神戸からおはようございます。このニュースレターはいま275名の方が登録してくださっています。いつもありがとうございます。
「巨人の肩に乗る」を人生訓の一つにしている私は、様々な人の『○○経験を通じて学んだこと』に触れるのが大好きです。社会一般での評価や取り組んでいることの大小にかかわらず、全身全霊をかけて物事にあたる人であれば、経験・感じていることの幅も深みも私の想像のはるか先にあるはずだと信じています。(AIの進化について将棋棋士の先生方が感じていることを伺うにつけ、その確信を深めています)
海外の起業家が書いた “57 Startup Lessons”を先週読み、ふんふんと唸っていたのですが、「マーケティング」の項でとある項目に目がとまりました。
Watch Jiro Dreams of Sushi, then do marketing that way.
Pick a small set of tasks, do them consistently, and get better every day.
映画『二郎は鮨の夢を見る』を観て、その方法でマーケティングを行おう。
小さな仕事にも注意を払い、それを一貫して行い、同時に日々上達すること。
こんなところで日本の映画がリファーされるとは。二度見して読みました。
『二郎は鮨の夢を見る』は、東京・銀座にあるすきやばし次郎本店の寿司職人・小野二郎さんとその息子さんの2人を中心に、寿司職人の厳しい世界やストイックさが描かれたドキュメンタリー映画。ホリエモンの「寿司職人が何年も修行するなんて…」発言の元になった作品でもあります。
10年以上前の作品ですが、良い/善い仕事をしたいと考えているすべての人に観て欲しい。本当に素晴らしいです。二郎さんの所作や思考に、 “Better than the Best(最善よりも、更により良く)”の精神が見えます。そしてそれを追求するには、飛び道具に頼るのではなく、小さなことも見逃さず、一貫性を大切に、しかし日次単位での向上を目指すことが大事なんだと教えてくれます。
作品の中で、小野二郎さんは素晴らしい料理人に必要な5つの要素をすべて持った完璧主義者だと紹介されます。
まじめさ
向上心
清潔感
短気・わがまま・がんこ
情熱
料理人に限らず、各分野の超一流を目指すなら、どれがかけてもダメなんでしょう。改めて背筋が伸びました。今週も向上心と情熱を持ってやっていきましょう。
✏️読んだ/読んでいる
📃記事
世界中にある宇宙港:世界で66箇所、日本も6箇所あるのか。宇宙に水はないけど、さんずい付きの港を使うところに趣があります。 (Visual Capitalist, link)
奇抜な建築家はサウジアラビアに向かう:ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が観光立国を宣言し、多くの建築家やデザイナーが観光名所を作るために厚遇で招かれているとのこと。米国との関係性見直しなども話題になるサウジアラビア、向こう30年で何が起きるでしょうか。 (WSJ, link)
ミツバチは左から右へと数える:左から右に向かって大きさの順に並べる「メンタル・ナンバー・ライン」という法則は人間に限らずあるのではといわれていたのですが、仏の研究チームがミツバチを用いた実験で検証。 (Guardian, link)
女性リーダーの退職が増加している:マッキンゼーなどの調査によると、リーダーシップを取る女性は燃え尽き症候群に陥る割合が男性より高くなっており、実際女性1名がディレクター以上のレベルに昇進すると同じレベルにいる女性2人が退職するペースになっていると。 (Vox, link)
公平・公正にしたいなら筆記試験が結局良い:本論はもちろん、リファーされているこちらも面白かった。 >「過去の研究では、学生の多様化を目指してテスト以外の入試オプションを採用した場合でも、アファーマティブアクションの対象である黒人、ラテン系アメリカ人、ネイティブアメリカンの学生の割合が1%しか増加しなかった」 (gigazine, link)
TikTokも(Amazonのように)全米に配送センターをつくる:LinkedInに掲載された求人情報で物流/倉庫/配送に関連するものが。「次の主要な収益源としてeコマースに投資するのでは?」と予測されていましたが、現実になりつつあります。 (Axios, link)
Amazonはあえて“うろうろ”する:2018年当時のJeff Bezosへのインタビュー。Wandaringすることが大事なんだと。そして、企業が成長するにつれて、失敗の規模も大きくならなくてはいけないんだと。 > “企業が成長するにつれ、失敗した実験の規模を含め、あらゆるものが スケールアップする必要があります。失敗の規模が大きくならなければ、実際に針路を変えるような規模の発明をすることはできません。Amazonは、数十億円規模の失敗が時々あれば、私たちの規模の会社として適切な規模の実験をしていることになります” (Fool, link)
Shake Shack創業者が1千万ドル出資したクッキー・コーヒーチェーン:幼なじみの二人がNYで立ち上げたノスタルジックスイーツを提供するChip City。ハンバーガーでおなじみ、Shake Shack創業者のDanny Meyerが拡大に向けた資金とノウハウを提供します。 (forbes, link)
問題解決のために思考の"次元"を増やす:状況観察の確度を増やすことで問題の核心を発見しやすくする「三次元思考」を紹介する記事なんですが、大事なことは「解決策が見えないと言うことは思考の次元が足りないのかも?」と気づくことなんだな、というのが私の学びでした。エレベーター増設や人事制度など、事例も多くていい記事でした。 (Durmonski, link)
コーヒーではなくお茶を、そして何もしない時間を:コーヒーは忙しい人、真面目な人、努力する人のためのもの。この文化と距離を取るためにも、お茶はどうですか?と。さっそく感化され、お茶消費が加速しています。序盤の「表向きは何もしない練習であるはずの瞑想、いまや努力・集計の対象になって、改善やゲームの対象になっちゃっているの笑えるよね」の指摘があり、ほんまやなぁと真顔になっています。 (Thoman J Bevan, link)
心や思考にも"口直し"を:濃いコンテンツばかりがもてはやされる時代ですから。記事の中では音楽を聴くことがおすすめされていて、15分ほど完全に没頭し精神をクリーンにするんだと。わかるよ、その必要性。 (Hulry, link)
私たちはナッジとどう向き合うべきか:「なんかやばくね?」の感想、至極まっとうだと思う。『実践 行動経済学 完全版』の予約販売も始まっています、買いました。 (Books&Apps, link)
被害者シグナルを送る人が持つ性格傾向を特定する:自己愛症/ナルシシズム・権謀術数主義/マキャベリズム・精神病質/サイコパシーの3性質が、自分の善良さをアピールする美徳シグナリングや被害者ぶった言動を示す被害者シグナリングに関連するとブリティッシュコロンビア大学の研究チームが報告しました。特にマキャベリズムの関連性が高いとのこと。 (gigazine, link)
嫌いなビジネス書を語る:トロント大学MBA・ロットマンスクール元学長で戦略的思考に関するポストをたくさん出しているRoger MartinがMediumで「私が最も嫌いなビジネス書」について話していました。あえてこちら側と紹介する、いいしてんだなと思いました。私もいつかやりたい… (ちなみに紹介されていた本はこちら) (medium, link)
📙本
禅とオートバイ修理技術:オートバイ乗りかつストア派哲学を愛する人間として、いい本です。 (Amazon, link)
聞く技術 聞いてもらう技術:ICF/ACC保有のコーチとして、いい本です。 (Amazon, link)
シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント:企業や事業と真剣に向き合う人間として、いい本です。 (Amazon, link)
アーティストの手紙:公開往復書簡メディア運営、言葉を大切にする人間として、いい本です。 (Amazon, link)
📻観た/聴いた
2時間で100記事を書く方法:動画中に出てくるJasperを使いまくろうか、真剣に考えています。 (youtube, link)
今夜はブギーバック-KREVA&加藤ミリヤ×Garden-Sugar Soul feat Kj★mashup★:ええやんけ。 (youtube, link)
🧩感じた/感じている
そば湯が美味しい。自宅で飲むためにそば粉を買いました。あとCOMPの栄養食グミ、存外に美味しいです。昼食をこれに変えたところ諸々捗っています。
『文化の担い手』を意味するスウェーデン語・kulturbärare、概念として素敵だし、自分自身がkulturbärareでありたい。
思想が合う人でも合わない人でも、その人の幸せを願う人間でありたい。
意思とは、目の前の傾斜に逆らってでも、未来に向けた行動をとろうとする気持ちである。 (link)
その通りだ。> “Attention is the rarest and purest form of generosity”
持っておくべき問いはWhy? How? So What?の3つだけで良いのかも知れない。この3つで済むように自らの人格と徳を磨いていくべき。
政治に関心はあるが、メディアの政治欄で語られること・報じられることに関心はない。(数週間ぶり640,315,434回目)
🍵今の関心事
ハイチ情勢の今後。介入する大国はどこか、あるいは無視を決め込む大国はどこか。
いかにこの境地に至るか。>「真の富とは、必要不可欠なものだけで満足し、自然の要求に自らを合致させること。すべてを自然の要求によって測りたまえ」(セネカ『倫理書簡集』)
「やってみなはれ」と言い切る胆力を携える器、どうつくるのか。
『キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱』をいつ観にいくか。
🥑活動報告
お仕事】めちゃくちゃ調べてめちゃくちゃ考える仕事をしているのですが、とても楽しいので、現職が天職です。先週登壇したリサーチ術に関するセミナー、聴講者のお一人に「神回でした」と言って頂き光栄です。さて、来月は14-16日で東京出張行きます。
買い物】Pixel Watchが届きました、丸ディスプレイがかわいい。伊都きんぐのどら焼きも通販してみたんですが最高でした。
学び】久しぶりに統計学をやっています。もう少しで「セネカ哲学全集6 倫理書簡集II」を読み終えます。
過去のこーべ通信アーカイブ、だいぶまとまってきています→ link
今週も、Happy Weekを:-)