こーべ通信 vol.48:コンセプトを生み出したときに人は強くなる
藤井システム、ゴキゲン中飛車、阪田流向かい飛車、、、時代を席巻する戦略・戦術の背後には、独自のコンセプト理解があるはずです。
神戸からおはようございます。
このニュースレターはいま161名の方が登録してくださっています。いつもありがとうございます。登録は↓からです。
(冒頭話は将棋関連なので、わからない方は読み飛ばしてください。わからないけど関心があるよ、というかたはこちらの本を買ってください。)
今年1年の目標が、将棋アマ三段への昇段なのですが、いままだ初段で壁に当たっています。(将棋ウォーズ上で一瞬三段になったのですがその後ずるずると降段してしまいました)そんな自分に活を入れるべく、先週からゆっくり読んでいる本の一つが「現代将棋を読み解く7つの理論」です。ページを繰る度に自分がいかに将棋を浅いレベルでやっていたのか反省&反省させられる、最高の本です。著者・あらきっぺさんの書籍紹介記事がこちら、将棋が多少でもわかる方はぜひ読んでみてください(記事内で紹介されている肉まんのチン仕方にも驚かされます)
この本の中で扱われている概念の一つが「クリップ」で、とある金と銀の連結の仕方なんですが、将棋の公式用語でも何でもなくあらきっぺさん自身が生み出した概念です。将棋AIの指し方を研究していたところ、頻出する金銀連結の形があるなとぼんやり気付き、それがなぜなのか、なぜ有効なのかを考え抜いた結果がこのクリップというコンセプト名称に込められています。
世の中のほとんどの人にとって、コンセプトは学んで使うものです。確かにそれでも一定までは強くなるはずです。しかし本当に強くなるのは、自分自身で世界に身を浸し、自分自身でとあるコンセプトを掘り起こし、内部化した瞬間なのでしょう。仕事ももちろんですが、最近取り組んでいるテニスや将棋、ぬいぐるみによる癒し、あらゆるところで、自分なりのコンセプト発掘に取り組んでいきたいなと思っています。(仕事でいうと、年輪経営というコンセプトは日本発の大発見だと感じています)
あらきっぺさんのブログがこちら。みなさんも一緒に将棋を楽しみましょう。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
Spotify アルバムのシャッフル再生機能をデフォルトオフに:英国歌手・アデルの「アルバムの曲順には意味がある」という声に応え、これまで無料ユーザーはシャッフル再生のみでしたが、全てのユーザーがアルバムでは掲載順に曲が再生されることに。 (Gigazine, link)
「書ききる」経験だけが、書ける人間をつくる:同じ心持ちで、毎週のニュースレターを書いています。 (blog, link)
世界の注目を集める“フォーゴアイランド・アーツ”プロジェクト:それまでの唯一の収入源だったタラ漁を失ったフォーゴ島を再生するきっかけになった、島をまるごとアート空間にするプロジェクト。 (National Geographic, link)
Facebook Messenger上の音声通話の半分はカンボジアから:どうやら識字率は関係ない模様→「ドミニカ共和国、セネガル、ベナン、コートジボワール、そしてカンボジア人のユーザー30人を対象にした調査では、回答者の87%が、アプリで設定されている言語とは異なる言語でメモを送るために音声ツールを使用すると答えています」「スマートフォンのユーザーが電話や音声メッセージを好むのは、タイピングが難しく時間がかかることや、デバイス上のクメール文字の使い方に戸惑っているから」知らない世界がまだまだたくさんある。 (Rest of World, link)
米国経済を支えた「信頼関係」が後退している:経済学を勉強すると(正確には、学部3年生以上レベルのミクロ経済学を学ぶと)、適切な厚生を生み出す経済活動を推進するためには、信頼・信用(Trust)が根底のところで必要なのだとわかります。いまそれらが損なわれつつあります。 (The Atlantic, link)
Paul Graham 101:スタートアップをやる上で大事なことの9割は、彼が言い切っていると思っている人です。PGといえば彼。そういう世界。 (link)
独立コンサルタントとしての7年間/7 Years on the Road:スタートアップ・メディア系のプロジェクトを行う独立コンサルタント・Tom Critchlow氏の7年間の軌跡。「多くの人が “コンサルタント”というレッテルに嫌悪感を抱いていることは知っていますが、、」→わかる。この方は、SEO MBAというサービス及びニュースレターを通じてクライアントワークを広げていったと。なるほど~。私はまだ3年。もう4年、おんなじだけ頑張りたいです。 (blog, link)
メンター探しはもうやめよう:「師匠を探すのではなく、自分の疑問に答えてくれる人を探せばいいのです。そして、その人がもっと答えられると思えば、また質問すればいいのです」本当にその通りです。 (blog, link)
睡眠でDNAを修復する:Cellの姉妹誌、Molecular Cell掲載の論文。覚醒中にDNAが受けているダメージを睡眠によって修復するですと。こういう論文がすらすら読める大人になりたかったです。お詳しい方に解説をお願いしたいやつ。 (link)
📙本
現代将棋を読み解く7つの理論:冒頭譚で書いた、あらきっぺさんの将棋理論のお話。玉の堅さではなく広さ、金を攻め駒の保全に活用するなど、自分の将棋感におけるコンセプトの抜本的な見直しが必要だと理解しました。OSごと入れ替えて、強くなります。章合間のコラムも素敵で、アナロジーの話が良かったです。 (Amazon, link)
終盤戦のストラテジー:上記と同様、あらきっぺさんの棋書です。終盤戦、一つ間違えるとこれまで積み上げてきたものがゼロになってしまい、しかし速度計算が難しすぎて私のような凡人は容易に間違えてしまう魔界。こちらも勉強して、強くなります。 (Amazon, link)
人間たちの話:大好きなPodcast、いんよう!のお二人が2エピソードぶちぬきで絶賛していたSF短編集、やっと読めました。私自身は、表題作の「人間たちの話」と、「宇宙ラーメン重油味」が好みでした。横浜駅SFともども、深みにはまっている気がしています。(いい意味) (Amazon, link)
ハーモニー:34歳で亡くなってしまった伊藤計劃さんの最後のオリジナル長編SF。Lifismという思想、ユートピアでありディストピア。自らの人生観・世界観が問われ、更新されていくお話でした。 (Amazon, link)
🎥観た/観ている
5ドルあれば指紋認証をハックできる:写真に写った指紋を参考に、5ドルで買える素材を使えばセキュリティの壁を易々と越えられるよ、とKraken Security Labs。(Youtube, Gigazine)
Molly Mendora:素敵な絵でした。どの作品も。 (link)
📻聴いた/聴いている
いんよう!第91回【柞刈湯葉 短編集『人間たちの話』の感想①】:上に書いた本の紹介と合わせて。お二人が、ネタバレ満載でこの本の魅力を語っていらっしゃいます。②とセットで1時間、堪能してください。 (Podcast page, link)
いんよう!第45回 将棋の話:せっかくの将棋回なので、大好きなポッドキャストからこのエピソードを。木村先生や深浦先生のお名前が搭乗するところにぐっときます。みんな、将棋のファンになろうよ!(Spotify, link)
アフター6ジャンクション カルチャートーク:推薦図書月刊「東京の生活史」by 岸政彦 さん:1,200ページ、1.5kgが怖くてまだ手を出せていない本書。「面白くない語りなんてない」「まとめてしまわない。あくまで雑談のように」など、ぐっとくるお話がたくさん岸先生から。岸先生の相槌というか、はんのうというかが好きです。 (Apple podcast, link)
🧩感じた/感じている
“You can't replace reading with other sources of information like videos, because you need to read in order to write well, and you need to write in order to think well.”— Paul Graham
面白くない、と、くだらないには大きな差があって、後者が尊ばれる空間に身を置いていたい。そして周りからの評判には、知らんがな、と返したい。
どんなときも、叩き台を作る人が一番偉い。レビューはバカでもできる(質が低くても良いならば)
こういう工夫や優しさを表現できる人になりたい。こういう工夫や優しさに気づける人でありたい。
🍵今の関心事
摩擦を受け入れる覚悟を生み出すには。腹決めを促すには。
オウンドメディアを楽しく有意義に運営していく方法。
2人目社員の採用法。
お金の借り方と返し方。
素敵な一言を添えられる人になるために、日々の生活で何を変えるか。
🥑活動報告
先週、今年7回目の献血に行ってきました。自分の腕について、「採血するならこの血管!」がいよいよ発見できた感じがして、一歩前進です。これで入院も怖くない(怖い)。
12月上旬はクライアントワークの狭間が来そうで、少しゆっくりできそうです。120冊以上ある積読をゆっくり消化する1週間でも送ろうかしらとワクワクしています。
コーチングでご一緒するクライアントさんが増えそうで、気を引き締めています。
今週も、Happy Weekを:-)