こーべ通信vol.1:まったく想像力でいっぱいだ

Cobe Associe代表・田中志がお届けします。

 年末年始の神戸あたりは、たまに雪も降ったけど、おおむね晴れていて、気持ちいい時間が長く続いていました。私は平和に、ひとけの少ないブルーボトルコーヒー神戸店で、お仕事をしたり、まさにこのニュースレターを書いたりしています。

 年末年始にものごとを落ち着いて考える時間が取れて、いっちょニュースレターでもやってみるかと思い立ち、今回はそのVol.1です。得体のしれない中で登録してくださった皆さん、ありがとうございます。どんな内容にしていくか、まったく未定なのです。少なくともみなさんを不快にしないように、できる限り真っ直ぐに書き、考えたいと思います。

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 ここ数年ずっと、過大評価されている言葉が随分とあるんじゃないか、と感じていて、その代表的な言葉が「創造性・創造的」「クリエイティブ」だと思っています。

 2020年のはじめにダイヤモンド編集部さんが出した記事の冒頭がこんな感じでした。

現代は、あらゆるものが複雑化・大規模化しており、「論理的思考」だけでは解けない問題が押し寄せている。そこで求められるのが人間の創造力を活用した「創造的思考」だ。

 こういうのは一見それっぽくて、私は論理的に物事を考えるのが苦手で…という人に、「よっしゃ、それじゃこの創造的思考ってやつはいかがですか?」と売り込むにはいいと思うんですが、そもそもあなたのいう論理的思考ってなんだって話もあり、その上でさて本当かっちゅー話です。会計の世界では「創造的会計(Creative Accounting)」というと、”粉飾まがいのいかがわしい会計処理”、ちょっと見栄えを良くしようかなと数字をいじることを広く指し、その中で違法な事を行うと粉飾(fraud)になるんですよね。創造的、って難しいですね。

 私は創造性よりも想像性のほうが何倍も大事だと思っている派で、年末年始に読んでいた「想像力を触発する教育 -認知的道具を生かした授業づくり」という本の中で、想像力を触発するための”道具”の話があって、これがめちゃめちゃ良かったです。著者のキエラン・イーガンさんは教育学者で、本の主題は「よりよい教育のために教員は何ができるか?」という問いを扱っているので、事業ごりごりにこなす皆さんとは少し縁遠いかもしれませんが、紹介されている道具はどれも本質的なものでした。

  • 韻とリズムとパターンとを使いこなす

  • 物語を紡ぐ

  • 対概念で捉える

  • 冗談とユーモアで向き合う

  • 極端な事例や例外に関心を持つ…etc

 これらの道具を使いこなしたほうがよっぽどよく人がイメージする「創造的なアイディア」が生まれてきそうですし、そう考えると、人の想像(場合によっては妄想)を促すあらゆる人やモノが増えることは素晴らしいことだと思っていました。

 ここまで書いてきて、私は別に創造力云々が胡散臭いと考えているわけではなく、「よっしゃ創造的に考えるぞ!」と直接アプローチするよりも、「いろいろ想像を働かせてみようか。さてユーモアを…」と柔らかく考え始めたほうが、結果的に簡単に、かつ本来的な意味で創造的な活動ができるんじゃないか、と考えている、ということがわかりました。書くことは大事ですね。

 良い年末年始でした。いい2021年にしましょう。


✏️読んだ/読んでいる

📃記事

  • 今年読んだベスト本9冊|Taejun:五常・アンド・カンパニー慎泰俊さんの2019年読書記録。紹介されている本も素敵ですし、こんなふうに人やモノを紹介する文章が書けるようになりたいです (Link

  • ヌエヌエしてる学習 : 「戦略サファリ」ヘンリー=ミンツバーグ:「〇〇としての戦略形成」には10の流派があり、どれが最高かなんてないよね、と。立場には自覚的でありたい(Link

  • 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略|経済産業省:壮大なお話こそビジュアルでわかりやすく。(Link

  • このIRのグラフがすごい!上場企業2020:人間はグラフを扱えるほど賢くないのかもしれない。笑っている場合だが笑っている場合ではない。反面教師にしような(Link

  • 2020年、将棋ソフト界隈のまとめ:深層学習がコンピュータ将棋の最前線に。「巨人だと思ってその肩に乗ったら、巨人がすっ転んで大怪我をすることも普通に起こりうる」気をつけよう(Link

  • The benefits of laziness: why being a lazy person can be good for you:「進歩は早く行動する人が起こすわけではなく、怠け者がより簡単な方法を見つけようとすることで生み出される」怠惰は悪いことではない。こんな時代にこそ怠惰であろう。(Link

  • How to think for yourself | Paul Graham:感性や思考について、どの程度他人と共通化し、どの程度新規性を求めるのか。真実へのこだわり、自分自身で考えることを決める勇気と決めつけへの抵抗、好奇心を持ち続けよう。いいエッセイ(Link

  • Gender in the time of COVID-19:「危機下では女性の方がリーダーシップに優れている」との主張(これとか)に対して、そんなことないのでは?と反証した論文。信念は大事、バイアスを正す精神も大事。バランス。(Link

  • 2020-year-in-search|Google:例年に比べて「Why?(なぜ)」が検索された年だったと。3分のまとめ動画、ぜひ観てほしいです(Link

  • Tech Trends 2021|Deloitte Insights:過去20年分のトレンドをまとめた「トレンドのトレンド」に目を引かれました(Link

  • 52 things I learned in 2020:ツバルの国家収入の10%は “.tv”というドメイン(例えばtwitch.tv等)運営によって成り立っているなどなど。こんなふうに1年の学びをまとめるやつ素敵だ(Link

  • What we're watching in 2021|Axios:ビジネスや都市、スポーツなどのテーマごとに、どんな切り口で2021年を見ていこうとしているかの所信表明。Axiosの記事はぱきっとファクト・データが示されていて好き、おすすめ(Link

  • Fjord Trends 2021:ただの未来予測ではなくThink->Say->Doの流れで行動を促しているのが好き。Empathy challengeは個人的にも大きなテーマ(Link

  • Trends 2021: Three Scenes from the Future:SFチックな未来予測。20秒くらいの動画でシナリオ説明してくれていて好き(Link

  • Gartner Top 10 Strategic Predictions for 2021 and Beyond:ハイプ・サイクルなどでも著名なガードナーによる未来予測。CIOs become COOs、Record work conversations drive changeなどなど(Link

  • Pinterest Predicts:「人は、明日のアイディアを探してPinterestを使います」から始めるのずるくない?めっちゃいいやん。日本語翻訳の文章にしいたけ占い感がでてるのも好き(Link

📙本

  • 私のウォルマート商法 -すべて小さく考えよ:「私がやったことは模倣です」と言いながら56兆円企業を作り上げたサム・ウォルトン。彼自身が語る、ウォルマートの成功と失敗、反省の物語でした。(Link

  • 想像力を触発する教育 -認知的道具を生かした授業づくり:松岡正剛の「千夜千冊」で取り上げられていたのを見かけたのがきっかけでした。教員向けの本ですが、起業や組織で人を育てる立場にある人にはもれなくおすすめ。(Link

  • フォークの歯はなぜ四本になったか:形態は機能に従う(form follows function)のではなく、形態は失敗に従う(form follows failure)だと。「中世の最も格式の高い食事では、左右の手に一本ずつナイフが握られていたのである」と聞くと、驚きませんか?(Link


🎥観た/観ている

  • Benjamin Zander “the Transformative Power of Classical Music”:世の中のリーダーと言われる人たち、リーダーを目指す人たち、他人と関わる仕事や役割をこなすすべての人に見てほしいと願う、最高の動画。(Link

  • Google — Year in Search 2020:既に再生回数2億回突破しているこちらですが、改めて。Why、何故と言いたくなることばかりの世相でしたが、負けずに行きましょう。(Link

  • Tennis Sportsmanship & Respect Moments: 2020 ATP Season:2020年はテニス界にとっても難しいシーズンだったはず。そんな中で示された、スポーツマンシップと優しさのお話(Link

  • デヴィッド・レターマン: 今日のゲストは大スター:netflixオリジナル。こんなインタビュアー・聴き役ができるようになりたい。(Link

  • ハサン・ミンハジ: 愛国者として物申す:これもnetflix。米国の政治経済、社会問題をコミカルに描くスタンドアップショー。ワイドショーばかりの日本でも、こういう番組が観られる日が来るんだろうか。視聴率は取れなさそう(Link

📻聴いた/聴いている

  • yama “春を告げる”:The First Takeバージョンを無限に聞いてました。(Link

  • Uru “白日”:これはSpotifyで。カバーなんですが、原曲よりも好きです。(Link

  • なぜ「気候変動」の話がピンとこないのか!?:人気Podcast「こんにちは未来」の最新回。気候変動の被害を受ける主語は未来の人類・子どもたちなのに、『地球を守ろう!』的な主語の混同をしちゃうとそらあかんわなと思っています(Link

  • #11 香川・静岡出張に憧れのラジオ収録!年末もBリーグをPR:プロバスケ、見に行きたくなります。(Link


🧩感じた/感じている

  • 足首温めると全身ぽかぽかして、夜もすやすや寝れておすすめ。足首ウォーマーでGoogle。

  • 深呼吸と散歩でたいがいのことはどうでもポジティブになる。イライラしているときや疲れているとき、呼吸は浅く動きが固くなっている。

  • 本当に怖い変化はゆっくりと起きる。ニュースになるような急激な変化には対応できる。地震には気づくが、地殻変動による地割れには無関心。

  • 習慣とセルフトークを変えるには将来イベントをねじ込むこと。痩せる!と決意するより、1ヶ月後のランイベントに申し込むほうが良い。

  • コミュニケーションを生むには強制的にプロジェクトを共有すること。

🍵今の関心事

  • 人に深呼吸を促すために、香り・嗅覚をどう活用できるか

  • 将棋三段になるために日々の対局・トレーニングをどう振り返るか

  • 似ている・似ていないの判断軸を動かすために他者はどうアプローチできるか

  • 2020年を通して、森と緑は育ったのか、増えたのか

  • 生活に占める交換の割合を下げ、贈与の割合を増やすためにできることはなにか

  • 多様性・ダイバーシティを図る指標を(ジェンダーや身体性以外の観点へと)どう多様化するか

  • 西暦2100年に新興国と呼ばれる国はどこか

  • 2021年、自分は何を生業にするのか


これからも神戸の日常風景写真をお届けします。いいところですよ。

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