神戸からおはようございます。
このニュースレターはいま148名の方が登録してくださっています。いつもありがとうございます。登録は↓からです。
先週、久しぶりに日経電子版の有料契約をしました。はじめて購読したのは大学院生の時で、以来何度か契約をしつつ、数ヶ月で読まなくなる、というのを繰り返しています。新卒で入った会社でも、偉い人から「どんなに忙しくても日経は毎日読め」といわれていたんですが、週末に気になる記事を拾い読みするくらいで、なかなか毎日となると…な実際でした。
正直、社会人新人の頃は新聞の面白さがわかりませんでした。一面に載っている記事を斜め読みして、政治欄は飛ばし、経済欄・企業欄の内容で過去/現クライアントに関わるものがあればじっくり読むくらい。その他一般紙は、一面の扇動的な見出しが目に入るだけでも不快に思っていた様な気がします。(この傾向はいまもあります)結果、キュレーション型のニュースアプリの利用頻度がどんどん上がってきました。
最近改めて購読を決めたのは、ホテル泊の時にふと目を通した日経朝刊がとても面白かったのがきっかけです。「日経=ありきたりな経済情報or自身と遠い情報が並んでいるメディア」という認識が(恥ずかしながら&潜在意識下で)あったのですが、それが明確に誤っていたことを知りました。実際、このニュースレターで取り上げている内容の半分程度は、日経でも取り上げられている感覚があります。
いま紙面に踊る記事・情報が面白いと思えるのは、自分がそれなりに幅広い業界や領域に関わるようになり、記事で扱われる情報と自分の知識・経験ベースとの距離が近づいてきたからな気がします。新聞好きな方が「最初はよくわからなかったけど、毎日続けて(我慢して)いくうちにわかるようになってきた」とおっしゃるのをたまに耳にします。
何かしらの情報に触れてそれを面白いと判断できないとき、それは絶対的な尺度での評価ではなく、自分自身の変化によって変わりうる相対的なものだと認識しておく方がヘルシーなのではと感じています。51/49の心で、「誰がなんといったって」というこだわり・熱意と、「昨日の自分と今日の自分を区別する」柔軟な心で物事と向き合いたいですね。
合わせて、The Economistも3年プランで購読をはじめ、毎朝(忙しいと夜)目を通すことにしています。クライアントへの価値提供と自分の豊かな人生のために、知識・情報の橋頭堡をどんどん広げて行くぞ、と決意する秋です。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
世界中でエネルギー危機:中国で停電、欧州でも電力不足が深刻化、インドでも石炭在庫が減少し電力危機、カリフォルニアでは海底パイプから石油が流出。石炭価格は急騰。英国ではガス料金への課税強化も発表されており、環境対策と安定供給のバランスを取ることの難しさが明らかになりつつあります。SDGs関連の取組で自社の首を絞めることにもなりかねず、難しい舵取りを迫られています。 (link)
オーストリアでは1日400円で公共交通乗り放題:11月から1日3ユーロ相当で全国の公共交通機関を乗り放題に。(切符は1095ユーロで1年間有効。都市部の鉄道、地下鉄、バス,都市間交通など、民営・公営を問わず利用可)脱炭素化を図る急進的な政策の一環で、連立政権に加わっている緑の党がリードした政策。 (link)
iPhoneで診察を行う眼科医:2014年/iPhone 6あたりから眼科医器具を改造してiPhoneを診察に活用してきたカリフォルニアの医師は、マクロ撮影モード搭載やカメラ性能向上により、iPhone 13 Pro Maxのみで目の様子の撮影が可能になったとのこと。AirDropを用いて患者に撮影データを共有できるのも良いよ、とのこと。 (link)
プログレッシブなMBAコース8選:経営プロフェッショナルのための大学院にも変化が生まれています。"Advancing Racial Equity at Work"や"Beyond Diversity: The Fundamentals of Inclusive Leadership"、"Sustainable and Responsible Investing"などなど。環境や人種、ビッグデータなどなど、踏み込んだテーマのコースがこちらに。 (link)
病院へのランサムウェア攻撃に由来する新生児死亡事故の裁判:2019年にハッカーからの攻撃を受けたSpringhill Medical Centerは身代金支払いを拒否、ネットワークを使用せずに病院業務を遂行。その最中に生まれた新生児のバイタル変化をスタッフが見つけることができず脳障害を患うことに、9か月後に亡くなりました。判決次第では、病院へのハッキングが増加しそう。 (link)
反ワクチン集団が未承認薬を好むのはなぜか:人間の認知バグに突っ込む深遠なテーマだと感じています。 (link)
それでもFacebookを使うか:リードプロダクトマネージャーとして勤務しその後数千の社内ドキュメントをWSJにリークしたFrances HaugenがCBSの60 minutesに登場。同社の利益を過度に重視した姿勢を批判し、観察されたヘイトスピーチ事案の90%以上を見過ごしてきたと語りました(「社会にとって良いこととFacebookにとって良いこととの間には利害関係がありました。そしてFacebookは繰り返し、より多くのお金を稼ぐなど、自分たちの利益のために最適化することを選んだのです。」)。一方Facebook側も、同社は改善の試みを続けてきたと反論しています。 (link)
スタートアップに必要なのは「好奇心チーム」:決まっている事業をグロース指せるチームも層だけど、定量・定性分析からリアルな示唆を生み出せるリサーチプロフェッショナルが必要だよ、というお話。好奇心の塊、私の出番では?(link)
各国首脳や著名人の租税回避を告発したパンドラ文書:国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が構成ファイル1190万件・合計2.94テラバイトというパンドラ文書を公表。ヨルダン国王や元英国首相など、多くの著名人がタックス・ヘイブンのペーパーカンパニーを経由して課税回避をしていたことが明らかに。"An offshore data tsunami"とはICIJの弁。 (link)
20数億年前に地球の酸素急増の謎に新説:マックス・プランク海洋微生物学研究所のジュディス・クラット氏と米ミシガン大学の共同研究者らによると、地球の酸素が急増したのは自転速度の減少により1日の長さが長くなったからだとする仮説を提示。「君を死なせないための物語」を読んだ直後に触れた記事だったので、ぐっときました。 (link)
自分が子宮で兄妹を吸収した「隠れ双子」なのかを調べる方法:『私たちの8人に1人は、子宮の中では双子でした。しかし私たちはある時点で、兄弟姉妹になるはずだった存在を吸収してしまいます』そうなの!?!?!? (link)
オランダ小売店が「おしゃべりレジ」を導入:15歳以上人口の1/4以上が孤独を感じているこの国で、レジで店員と気軽に雑談できるレジが導入される。2019年の試験実施が好評だったこともあり、その数を200に増やして本格導入。政府の“One Against Loneliness” programにもアライン。デジタル化が進む小売領域、店舗の意義を再発見しようとしています。 (link)
あなたはニュースを見るのをやめるべきだ:悪いのはSNSではない、ニュースそのものです。情報番組と政治欄は苦手です。 "We spend hours consuming news because we want to be informed. The problem is news doesn’t make us informed. In fact, the more news we consume the more misinformed we become." (link)
「ファイルが見つかりません」と言われたときにどう対応するか:Rebuild最新回でも取り上げられていた、Googleとともに育ってきた若年層はディレクトリやフォルダという概念が理解できないことを書いた記事。2017年秋頃から教育者が感じるようになったとのこと。入れ子構造に対する直感的な理解の欠如。整理整頓に対する考え方。全てのファイルを1つのフォルダに。検索という行動がしやすくなった社会の一つの表層ではないでしょうか。 (link)
📙本
Exponential: How to Bridge the Gap Between Technology and Society:洋書をオーディオブック形式で聞いています。テクノロジーは中立であって、それは使いようである。第1章は当然のようにムーアの法則から。 (link)
The Great Mental Models Volume 1: General Thinking Concepts:こちらは洋書をそのままで。シンプルな英語で書いてくれているので読みやすいです。“I don’t want to be a great problem solver. I want to avoid problems—prevent them from happening and doing it right from the beginning.” (link)
戦略読書日記 <本質を抉りだす思考のセンス>:「ストーリーとしての競争戦略」等でも知られる楠木建さんが様々な書籍を紹介していくエッセイ形式本。石井妙子のおそめ、ぜひ読みたくなりました。ストーリーがあるとは並列ではなく順列であること、にハッとしました。 (link)
🎥観た/観ている
オレオのクッキーとクリームを完璧に分離するには:内部を真空にする真空チャンバーがあれば、膨張と圧縮等の効果を上手く使ってきれい分離できると実験。楽しい夏休みの研究になりそう。このYoutubeチャンネルのタグライン、 "One Experiment is Worth 1,000 Expert Opinions"っていいですね。
パキスタンに密輸品を運ぶアフガンの子供たち:政権変更で大人の移動監視が強まる中で、子供がトラックの陰に隠れてものを運ぶ。エンジンの上に座っていた女の子の話を聞いて胸がきゅっとなる。これだけの危険を冒して1回1千円。
📻聴いた/聴いている
Brooklyn Duo “Time to say Goodbye”:ピアノとチェロの演奏で。この2人がアップロードしている動画をリストにしてエンドレス再生すると、優雅な午後が訪れます。
Exponential: How to Bridge the Gap Between Technology and Society:本のところで紹介したオーディオブック。お散歩しながら1.25倍速で。英語の勉強がてら学んでいます。 (link)
🧩感じた/感じている
自分のやり方でできない/まずいのであれば、他の人や先人の言うことを聞いて素直に実行するのが吉。じっくり考えるのはそのあとで良い。
困ったときにスキルで問題をとこうとしすぎてはいけない。「キャリアに困ったからスキルをつけよう」が有効なシーンは限られている。
「頑張りすぎなくてもいい」的な主張は受け入れやすく、本質を突いたものであるものの、それに100%依拠するのは自尊心の放棄である。あらゆる事で、行き過ぎた主張は現実的正義との乖離を生む。ボディポジティブなどにその萌芽が見える。
自宅にディスクバイクを設置したのは、昨年した意志決定の中でも最高のものの一つ。
コーヒーを2杯連続で飲むと新しいアイディアは断続的に出てくるが思考の持続性が失われ、作業ミスが増える。水ならそのようなことは起きない。
🍵今の関心事
愛嬌とユーモアを両立させるために、自分のコントロール範囲で出来ることは何か。
2人目スタッフと一緒に何をするのか。それを通じてCobe Associeという会社はどう変化・進化していくか。
Cobe Associeが月収益1億円の企業になったとき、自分はそこまでに何をして、そのとき何を感じ、その向こうに何を見ているのか。
自分にどれくらい野心の種を植えるか。
🥑活動報告
7回目になる社会変化兆候調査、リリースしています。続ければ続けるほどつくっていることが楽しくなってくるので、面白いですね。
事業再構築補助金に採択されて実行に向けた手続きを進めているのですが、事務局の非DXっぷりに驚かされています。書類提出や案内サイトをWebにするのはいいんですが、結局方眼紙Excelに内容を記入させられ、修正指示は(何十個変える要素があっても)全て電話、読めと言われるマニュアルは前時代的な読みにくさ溢れるPDFファイル。デジタル庁に叱って欲しいです。
日本仕事百貨さんにインタビュー頂くことになりました。記事掲載(+それに併せた人材募集)は11月中旬~下旬になる想定です。楽しみにしています。
仕事、好き嫌いせずにいろんなものにアプライしてみようと思っています。不惑の40歳まではまだ時間があるので、まだふらふらしてもいい時期だと感じています。(立ち続けていれば、の話ですが)
今週も、Happy Weekを:-)