神戸からおはようございます。
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今週25日が日本のプロ野球・NPBの開幕日です。なんともうそんな季節ですか。ここ数ヶ月、というかここ2年ほどいろいろありすぎて季節感が失われています。
2003年に書籍が出版され映画にもなった「マネー・ボール」は、メジャーリーグMLBの貧乏球団だったアスレチックスがどのようにチームを強くしていったかを描いたノンフィクションものでして、野球少年だった私が大好きな作品の一つです。この中で語られる快進撃の背景にあるコンセプトの中心は、セイバーメトリックス(データを統計学的見地から客観的に分析し選手の評価や戦略を考える分析手法)。
作品としてのマネー・ボールを紹介するWikiで、簡単にセイバーメトリックスがいかにしてチーム強化に使われたかが簡単に紹介されています。
ビーンがセイバーメトリクスを用いて独自に「勝利するために重要視すべき」と定めた諸要素は従来の価値観では重要とされないものばかり、つまり選手の年俸にほとんど反映されていないものばかりであっため、アスレチックスは低い年俸で有用な選手を獲得して戦力を上げることができたのである。ヤンキースなどの資金力のあるチームに比べて1勝にかかる金銭的コストがはるかに低く、「投資効率」を考えた場合極めて合理的な手段であった。
正しい指標で物事を見ると、間違った指標で活動している人を上回ることができる。セイバーメトリックスはこの信念と統計学という科学を組み合わせて野球に応用した、すばらしい例です。
打率を見るよりOPS(出塁率+長打率)やwOBA(Weighted On Base Average)を、三振数よりもBB/K(四死球/三振の比)を、奪三振数よりもK/BB(奪三振/与四死球の比)を、、、、統計学の知見を生かして新しい指標が生まれ、野球選手の適正な評価に繋がっていく。まあ批判もありますが、私はこういう指標最適化についてポジティブです。
さて、翻ってオフィスワークの現場を見てみると、間違った指標で人を動かしている職場がまだまだ多い(というかほとんど)ように見えます。本来はその人がいることで職場・チーム全体としての利益が上がるかどうかを見たい/見なきゃいけないのに、取ってきた案件数(ヒット数)だけで営業評価を決めていたり。大きな案件を取ってくるがミスもたくさんする(打率低く三振も多い)人を褒めそやす風潮があったり。
その指標、わかりやすいかも知れませんが、本当にそれでいいんですか。
個別の指標はよくなっているのにチームとしてのパフォーマンスはからっきし、みたいなことになっていませんか。(イチローが活躍し続けたのになかなかプレーオフに進めなかったシアトルマリナーズのように)
あなたの職場にあったメトリックスは何でしょう。投資効率が一気に高まる取組みテーマになるはずなんですが。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
「感情を揺さぶるコンテンツ」に、疲れてませんか?:疲れています。リアルうっせーわ。「感情を押し付けない、穏やかでヘルシーなコンテンツを大切にしていきたいと思う」 mee tooです。 (Books&Apps, link)
自分へ厳しくダメだししないと、能力は上がらない:「チェックと練習へのフィードバック」の不足により能力が上がらない場面や人、頻繁に目にします。コーチングを自己肯定感高めの場に使うようでは、同じループにハマってしまうのです。 (Books&Apps, link)
生物界での"性"を考える:フロリダ州での "Don’t Say Gay"法案の盛り上がりが続いている中で、Atmosの特集が興味深かったです。ゴリラやボノボ、イルカやライオン、キリン、ヒトデやヘビでは同性愛的な関係が観察されており、クマノミのように性別転換を行う種、ナメクジのような同時性両性具有種など、世界はあまりに多様だと痛感します。 (Atmos, link)
従業員100名未満の "Most Innovative Companies":Fast Company恒例のやつです。医療現場での複数言語コミュニケーションを支援するJeenie、キャリア支援NPOのMerit Americaなど、興味深いチームがたくさん。また全部リスト化して、コンまな内で共有予定です。全体版はこちら。 (FastCompany, link)
大気汚染とメンタルヘルスの関係性:Developmental Psychology誌に掲載された研究によると、オゾンレベルが高い地域とそこに住む子供たちの鬱病発症率に一定の関連が見られたとのこと。"A possible theory from the study is that ozone increases inflammation in the body, which has been linked to fatigue, anxiety and depression."と。メンタルヘルス系の研究は各種生活要因や遺伝要因のコントロールが難しいのでなんとも言えないですが、一つの仮説として。 (mic, link)
デンマークでもタバコ販売が禁止:2010年以降に生まれた国民に対してタバコ及びニコチン関連製品を販売することを禁止します。加えて、若年層のアルコール購入に関しても規制をする方針。昨年12月にニュージーランド政府が同様に禁煙強化を目指す取組を発表しています。また今週見たとある研究では、たばこ税増税と乳幼児死亡率減少の関係性が指摘されています。 (euronews, link)
「量より質」の睡眠でいけるかもしれない:UCSFの研究者が家族性自然短眠(FNSS)を対象に研究を行い、効率的な睡眠を可能にする5つの遺伝子をゲノム上で特定したとのこと。 (ScienceDaily, link)
ファンドマネージャーはサイコパスではない方が良い:サイコパスはファンド運営者向きという研究もありましたが、長期パフォーマンスを見ると結局非サイコパス群のほうが優れていたよ、との報告。 (SAGE Journal, link)
アフリカ北東部で歴史的干ばつ、2千万人が困窮:雨がほとんど降らない雨期が3期続いており、この3月から始まるはずの雨期でも状況は同じだろうと予想されています。直接ではないのですが、先週エチオピア紛争避難民への食料・医療支援に一定額を寄付しておきました。皆さんも是非。 (National Geographic, link)
動物たちも難民に:なんのこっちゃわからんでの顔。人間はしかし、この表情にも哀愁をみます。 (The Atlantic, link)
📙本
新しい世界の資源地図: エネルギー・気候変動・国家の衝突:読み進めています、どこまでも骨太。第2部が丸々ロシアで割かれており、ウクライナを介した欧州との関係性がテーマど真ん中に据えられています。声に出して読みたい書籍。 (Amazon, link)
宇宙・肉体・悪魔:物理・生物科学者だったJ. D. バナールによって920年代に書かれた本書、新版で読みました。『「結局のところ一つの時代が創造的であるか否かを真に決定するのは希望である」という一文だった。この文章は一九二九年の刊行以来、一度たりとも古びていない。これからも決して古びることはないだろう。まさに人類が生んだ名著である』という解説にしびれました。 (Amazon, link)
黄色い夜:エチオピアから独立したE国という架空のアフリカ・カジノ国家を部隊にしたSF?でした。視点の移動が文章から捉えづらく、私はちょっと苦手でした… (Amazon, link)
🎥観た/観ている
みかんアート:かわいいです。仕事でたいそう疲弊した夜に見たTweetなんですが、文字通り疲れが吹っ飛びました。人間の想像力たるや。
📻聴いた/聴いている
Smetana: Vltava (The Moldau) いよいよ気合いを入れるときはこれに限ります。
🧩感じた/感じている
いつまでも通信簿の世界で生きている人はいて、その人たちと一緒にいても楽しくはない。
人生は理不尽なものであり、それを平準化するにはあまりにも短い。
長いことじっとしているとパッと動き出せない。人生の話でもあり、テニスの話でもある。
誰かの無駄話を、笑いながら「だるっ」といいつつ片付けたい。
今の私は、相当仕事が出来る。しかしそのことは、それ以上の意味もそれ以下の意味も持たない。
🍵今の関心事
再来週から少しゆっくりできる、そんななかで何をするか。
いよいよ家探しを真剣に考え始める。
次のお仕事をどう仕込むか、いかに営業をするか。(4月以降お仕事ご一緒できる法人・個人の方に向けて、ごりごり営業していく予定です。もっともっととがんばるぞと気合いを入れつつ)
🥑活動報告
この春から夏にかけて、小さな往復書簡メディアを立ち上げる予定です。私とWeb上で公開往復書簡してくださる方を募集しているので、こちらのコメントでも、Twitter DMでも、こちらの問合せからでも気軽にお知らせください。
4月から入社してくださる方へのオンボーディングプロセスを考えており、わくわくしています。私個人の枠を超えて、Cobe Associeという会社が、公器へと成長を遂げていく過程を見ている気持ちです。
50歳までの3カ年計画×6を考え始めています。どなたかに壁打ちを依頼するかも知れません。そのときにはぜひお付き合い頂けると幸いです。
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今週もHappy Weekを✨✨