おはようございます。今日も神戸からお届けしています。
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4月に約2年ぶりの東京出張にいき、「やっぱり定期的に人とあわなあかんわ」とはっきり感じるくらい良い出会いがあった。普段神戸に引きこもっているが定期的に出張を入れるぞと思い、先週が5月度の東京出張タイミングだった。今年Natureに出た論文の中で『創造的アイディアを出すにはオンライン会議よりも対面だよ』となっていた通り、今回もぐっとアイディアが前に進んだ。(この研究結果がオフィス維持ガチ勢に拡大解釈されないことを願っている)
ひっそりやっているポッドキャスト"Cobe.fm"で取り上げた伊藤亜紗さんの『手の倫理』で、コミュニケーションには伝達モードと生成モードがあり、手・触覚は生成的な意味合いが強いメディアだと語られている。オンライン環境は視覚・聴覚に依拠していて、伝達に特化した場だ。リモート/ハイブリット前提のワーク環境では、アイディア創出のためには意識的に生成モードに切り替えんじゃいけん。(Cobe.fmは生成的な場に拘りたいと、台本なしで一発録りし続けている)
どちらが良い・悪い、という話ではないのだが、生成的なコミュニケーションが得意な人は明確に少ない。「みんなで意見を出し合って…」と言っているファシリテーターも、実際は腹の中にある落とし所に議論を誘導していたりする。生成的な場の代表格であるワークショップでも、主催者側の"狙い"の癖が強すぎて、結局ありきたりものが生成されてしまう現場を何度も見てきた(特に広告代理店がリードする場で多い)
コンサルタントという仕事には一般に「人が知らない情報を伝達することで価値を出す職業」のイメージが付いている。このニュースレターというメディアも、伝達味が強いメディアだ。しかし私は、生成モードが得意な人間でありたいと思っている。このニュースレターも、海外のジャーナリストが運営する情報・ニュースメディアというよりも、読者の方々との生成に繋がる火花や、読み手の中に埋め込む着火剤にしたい。だから、延々とバラバラした内容を届け続けている。
自分の『生成モード』レベルを上げるには、とにかく場数を踏まなくてはいけない。そして、自分が業界・市場で圧倒的な存在でない限り、素敵な方に会うためには自分自身が脚を運ぶことになる。
今年はたくさん神戸の外に出て行きたい。「田中くん。頭で考えようとしちゃいけない。『脚で考える』んだよ。」と言ってくれたBCG時代の先輩にとても感謝している。実践していきたい。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
家庭用ミシンに家庭以外の風景を見せる:私が好きなインターネット、世界がここにありました。 (dailyportalz, link)
考えるという行為について:Collaborative Fundから出てくる論考はどれも質が高い。考える、という行為に関する17の原則。ファクトフルネスにも通じるものがたくさん。ファンドの記事で「ROEに固執すると物事を見誤る」とは。 “Half the distinguishing qualities of the eminent are actually disadvantages.”とは、ぐっとくる言葉ですね (collaborativefund, link)
Rest of Worldが選ぶ100人:Time 100が有名ですが、世界観強めのこちらも好き。キャシー松井さんやスマニュー共同創業者の浜本さんたちが選出されています。 … “There is a difference between what you want to eat and what you need to eat,” Hamamoto previously told Rest of World. “So in the same sense, in terms of news, what you want to know and what you need to know are different.” (RoW, link)
クリエイターエコノミーを再考する:記事原題は"The Game Is Rigged: Rethinking The Creator Economy"。93%のクリエイターが、この職業を選んだことが自らを不幸にしていると考えているとは。プラットフォームはユーザーと広告主のために最適化されている、という当たり前の事実を再認識する。 (ExploreWhatWorks, link)
時代のトレンド、という概念は消失した:SNSを通じて、あらゆるものがトレンド(と呼ばれるもの)になりうるいま。「TikTokは、あらゆるものがトレンドになる可能性を秘めた、ゴミだらけの地獄という状況を作り出している」と著者は言います。サブカルチャーが、バイラルトレンドというくだらないものとして模倣され、消化されていると。面白い記事だった。 (vox, link)
機械式時計の仕組み:冷静に考えるとすごい。 (Bartosz Ciechanowski, link)
EBPMデータベース:行政、こういう所からはじめようや。アンケートとかじゃなくてさ。ちょっとだけサイバーエージェントが好きになった。 (EBPM DB, link)
“Bias Toward Action”:自分自身を行動に向けた駆り立てるために良い問い立てがたくさん。 (tw, link)
「乳がんや脳腫瘍を検出するAI」を公開したのはアマチュアのプログラマー:大事なのは胆力と熱量だ。 (gigazine, link)
短期間瞑想しても脳構造は変わらない:ウィスコンシン・マディソン大学の研究で、ずいぶんしっかりしたランダム化試験。8週間程度の瞑想プログラムでは脳構造の変化はみられなかったと。 (reseach, link)
トルクメニスタンの女性に訪れる危機:米国のジョーvsローガン等も話題になっている昨今ですが、トルクメニスタンの新大統領・セルダール・ベルディムハメドフが新たに制定したルールは女性の行動を大幅に制限するものになっています。これが多様性尊重と相対主義がもたらした結果なんだろうか。 (The Economist, link)
ニュースレター配信者のおすすめ作業ツール:大好きなニュースレターBrainPintの著者、JanelのRecommended Resourcesがこちら。 (Janel Loi, link)
📙本
ヒトラー演説 - 熱狂の真実:なるほど、人を熱狂させる技術とはこういうものかと。 (Amazon, link)
ベルリンうわの空 ランゲシュランゲ:生きていくぞ、って気持ちになる。 (Amazon, link)
🎥観た/観ている
幸福の土地:中国を舞台に、土地の接収に翻弄される小作農民たちが描かれる2015年のドキュメンタリー。これ、知らなかった>『中国では、農村の土地や水利施設などの資源は私有ではなく集団所有。「村」はその所有主体です。中国の「村」は日本の市町村などとは異なり、公的な財政制度の枠外に置かれています。そのため、行政の下請けやインフラ建設などの業務実施のための財源は、村が自ら確保しなければなりません。』 (Asiandocs, link)
教えて学ぶ:シンガポールの教育ドキュメンタリーで、原題は"Unteachable"。教育不能(NT)と判定された子たちを担当する教員・メイシーがどんな風に生徒たちと向き合うのか。賢く優秀な人材こそが核とされる国家で、勉強ができないということの重みは相当なんだろう。メイシーは答えではなく気付きを与えることに拘る。言葉で表現する何倍も、実践するのは難しい。ちょうど日経でコラボ授業の記事をみた日で、いろいろ考えた。"No one is unteachable"で締める。 (Asiandocs, link)
アウト・ラン 走れ!LGBT政党:キリスト教徒が過半数のフィリピンにある、世界で唯一のLGBT政党・ラドラドのリーダーを取り上げたドキュメンタリー。思想・信条のためにここまでやる勇気があるのかと自分に問いかける時間でした。撮影後の世界を調べると、ラドラドは2019年の選挙に参加せず。2022年の国政選挙への参加を表明しているものの、どうなるか。 (Asiandocs, link)
影の花:南北朝鮮の溝の深さと、妄念に捕らわれた人間の恐ろしさを実感しました。(Asiandocs, link)
📻聴いた/聴いている
東京ポッド許可局 第473回「ミートボールの残ったソース論」:始めから終わりまでわかるやんが続きました。人が見てなかったら舐める、ご飯との相性、キャベツとの交わり、偶発的な出会いと計画性。こんな風に話せる3人組の1人になりたい。それに向けた訓練をしたい。 (tbsradio, link)
Project Hail Mary/Audible版:英語学習+2週目の噛みしめで聴き始めました。ジョークの感じが楽しい。 (audible, link)
🧩感じた/感じている
コミュニケーションについて考えれば考えるほど、原田先生・羽生先生が言う「三手の読み」に還ってくる。
返る、帰るだけではなく"還る"を使いこなせる人と一緒にやっていきたい。
そもそも健康ってなんだよ。
社会心理学の領域は面白い。
モノをどんっと音立てて置く人、エンターキーを押す音が大きい人と各種相性が良かったことがない。
東京ポッド許可局のオフ会があるなら行きたい。
🍵今の関心事
6月の東京出張でどなたに会うか。
経営者、事業家として自分のレベルをいかに引き上げるか。
星新一短編集、岩波の世界哲学史(どちらも大変長い)をいつ読むか。
🥑活動報告
5/23月:5月の東京出張初日、なぜか東京の方とオンラインミーティングをする。そらそうか、東京は広い。ここ半年仕込んできたオウンドメディアをひっそり公開。地道に育てていきたい。2冊目書籍出版の会議も。22年後半、忙しくなりそう。
5/24火:仲良しVCさんの新しい取組をきいて心躍る。スタートアップ投資をしている人は苦手な人が多いけど、結局は個々人のお人柄なんだと改めて実感。ヘルスデータ関連の調査案件を進める。「健康のためならみんな頑張るはず!」の前提で走り出すサービスがいかに多いことか。そもそも健康って何だよ。
5/25水:東京→神戸に戻りつつ提案作成、案件相談対応、目下のリサーチを進める。夜はテニススクールのレッスンに。全国大会優勝までしたコーチ、はんぱねぇ。。。
5/26木:オウンドメディア・コレスポンデンスのリリースを出して、知人から「いいね」の連絡が何件か来る。来週新しいお手紙をいくつか書く予定。5月末納期の案件、集中してリサーチ成果を纏めていく。良い天気は良い思考を促すなと実感。国際コーチング連盟の資格管理事務局から応募書類受領の連絡が来る。発表は8月上旬。ゆっくり待つ。
5/27金:昨晩レイトショーで見に行った映画の感想を噛みしめつつ感想をDynalistに書き綴る。巷の人が感じ取ったメッセージとは全然違うところで私の感性が盛り上がる。
5/28土:通っている通信制大学の心理学分野「対人援助論」のテキストを読みながらレポートを書く。コンサルタント/コーチとして活動しているいま、学生の時よりも吸収効率高く学べている気が。1X年ぶりにレポートなんちゅーもんを書いたが新鮮な体験だった。
5/29日:あれっ、もう6月!!?えっっ!?となっていたら1日が終わった。来月から3ヶ月ほどがっつりリサーチ+ブランディングのお仕事。頑張る。
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今週もHappy Weekを✨✨