神戸からおはようございます。
このニュースレターはいま119名の方が登録してくださっています。いつでも120番目をお待ちしています。もしまだ登録されていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ↓の “Subscribe now”(購読)ボタンから登録してください。無料でほぼ毎週月曜朝にメールボックスに記事をお届けします。(購読、って日本語だと有料感のある言葉なので、フォロー、とかになるといいなぁと思っています)
「PRE-SUASION : 影響力と説得のための革命的瞬間」という本を読んでいます。営業職やある種の交渉事に関わるような方がよく読まれている「影響力の武器」という本を書いている心理学者、ロバート・チャルディーニ氏の著作で、米国心理学会の分科会・パーソナリティ・社会心理学会の2017年図書賞を受賞した作品でもあります。
「影響力の武器」はその名の通り、相手に影響を与えるための6つの視点として
返報性(Reciprocation):恩恵を受けたら報いなくてはならないと感じること
好意(Liking):好意を持つ相手ほど賛同したくなること
権威(Authority):専門家に指示を仰ごうとすること
社会的証明(Social proof):他人の行動を指針とすること
希少性(Scarcity):手に入れにくいものほど求めたがること
一貫性(Commitment and consistency) :自分のコミットメントや価値観と一貫した行動を取ろうとすること
をそれぞれ紹介している書籍なのですが、PRE-SUASIONは7つめの武器として『下準備:相手の注意を事前に引いておくこと』の重要性について書いています。これを考える上でキーとなるコンセプトはダニエル・カーネマン教授が語った “焦点錯覚”、
人生のどんな要素にも、あなたがそれについて考えている間に感じるほどの重要性はない。
Nothing in life is as important as you think it is while you are thinking about it.
に由来します。このコンセプトの事例として、マーケティング周りの諸々やアンカリングの事例、イラク戦争時のメディアの事例なんかが上げられているんですが、どれも興味深かったです。人を説得したり、或いはされたりするようなことがある人であれば、読んでみて損のない一冊な気がします。改めて、こちらです。
私自身、あらゆる人間は認知バイアスの奴隷で、「人が『客観的に見てさ』というとき、そこで表現されるものはだいたいその人の主観だよね」と思ってしまう心の歪んだ人間なので、この本を読みながらうんうんとうなずきながら、引き込まれるように読んでしまったります。
1人1人が違ったオートフォーカス機能を持ち、その上で、錯覚の海を生きているんですね。
…
全然別の話に飛んでしまうんですが、最近自分が書いた文をそのままGoogle検索に載せてみて、その一番上のページを見るっていうのをたまにしているのですが、↑で書いた「錯覚の海を生きている」をそのまま検索窓に入れ込んでみると、トップに出てきたページがこれでした。
STORY | 「劇場版 ハイスクール・フリート」公式サイト
… 錯覚どこいったんや。海しか残ってないやん。危機にピンチのルビとかすごいやん…
Googleは何かを錯覚しているのかも知れないし、逆にこれが表示されることに違和感を持っている私のほうが錯覚の中にいるのかも知れません。真実はどこに。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
清貧なんてクソ喰らえ: 「幸福は本気で打ち込めるものがみつかった人の元に訪れる」は本当にそのとおりで、私は私なりの形で、「こんなふうに不幸を避けて、かつ幸せになることができるよ」と背中で語りたいと思います。 (Link)
2021 Corporate Reputation Rankings:AxiosとHarris Pollが共同で行った企業評判調査。1位はパタゴニアなのはまあなるほどで、2位がびっくりHonda(Products/serviceでは1位)。最下位100位はThe Trump Organization、98位にFacebookでした。 (link)
注射1本でコレステロール値を下げられる日が来るかも知れない:ペンシルヴェニア大とVerve Therapeuticsが開発したCRISPRベースの遺伝子治療、1回実施するだけでサルのLDLコレステロールの値が60%低下低下したと報告しNatureに掲載。PCSK9というタンパク質を標的にしたとのこと。この治療法の臨床試験への道のりはまだ不透明ですが、ヒトでの研究に一歩近づいたかもしれません。 (link)
「藻」の遺伝子で失明から視力回復:こちらも遺伝子治療。藻類の遺伝子を被験者の網膜に組み込むことで視力回復に成功したと。研究資金はフランスの企業、GenSight Biologicsが提供したとのこと。 (Link)
脳トレ、効果なし:何年か前にも同様の示唆を持つ研究が見た記憶があるのですが、オンラインのツールを用いて改めて。「脳トレゲームによって、ある種の心理・精神的な能力が向上する可能性はありますが、実践的な認知機能には効果が期待できないでしょう」とのこと。 (Link)
サンフランシスコでアーティスト向けのベーシックインカムが始まる:5月21日から始まったこの施策。130名のアーティストに月1千ドルが支給されます。期間は6ヶ月。 (Link)
米国西部に大干ばつの予兆:US Drought Monitorによると、米国西部の85%近くが現在、干ばつ状態に苦しんでいるとのこと。これにより火災のリスクも上昇しています。 (Link)
対外経済政策を巡る最近の動向:この5月に発表された、経済産業省通商政策局・貿易経済協力局の資料。海外のデジタル領域の動き、全然見ていなかったなーと反省。世界は動いている。 (link)
戦略ファームの仕事の魅力と好循環の構造:いい図解でした。良い商売には、良いサイクルがある。 (Link)
BCG・入社1年目のエクセル研修:記事の内容はまんまその通りでそこはまぁいいんですが、部屋の懐かしさが… (Link)
📙本
PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間:↓の「影響力の武器」の著者、ロバート/チャルディーニの著作で、人に影響を及ぼしたり説得をするとき、事前準備でほぼ勝負決まっているよ、ほらね、という本。仕事で営業や交渉をする人はもちろん、チームワークが求められたり、調整が発生するような職場で働く人(つまりほぼ全員)は読んでおくといいことがありそうな本。稼ぐためというより、自分が楽をするために。 (link)
影響力の武器 実践編[第二版]:「イエス! 」を引き出す60の秘訣:元々原著では、消費者向けに「だまされないように!」という主旨で書かれていたはずが、邦訳では思いっきりだます側視点での副題になっているのが毎度もやもやします。内容は良い本なんですが。 (link)
ニュートン式 超図解 最強に面白い! ! 銀河:泡の上にいるのか…壮大だな…最高だな、銀河… (Link)
人間の大地:サン・テグジュペリの「人間の土地」、新訳ではこのタイトルのようです。次のPodcastのテーマ本です。楽しい。 (link)
🎥観た/観ている
Map of the Internet 2021:大作。そして素晴らしい。 (Link)
📻聴いた/聴いている
味な副音声「紅茶への愛、そして戸惑い」:レモンティー、レモンの上に砂糖たっぷりで、には驚かされました。自宅でいろいろ試してみたいんですが、紅茶の沼も深そうだ… (link)
🧩感じた/感じている
自己肯定感よりも、自己受容感。
貪瞋痴は、生まれた瞬間から人がもつ病なのかも知れない。
People can’t remember more than 3 points from a speech.
内容を欠く思考は空虚であり、概念を欠く直感は盲目である。
どんな難しい発言や内容でも、その背景にある「それは何を目指して発せられた/書かれたものか」を理解できれば、多少は理解できる。
セブンイレブンの豆腐バー、あれは革命商品だ。
🍵今の関心事
国破れて山河あり。さて、山河がなくなってしまったら国はどうなるのか。
三体Ⅲ、じっくり読む時間をいつどこでとるか。
書籍「三行で撃つ」の文章力向上Tips、どれくらい守り、実践できるか。
🥑活動報告
社会人の方向けに、面接・面談支援のセミナーをやったんですが、意外と好評で良かったです。
神戸市立博物館で開催されていた東山魁夷展に行ってきました。美しく、息をのむ時間でした。至福です。
自著「情報を活用して、思考と行動を進化させる」が、少しずつですが売れているようで、嬉しいです。もし周りの方に勧めて頂けるととても嬉しいです。
みなさんの、読んで面白かったものや考えていることなんかも、ぜひコメントやメール、SNSなんかで教えてください。ニュースレターなので、もしよろしければ購読をお願いします。