神戸から、おはようございます。ここまで6回、毎度毎度「そろそろeメールで配信できる限界の長さだよ」とSubstackに注意されながら、このニュースレターを書いています。先週も書いたんですが、2月にはいってお仕事のボリュームがぐんっと増えまして、それでもなんとかやっていくぞと気持ちを奮い立たせる日々です。
この2-3月は(個人的に大好きな)将棋の世界も大詰めで、各種タイトル戦や挑戦者決定戦が行われます。この週末は第46期棋王戦の第1局がありいよいよ幕開け、今週も11日に第14回朝日杯準決勝・決勝、13-14日に第70期王将戦第4局が予定されています。棋王戦第1局で、糸谷先生が後手番で渡辺棋王に勝ったのをみてワクワクが止まりません(どなたかに伝わって欲しい)。この動画を見ていただければみなさんも糸谷先生のファンになるはず。
将棋棋士の先生たちの言葉は個人的にグッとくるものが多く、
追い詰められた場所にこそ、飛躍がある。「わからない」ということはまさにそこが「勝負所」だということを意味していると思います。 (羽生善治九段)
何事であれ、最終的に自分で考える覚悟がなければ情報に埋もれてしまうだけだ。(羽生善治九段)
負けと知りつつ、目を覆うような手を指して頑張ることはけっこう辛く、抵抗がある。でも、その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちるかのように、転落していくんだろう。 (木村一基九段)
一人前になるには50年はかかるんだ。功をあせるな。悲観するな。もっと根を深く張るんだ。根を深く掘れ。 (故・升田幸三 実力制第四代名人)
あたりは、ひっそり貯めてたまに見返している「好きな言葉リスト」の上の方にずっとおいています。いずれか、皆さんの心の残るものもあるといいなと思っています。
一時期、将棋界を席巻した戦法・藤井システムの考案者でもある藤井猛九段は、扇子や将棋盤によく「涓滴」と揮毫されます。もともとは水のしずくやしたたりのことを言うんですが、翻って「わずかな水のしずくも、絶えず落ちていれば岩に穴をあける。 努力を続ければ、困難なことでもなしとげられる」という意味で使われたりもします。
大変やなぁ、と思う今こそ勝負所。一滴一滴、勝とうが負けようが、自分の根っこに水を垂らしていきたいなと思う月曜の朝です。やっていきましょう。
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ここからは、私が今週観たものや聴いたものなんかを紹介していきます。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
帝国ホテルに住もう:2月1日から予約が始まった「帝国ホテル サービスアパートメント」 。エグゼクティブ層を中心とした”第2の仕事場”としての利用のほか、企業規模でのBCP対策や、富裕層のセカンドハウスなどの需要を見込んでいるとのこと。新横浜プリンスの日中定額プランも魅力的です。 (Link)
Clubhouseの招待コード販売は中国でも:メルカリ上でClubhouseの招待コードが売られていることが話題になっていましたが、Alibabaが運営する中国版メルカリ・Xianyu上でも数千円で招待コードが売買されていたようです。 (Link)
発話やライティングで未来のアルツハイマー発症を予測する:IBMの研究チームの取り組み。精度は75~85%とのこと。 “tatatatata”と連呼してもらうの、イメージすると確かに何かがわかりそうな気もする。 (Link)
年齢ごとの体外受精成功率の大きな差: “Preliminary National Summary Report for 2018”をみると、35歳以下の女性で1サイクルでの成功率が42.6%、42歳以上になると2.9%。サンプリングバイアスがあるとはいえ。 (Link)
ミミズの脳から学ぶ単純AIがもたらす民主化:MITとAustria’s Institute of Science and Technologyの研究。シンプルな数学モデルに基づく“liquid neural network”アプローチをとることで、他の複雑な最先端モデルよりも2桁小さいネットワークサイズでほぼ同等のパフォーマンスを出したとのこと。数千億~のパラメータを駆使するGoogleやOpenAIには負けへんで。 (Link)
さよならニルヴァーナ詭弁:「あるアクションがその問題に対する完璧なソリューションでなければ、採用する価値がない」という仮定詭弁を、ニルヴァーナ詭弁といいます。完璧でなくともやったらいいじゃない (Link)
仲間とはパンを分け合う人: “How Our Relationships Affect What We Eat?”というAtlanticの記事。Companionの語源、パンを分け合う人、なんですって。 (Link)
パンデミック対策ができていた国などあるのか?:ジョンズ・ホプキンス大学などが中心となり2019年9月に発表した「国ごとのパンデミック準備度」で1位は米国、2位はイギリスでした。しかし今回のSARS-CoV-2ウイルスによる死亡率で米国は153カ国中下から9番目、イギリスも更にその下にいます。ランキングが上でも、それは安心を意味しない。 (Link)
📙本
奧野克巳・吉村萬壱・伊藤亜紗「ひび割れた日常 人類学・文学・美学から考える」:3人がリレー形式でエッセイを書いていくんですが、テーマの広がりと深まりがとっても気持ち良い本でした。時間、身体、幻想、他者、、、柔らかい言葉で、味わい深いテーマが扱われています。 (Link)
近藤史恵「スーツケースの半分は」:旅に出たくなる、よい小説でした。人の関係は、人間の知覚を超えているので、人生に遊びを作って偶発性を呼び込むべきだなぁと改めて思います。 (Link)
郝景芳「人之彼岸」:「折りたたみ北京」著者でヒューゴー賞受賞者、のSF短編集。まだ最初のエッセイのみ。これからゆっくり読みます。 (Link)
(ここからマンガです、どれも良かったです。)
ここは今から倫理です。:良い人生のお話と、正義の話がぐっと刺さりました。次から次へと正義を入れ替えていくような人生でいいのかしら。 (Link)
テロール教授の怪しい授業:テロリズムをテーマに。日本にいると、テロ=悪い人が悪いことをしている、くらいの理解になっちゃいそう。ライトに、それでも真剣に学びたい (Link)
不死身の特攻兵:書籍からのマンガ化。9回の特攻から、9回生還した方の実話。↑のテロール教授…と併せて読むといろいろと。 (Link)
九龍ジェネリックロマンス:ロマンスやん。すてきやん。 (Link)
数字であそぼ。:わからないことがわからない、わかる。 (Link)
北北西に曇と往け:今週読んだベスト漫画でした。アイスランド、なる早でいきます。 (Link)
🎥観た/観ている
VanMoof S3 Review:自転車界のテスラとも呼ばれるVanMoof、先週自宅の近くで乗っている人を見かけてしまい勝手に盛り上がっています。今注文しても届くのは3月末…買うか (Link)
南米、珠玉の絶景:ナショジオさん、本当にありがとうございます。心が洗われました。 (Link)
AIで自動生成されるスピーカー動画:UCLやスタンフォードなどの研究者や起業家が集って創業したSynthesia。AI生成された話者を選んで、テキストを入力すると、さもその話者がそのテキストで語っているかのような動画が作れる。音声単体でもResembleみたいなサービスがあり、自身世界観の拡張を強いられている (Link)
3Dプリンターで骨を作る:豪・ニューサウスウェールズ大学の研究。リン酸カルシウムでできた特殊なインクを用いることで骨組織に近い構造をもった3次元生成物ができる。次は動物実験へ。 (Link)
フェルメール「真珠の耳飾りの少女」を100億ピクセル・3Dで:HiROX社のデジタルマイクロスコープを用いて細かい絵の具の乗りまでみえる。 (Link)
📻聴いた/聴いている
「8時間勤務中ずっとGet Wild退勤」プレイリスト:集中するときにはやパリコレ。退勤できないけど (Link)
🧩感じた/感じている
真剣に1時間の英語インタビューすると、その前1時間は集中力がそこに向かい、後の1時間は虚脱状態になるので、実質3時間ワークになる。
強力な作動中電子レンジの近くを通ると、スマホとイヤホンの間のBluetooth接続が乱れる。干渉、音の乱れで近くに電子レンジがあるかどうかが判別できる。
ストレッチと散歩、日常でやることのすべて。 (Link)
突然地震が来たり、火山が噴火したりすると私たちの日常は大きく(大抵は望ましくない方向に)変化するはずで、それが起こらない、とても不安定で有り難い毎日を生きている。どれだけ人類が対策・行動をとったところで、この不安定さそのものは延々と残り続ける
おやつにおしゃぶり昆布を食べる生活が豊か。まとめ買い推奨。
🍵今の関心事
地球の活動を感じるアイスランド、いついくか。
「自分で考え抜く」という覚悟はどう醸成されるか。
リズムと音階は、どちらが先に発見されたか。
「日清のどん兵衛 限定プレミアムきつねうどん 史上最もっちもち麺」はどこでみるかるのか、あるいはいつECで値崩れするか。
積ん読消化、引きこもりによいお宿はどこか。
🥑活動報告
ポッドキャスト・Cobe.fmで、「フォークの歯はなぜ4本になったのか」の回が進んでいます。次は「セールスマンの死」を予定。(Link)
近々、書籍が出る予定で、1月末で第1稿書き上げました。これから編集・校正で、もう一踏ん張り。発売は今年4月を予定しています(To be Updated)
今年はテニスの大会に出てみようと思います。いずれかの大会で1度は優勝するのが目標です。(To be Updated)
3月末までの全力疾走度が200%かと思っていたら320%でした。4月~GWはお仕事おやすみ期間にして黙々と読書します。めりはり。(To be Continued)
みなさんの、読んで面白かったものや考えていることなんかも、ぜひコメントやメール、SNSなんかで教えてください。