は積み上げれば残る。今日を充実させることだけに集中すれば、気づいたときに幸福がついてきている。
23. 「素人質問で恐縮なんですが…」
たくさん質問をする。良い質問は、良い答えよりも価値がある。質問することは無知の表明ではなく、知ろうとする意志の表明だ。
24. まず、自分から始める。
他人を変えようとするより、自分が動くほうが千倍早い。世界の変え方は、まず自分の足元から。マザーテレサもそうゆーてはった。
25. 発言ではなく行動で自身を示す。
言葉はいくらでも飾れるが、行動は嘘をつけない。何を言ったかではなく何をやったかで、人は自分を見る。
26. 求めていたものが得られなくても、そこから学ぶ。
”Experience is what you get when you didn’t get what you wanted” 失敗は損失ではなく授業料だ。ただし、同じ授業料を二度払うのは愚かだ。
27. お気に入りのペンを持つ。
道具への愛着は、仕事への姿勢を映す。
28. 時計を外す時間を愛そう。
時間に追われない時間をつくる。何時かを気にしない数時間が、結果的に最も生産的だったりする。
29. いろんな声を出すこと。
声のトーンを変えると、思考のモードも切り替わる。低い声で考え、高い声で笑い、大きな声で決断する。話す言葉も書き言葉も、いろんなものを試しましょう。
30. 退屈耐性が生存確率を左右する。
退屈に耐えられない人間は、刺激のためにつまらない選択をする。退屈と静かに座っていられることは、過小評価されている能力である。
31. 自分自身がボトルネックになる。
AIが速くなるほど、人間の判断力と決断速度が律速になる。ラインを止めているのは自分自身だろう。ツールは揃っている。自らががんばるのみである。
32. 事前に考えていた何倍もリターンのあった投資がある。
ICL(⇔メガネでいいじゃん/手術怖い)、分割キーボード(⇔そんなに変わる?)、自家用車(⇔カーシェアでいいじゃん)。どれも「そこまでしなくても」と思っていたものばかりだ。思い込みの壁の向こうに、桁違いのリターンが眠っている。
33. 魔法を求めない。
一発逆転も、銀の弾丸も、存在しない。同時に、今ある魔法をわざわざ解こうともしない。世界は合理と不合理の混合物である。
34. 正しく計算をする。計算を正しく用いる。
計算が合っていても使い方が間違っていれば意味がない。数字に強いことと、数字に溺れないことは、両方同時に必要だ。
35. 「うるせえな、黙ってろよ」を使う。
この言葉を実際に口に出すことは滅多にない。だが心の中でこの言葉が浮かぶ瞬間を正確に捉えること。
36. 常に舞台に上がり続ける。
観客席は安全だが、何も生まれない。舞台に上がった人間がいるなら全力でツッコみ、ともに笑い、ともに沈む。それが仲間というものだ。
37. 生存・命を徹底して尊重する。
“すべて合理的な存在の命に適したものは善であり、すべて命を破壊するものは悪である” (アイン・ランド『肩をすくめるアトラス』第3部)37年生きてきて、善悪の判断基準としてこれより明快なものにまだ出会っていない。生を肯定するもののみが善である。
お便りをお待ちしています。
🥑素敵
HackerNewsの話題本たち:禅とオートバイ修理技術、サピエンス全史、ご冗談でしょうファインマンさん、肩をすくめるアトラス、利己的な遺伝子、ゼロトゥワン、1984年、銃・病原菌・鉄、反脆弱性、まぐれ、シッダールタ、三体、火星の人など読んだ本がたくさん。デイビッド・グレーバーの負債論も積んでいるんだけど分厚さに怯んでる。万物の黎明よりいかついのはちょっと。。 link
Holly Brownのアートワーク:大胆な筆づかい、色づかい。好きだ。 link
✏️読
シリコンバレーと中国共産党の共通点:テクノロジーアナリストのDan Wang氏の2025年年次所感。米国の輸出規制が、皮肉にも中国国内のサプライチェーンの垂直統合を加速させ、中国を”制裁に強い製造強国“へと変貌させていることを指摘している。一番興味深く読んだ箇所はこのへん>“シリコンバレーと共産党が似ている点の一つは、どちらも真面目で、自意識過剰で、実際、まったくユーモアがないこと”
“私が住んだ中で最も閉鎖的な2つの都市は、サンフランシスコと北京。ユートピアに到達するためなら、毎日、世界の終末を覚悟で自らを危険にさらす場所である” link
中国の産業的成功の根源は、強固なインフラにある:欧米メディアは頻繁に「中国経済・産業は不当な政府補助金で底上げされている!」と非難の声を浴びせる。しかし実態は異なる。電力、半導体、自動化、新素材など、産業の土台となるあらゆる技術に投資し、他国には真似できないスピードで社会実装を進めてきた。短期的なGDP成長や消費者の幸福を捨ててでも技術的自給自足や強力な電力網、専門人材育成等に投資をしてきたことで、7千万人の製造熟練工と強固なインフラを持つ巨大エンジニアリング国家としての地位を確立した。 link
パタゴニアを諦めない:”地球を唯一の株主にする”方針を発表して以来、「ただのパフォーマンスでは?」「テック企業の制服となりエッジを失った。結局富裕層向けの記号消費やん」など批判はあるものの、著者は同社の取組がまだ実験段階であり、他企業と違ってパタゴニアが泥臭くサプライチェーン透明化に取り組んでいる様子を評価している。パタゴニアをファッション企業としてではなく”ポスト資本主義における企業のあり方”の壮大なプロトタイプとして捉えてみてはどうだろう、と。 link
ラケットスポーツブームは次のレベルに:ピックルボールやパデルなど新興ラケットスポーツが支持を広げている。単なる有酸素運動ではなく、ビジネスや社交の場としてのゴルフに代わる存在になりつつあり、プレイコートに加えて高品質なカフェ、サウナ、コワーキングスペースを併設したライフスタイル型施設への投資も進んで来ている。ナイキやウィルソンのような用具メーカーに加えホテルチェーンも参入してきている。いつかバリとかで、テニス×コワーキング施設運営やりたいな。 link
「社会的色盲」がもたらしたもの:かつては人種で人を判断しないことがリベラルの象徴だったが、現在はむしろ人種を意識することが正義とされ、人種を脇に置く行為(”社会的色盲”)は差別を隠蔽する行為として非難されるようになっている。カナダの政治哲学者ジョセフ・ヒースは、左派が「あらゆる問題は人種に関係している」と強調しすぎた結果、右派もそれに応じ、白人としてのアイデンティティ政治に目覚めてしまったのだという。制度が人種的に中立であることをやめ、人種に基づいた分配や優遇をすすめるDEI政策が浸透することで、むしろ社会全体の分断が加速し、民主主義の基盤である普遍性が損なわれる可能性を指摘している link
インフルエンサー低テストステロンの危機を煽る:かつては一部のバイオハッカーやボディビルダーの関心事だった男性ホルモン・テストステロンレベルが政治的なストーリーに組み込まれつつある。米国高官が「トランプ大統領は70代で最高レベルのテストステロン値を持つ」とメディアに語り、米政権はテストステロン補充療法(TRT)の規制緩和や警告表示の削除を検討するなど、ホルモン値を政治的な強さや指導力の指標として扱う”政治的男性性”の喧伝に躍起になっている。ホルモン値が「愛国心」や「適性」の基準になりかねない未来の風景を予感させる内容。 link
説得力を持たせるには手を使って話せ:2千件以上のTEDトークや複数の実験データを分析し、手を使って話す人はより有能で信頼できる人だと評価される確率が高まった。EDトークの分析では、手の動きが2倍増えるごとにYouTubeいいね数が5.18%増加、美容液の説明で顔の横で円を描く動作を加えただけで肯定的な反応が9%向上したという実験結果もある。あまりに単純な内容を話す時には効果が薄れ、また東洋文化圏では西洋ほどポジティブに受け取られない可能性があることも指摘されていることから、日本ではあまり意識しなくていいのかも。 link
人生は「2千回の月曜日の総和」:私たちは週末や休暇、あるいは定年後を本当の人生と考え、平日をただ耐えるべき時間として扱いがちである。しかし、人生とはその”耐えている時間”そのものの積み重ね。人生は約4000週間。あなたがいま40歳なら、残された月曜日はあと2千回である。月曜日を憂鬱なものとして嘆き(Monday Bluesと呼ぶらしい)、次の週末を待つために平日をやり過ごすのは人生の半分を捨てるのと同じ。月曜日こそが人生の本番であり、その積み重ねがあなたの全てになる。 link
AI時代の優位性は統合力と主体性から生まれる:AIが専門的なタスクを次々と自動化していく今後10年間において、最強のスキルは専門性ではなく統合力(シンセシス)に宿る。散らばった情報を収集し、自分のフィルターを通して新しい価値へと変換する能力が、人間を代替不可能な存在にする。さらに、与えられた仕事をこなすのではなく、自ら問題を見つけ、リソースを統合して解決する主体性こそが最大の武器になる時代である。 link
📙本
大地(四):ようやく読み終わり。中国奥地の土の家から始まったお話しが、地方豪族の大豪邸、大都市の現代邸宅、米国の大学街、新旧入れ替わりの途上にある南京を経て、最後土の家に戻ってきた。あとがきにもあるけれど、中国国民党の行く末を1930年代から見据えていたパール・バックの先見の明。 link
勝ち続ける力:20年弱前に行われた羽生善治先生と翻訳家・柳瀬先生の対談。将棋界の牽引者が下の世代に移る中で、自身の将棋をどう捉えていたのかが率直に伝わってくる。人生かけた対局の翌日にここまで普通に会話できる羽生先生、傑物だ。 link
ーーなるほど。では、実戦で着手に迷った時、どうやって決断されるんですか?
羽生先生)これは大きな問題ですね。他人がどんなことをして毎日暮らしているか、これは絶対に分からないことじゃないですか。ところが、記憶はどんなに悪くとも、自分自身が過ごしてきた生活ややってきた諸様は、一番よく知っているものでしょう。自分がどれだけ怠けてきたか、どれだけ努力してきたか、どういう生活を過ごしてきたか。これは誰でも分かります。だから、最後に何かを決めるという段階に入ったら、自分自身を居じ切ることができるかどうかに、ものすごく影響されますね。
だから、考えている中身よりも、費やした時間や努力が、決断する時の安定剤になるというところがあるのかもしれません。もちろん、中身も大事なんですけど、これまで積み重ねてきたことを肩じられるかどうかが、曇りなく決断したり、自信を持って次に進むということに、すごく関係しているのかな、という気がしています。
信仰:村田沙耶香の短編集。冒頭作と各エッセイが好きでした。 link
📻観&聴
ジョニーアイブがフェラーリEVに物理ボタンを採用した理由:運転中にタッチパネル操作するの、確かに地味なストレスになる。「車の中にいるときに行うのはテキストを読むことではなく、運転することである」書くと当たり前なんだけど、なかなか立ち返ることの難しい原点でもある。
🧩感
🍵関心
トラックのギア/クラッチと強烈ブレーキに苦戦しています。私は免許を取りきれるだろうか。
向こう5年で核融合がどの程度技術進化するか。
トランプ大統領、中間選挙に向けていつ頃からギアを変えてくるか。
💼仕事
今週はずっとバンコクです。打合せ合間のマッサージ、やらせていただきます。この滞在中に、たまりにたまったKindle積ん読を減らせると良いのだけれど。
お便りをお待ちしています。



