Cobe Associe代表の田中志です。このニュースレターはいま380名の方が登録してくださっています。
バンコク→ニース→パリ→モントリオール→メキシコシティ→サンフランシスコと巡る旅から帰ってきました。世界一周航空券を使うために、パリから大西洋周りのフライトを無理して予約。トランジット中、現地時間ド深夜に日本との電話会議をしたり、いやはや疲れました。
コロナ明け初、5年ぶりの海外旅ですが「違いの中に同じものを、類似の中に違うものをみつける」ことの面白さを改めて感じました。
大学の時に参加した国際政治の少人数授業で、海外から来た留学生に「日本人が"アジア"というとき、意味しているのは『日本以外のアジア諸国』です」と伝えたら不思議な顔をされました。人は皆、自分が所属する種族/Folksの同質性と、そこからの差分に敏感です。標本集団の偏りを無視して申し上げると、日本人は特にその傾向が強い気もします。差異に敏感で、それを覆い隠したことばを使う。
見た目も言語も異なる人を見ると、直感的には「違う種族だ」と感じがちですが、彼らも、お店の入り口前のマットがズレていたら直すし、カフェのテーブルで指リズムを刻むし、道で小石につまづきそうになったらはにかみます。パンを掴む前にはトングをカチカチやるし、落としたものを人に拾ってもらったら笑顔で御礼を言うし、免税店で売られているハンドクリームの無料テスターはとりあえず試してみる。違って見えるときほど、同じ所を探してみる。
マクドナルドやスーパーマーケット、薬局のような共通化したところに行くときには逆に違うものを探す。バンコクの薬局ではフロアに案内薬剤師がいてアパレルのように声をかけてきたり、フランスのスーパーでは包装されていないブドウが乱暴かつおしゃれにおかれ、タイのカップラーメンの中には折りたたみフォークが潜んでいて、フランスの歩行者信号には点滅がなく、「まっすぐ進め」の矢印は上ではなく下向き。同じようにみえるものでも、違う場所に置かれたら違うものになる。
伊藤亜紗さん・ヨシダシンスケさんの『みえるとか みえないとか』、同じこと・違うことをかんがえる上で大好きな本です。同じものをみているようで、違うものをみている。違うものをみているようでも(なんなら見えていなくても)、同じ本質をつかんでいたりする。
宇宙飛行士のぼくが降り立ったのは、なんと目が3つあるひとの星。普通にしているだけなのに、「後ろが見えないなんてかわいそう」とか「後ろが見えないのに歩けるなんてすごい」とか言われて、なんか変な感じ。ぼくはそこで、目の見えない人に話しかけてみる。目の見えない人が「見る」世界は、ぼくとは大きく違っていた! (link)
これだから世の中は面白い。また日常にひたって、次の旅に出ようと思います。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
「困った」を適切に言語化するのは決して簡単なことではない:言葉に出来ないと、そもそも困っていることにさえ気づけない領域があるんですよね。私の強みは"整理・言語化・構造化"にあると気づいたのが数年前なんですが、結果的に多くの困りごとに気づけるようになりました。良かったのか、悪かったのか。 (Books&Apps, link)
面倒くさがったら、人は停滞する:全くその通り。今回、見る人から見るとたいへん面倒くさい旅をしたんですが(なぜ帰国のために3回もトランジットしたのか)、結果として心身いろんな淀みが私から抜けていきました。毎時間、毎日くらいの単位で生活を最適化していくと、人生は一気につまらなくなる。面倒くささから逃げてはいけない。 (Books&Apps, link)
「マクロを組める事務職」を狙え:スキマを狙っていくのは生存戦略の基本です。 (hatebu, link)
自転車再販に乗り出すトレック:素敵な取組み。全社として「カーボンオフセットを購入する予定はない」ってのもいい。 (Fast Company, link)
米国小売業がつぎつぎ強化するヘルスケア事業:ヘルスケアデリバリー事業で苦戦するウォルグリーンはパール・ヘルスと提携してプライマリケア医との連携を強化。ウォルマートも医療チェーンとの提携を模索中と報道。 (Axios, link)
健康のためには、薬よりも健康習慣を身につけるべき:これを守るだけで10年以上寿命が延びる(女性は14年、男性は12.2年)。フランスの方々はみなさん噛み煙草愛がすごかったな。 (TIME, link)
定期的な運動
健康的な食事
禁煙
適正体重の維持
過度の飲酒の防止
ストレス飲酒にみられる男女差:アルコール原因の死亡割合は依然男性>女性だが、アルコールに関連した入院や死亡は男性よりも女性の方が急速に増加している。コロナ契機に大量飲酒を始めた人の割合でも、女性が男性の6倍に上ります。 (Atlantic, link)
PwC スポーツ産業に関する諸外国の動向調査事業:スタジアム・アリーナは単体では赤字。放映権収入や地域への経済効果含めて何をどう最大化するかが大事。 (PwC, link)
オゼンピック/ウェゴビーが減量を超えた可能性を示す:ここ数年ずっと「夢のダイエット薬」としてメディアの注目を浴び続けているオゼンピック/ウェゴビー。従来の糖尿病や減量だけではなく、認知症やアルコール依存症、不妊などを対象に研究がなされています。さらに、心血管系疾患にも大きなインパクトがあるのではないかと。期待大。 (Vox, link)
南米コロンビアのコカイン生産、過去最高の約1700トンに増加:供給過剰により欧米では純度が上昇、アフリカやアジア、東欧では押収量が急増。また、かつては平和だったエクアドルも、カルテルが港やルートの支配権をめぐって争うようになり、世界で最も暴力的な国の一つに。 (bloomberg, link)
📙本
言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか:言語主導型の私にとっては最高の本でした。オノマトペ、を切り口にして、世界中のことばを旅して、手話にまで広げ、言語の原理・原則を問い、「生きる文化遺産としての日本語」を見つめる。自分の書き言葉・話し言葉を振り返る良い契機になりました。 (Amazon, link)
イスラームの神秘主義: ハーフェズの智慧:イランに旅したことをきっかけに、ペルシャ語で書かれた詩に興味を持つようになりました。「酒」「愛人」などを紙のメタファーとして使い、放蕩人を装いながらスーフィズム指導者・詩人として活動したハーフェズを見つめた本書。思いがけず、存在・実存について考える時間になりました。 (Amazon, link)
無用者の系譜:今年はまった歴史学者の本郷和人先生がどこかの書籍の中でおすすめしていた本書。在原業平や永井荷風も良かったのですが、時宗の創始者としても知られる一遍の章が大好きでした。↓引用にあるように、徹底して捨てる姿勢に惹かれます。あと、永井荷風が21歳の時に弟子入りした落語家さんの名前が"朝寝坊むらく"で、ぜひこの屋号を襲名したいと思っています。 (Amazon, link)
…一遍の一遍たるところはその捨聖にあった。聖道の教学はもとより、浄土の教義もない。義なきを義とする義もまたない。法然にあった天台との対抗意識、親鸞に残っている文章意識、修辞意識もここにはない。「万事を捨棄」する下根の行に徹しきった。わずかに自他一体、いや自他もない不二の、いや不二の二もない独一の、南無阿弥陀仏だけが残った。残ったというのは捨てに棄てた最後に、その極限において残ったというのではない。捨て果てたところが即ち念仏であり、捨てることによって一変した世界が即ち称名であった。 (Kindle位置:381)
📻観た/聴いた
ラ・ラ・ランド:飛行機の中で、初鑑賞。大感動しました。セバスチャンみたいな生き方をしたい。以来、Spotifyのプレイリストをヘビロテしてます。 (link)
ラグビーW杯 南アvsアイルランド:日本戦をみてきましたが、こちらみると、世界トップレベルとの差に愕然とします。 (link)
Xavier Casalta:先週のDDで紹介されていたフランス人アーティスト。 (link)
🧩感じた/感じている
「ほとんどのものはお金で買える/買えない」どちらというかでその人の人生観が現れる。 (link)
RICOH・GRIIIxを買って良かった。スマホより「強く記憶を想起する写真」が撮れる。
外国語でクレームをいうときに大事なのは迫力ある面構えと勢い。加えて、スキンヘッドにしておくと交渉が有利になる。
全仏オープン本戦を観にいきたい。ヨーロッパの赤土はただただ美しい。
メキシコシティでは二度とトランジットしないと決めた(はじめてロストバゲージにあいました)
🍵今の関心事
次に旅に出るタイミングと場所。
大量に買ったタイのお土産、どなたに渡すか。この大量のヒルドイドクリームたち。
10月のハーフマラソン→11月の神戸マラソン、さて、どうするか。
🥑活動報告
久しぶりに自宅のワークデスクから仕事をしています。Wifiは高速、ディスプレイは巨大。最高です。旅の最中に3件ほど新規案件のご相談をいただいたので、年末に向けて仕事もどんどん加速させていきます。
仕事で、企業にて技能実習・特定技能など外国人採用を担当されている方を探しています。謝礼もお出ししています。お近くにいらっしゃったらぜひご紹介ください。
来月は楽天オープンのナイトセッション観戦兼ねた東京出張があります。仕事も全力。人生全体全力。人と食事に行く予定もたくさんあります。楽しむぞ。
今週も、Happy Weekを:-)