神戸からおはようございます。
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独立してクライアント仕事をしていると毎週のように新しいテーマで考え事をする必要が生まれてきて、うんうんと頭を悩ませながら、複雑な論点と向き合っています。いろんな方法でリサーチをして、一つ一つのファクトを積み上げ、論理の穴を縫い、紡ぎ併せ、近くから見たり遠くから見たり斜めから見たり。朝考えてみたり、夜考えてみたり。紙に書いてみたり、図にしてみたり、文字にしてみたり。それでもなかなか先が見えない。そんな夜もあります。
さてそこで表題、エピファニー(Epiphany)、最近初めて触れた言葉なんですが、
〔本質・意味についての〕突然のひらめき
というのが辞書的な説明。この言葉を取り上げていた本では「直感的な真実の把握」「本質の突然の顕現」と訳されていました。元々はキリストの顕現を意味する言葉だったのが、文学などのなかで「平凡な出来事の中にその事柄・人物などの本質が姿を現す瞬間を象徴的に描写すること」の意で用いられるようになり、↑のような汎用的な意味を持つようになったと。
自分が関わってきた過去のプロジェクトを振り返ると、このエピファニー的瞬間がどこかで必ず来ているな、と感じます。あらゆる情報が一つにつながり、なるほどそういうことか、と自然に独りごちるような、そんな瞬間が。
このカバーストーリーを書きながら併行して読んでいる本の1つがサン・テグジュペリの「人間の大地」なんですが、その中でこんなお話が出てきました。
…本質的なものは予見することができない。実際、何の前触れもないときに、突然、最高に心の温まる喜びを味わった経験は誰にでもあるはずだ。そんな喜びはどうにも忘れようのないものとなるので、もし貧乏だった頃にその喜びを味わったのなら、僕らは貧乏生活すら懐かしむことになる。昔の友と再会して、かつての辛い日々が魅力的に思えてくる。(Kindle位置:2,649)
…僕らは何も知らない。この世には僕らを豊かにしてくれる未知の条件が存在するという事実を除いては。人間の真実はどこに宿っているのだろう。
真実というのは論証しようのないものだ。もしオレンジの木が他の土地ではなくこの土地でしっかりと根を張り、果実を実らせるのだとしたら、この土地こそオレンジの木にとって真実なのだ。もし他のどれでもなく、この宗教、この文化、この価値観、この活動形態が人の心の中であの充足感を準備し、眠れる君主を解き放つなら、この価値観、この文化、この活動形態こそその人にとって真実なのだ。論理的でないって? 論理などというものには、僕らの人生を適当に解説させておけばよい。(Kindle位置:2,652)
めちゃくちゃいい言葉でした。
今週も、エピファニーを待って、地道に、諦めずに悶々と仕事と向き合う、そんな1週間になりそうです。論理の向こう側を目指して頑張ります。
(この言葉で検索したら上位に来るのが茂木健一郎さんの記事で、なんというかアレな気持ちになりました。はてさて。)
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
「違うと言うな」一言目の大切さ:コーチングでも口を酸っぱくして言われるこの会話技術。一言目は習慣で変えられる。そして変えた方が良い。 (link)
“無意識”に仕事をさせよう:「意識します!」は悪手なのじゃ。 (Link)
いきなり本題に入らずFramingを使ってスムーズなコミュニケーションを:コーチとしてもこの「話の入り」は相当トレーニングされる部分です。フレーミング、大事。 (link)
週4勤務に新しいメリット 地球温暖化が大幅に改善される可能性あり:私のポジショントークです。 (link)
ニューカレドニアの魅力:旅に出たい。天国行きたい。 (Link)
フィラデルフィアのワクチン推奨施策:先週のニュースレターでオハイオ州の事例を取り上げましたが、フィラデルフィアはウォートンの経済学者のインセンティブ設計に基づき施策導入すると。来年くらいにいろんな論文が出るんだろうな。 (Link)
エルサルバドルはビットコインに賭ける:法定通貨にビットコインを採用する計画を発表した初めての国になった中央アメリカのエルサルバドル。地熱発電でマイニング、火山のパワーを使うぞと。一つの挑戦へと。 (Link)
Facebookが心拍トラッキングをするスマートウォッチを投入か:Apple、Googleに続き、スマートウォッチを。BigTechの争いは画面から飛び出して手首へと。 (Link)
Appleがデジタル免許証発行へ:ワクチンパスポートでできるんだから!の論理は他の許可証や証書類にも影響しそう。IBMなど他プレイヤーはどう動くか。 (link)
📙本
人間の大地:次のPodcastテーマ本。カバーストーリーでもとり上げましたが、迫力ある言葉がたくさん。 (link)
馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow:森博嗣さんの2020年作品。 (link)
生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想:シオランの思想の根源にある、労働の拒否と怠惰の礼賛。怠惰は高貴な悪徳だと。『世間の人は「何もやりたくない」と叫ぶ人よりも、人殺しに対するほうが寛大なのだ。』の記述にはぐっときました。 (link)
薬指の標本:恍惚感のある小説、いいなー。 (Link)
えれほん:文化、統制、政治、対立。。。ダーウィン事変の作者の過去作なんですが、素敵SFでした。 (Link)
🎥観た/観ている
NHK 100分de名著 レイ・ブラッドベリ「華氏451度」:「人間にとって本とは何か?」「思考や記憶のかけがえなさとは?」「権力者の論理とは?」…恥ずかしながら呼んだことのない著作。図書館で予約しました。 (Link)
NHK 100分de名著 三島由紀夫「金閣寺」:現実と心象の不一致。なるほどそうかと思わせてくれる平野さんの解説でした。 (Link)
話すときに舌はどんな動きをしているか:口の中での舌の動きをMRIで捕捉してみた。衝撃映像でした。
上原浩治の雑談魂 宮本キャプテンSP:イラッとしたときは紙コップ、ぱこっで我に返る。自分のタイプを知って対応を考えないと。宮本さん大好きだ。
📻聴いた/聴いている
いんよう 第147回【ジェネラリストとスペシャリスト】:タイトルにあるスペシャリティ/ジェネラリティのお話のみならず、政治や教育についても考えさせられる刺激的内容でした。 (link)
🧩感じた/感じている
三体Ⅲを読んだ後の自分は、読む前の自分とは明確に異なる。
「金を払っているんだから」というロジックは、他の人が用いると違和感を感じつつも自身が使うことには無自覚な人が相当数いる。
大J林、言葉を見つめる人の遊び心を感じる本として素晴らしい。
肩肘張らずにやりたい。
“This is the best time ever to make something. None of the greatest, coolest creations 20 years from now have been invented yet. You are not late.” He says.
🍵今の関心事
夏休みどこでとるか、何をするか。
来年の長期休暇、どのくらい怠惰に過ごせるのか。
コンサルタントとしての自身の成長をどう担保するか、高めるか。
自社、自分をどんな風に演出するか。落語で言うところの、演じるか。
🥑活動報告
英語まみれ+時差振り回されのプロジェクト生活始まりました。51の自信と49の挑戦です。
新しい案件相談、たくさん頂いています。デジタルヘルス新事業立ち上げ、上場後事業戦略検討、通販会社事業再編支援、エネルギー系会社市場調査、、、、気合い入れてやるぞ、と気持ちを高めています。
近々、丁寧にインタビュー頂いたメディア記事が出そうです。私も仕上がりが楽しみです。
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